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序列3位は伊達ではないようだ

厄介な奴だ・・・

なんとか序列4位 クリカラとの死闘を終えた俺は、中央へ向かって進む。


荒れ果てた島は、本当に草木1本も生えていない。次の魔人がいる事は 感じている。


これまで 戦ってきたどの相手よりも重圧を感じる気配だ。先ほどの戦いで 上がっていた気分も


この気配を感じてしまうと 身体が拒否するように 歩みが遅くなる。


ダメだ。気持ちで負けたら戦えなくなる。負けるわけにはいかないんだと気持ちを高めて相手の元へ


向かった。



「待ちわびたぞ! 恐れをなして 逃げ出さなかった事は 褒めてやる。わざわざ自ら死にに来るなんて

殊勝な心掛けだな」


「ああ 正直びびったよ。逃げられたらいいんだが、俺にも背負ってるものがあるんでな。でお宅は何者なんだ?」


「ハハハ 面白い!面白いなぁ 貴様。俺は、十魔人序列3位 ”鮮血のグエン” 血一滴残らず 散ってくれよ?」


この魔人は 見た目から判断するに 竜人だろう。身体全体に鱗がある。先は鋭く、接触すればそれだけで

傷を負うだろう。武器の類は 持っていないようだな。


「おいおい 何時になったら かかってくるんだ? 俺から行くと 一瞬で終わるぞ?」


挑発に乗るつもりは ないが、見てるだけでは倒せない。ありったけの身体強化と身体全体に神気を纏う。


相手の土俵で戦う必要はない。4属性複合魔法”死者に捧げる鎮魂歌(デッド・レクイエム)


「なんだこれは?」と言いながらも効いた様子は無い。それどころか 魔法自体が消えた。


っ?! これも効かないのか? 魔法そのものが効かない可能性がある。


その場から一歩も動かないまま 俺の放った魔法は消されてしまった。


竜の特性なのかはわからないが、魔法をキャンセルする能力を持っていることを悟った俺は、神剣で切りかかった。グエンは腕で受け止める。当たった瞬間はじかれる感触がある。


こいつ強すぎるだろ。魔法も剣も通じない。どうする?このままでは、体力が続かない。

いい考えも浮かばないがとにかく色々試してみる。

闇魔法で 身体を隠した状態で 四方から切りかかるも まるで見えて居るかのように防がれる。

魔法が効かない相手が これほど厄介なものだと思い知る。


「それだけか? そろそろ飽きてきたな。」そう言った グエンが軽いモ-ションで殴り掛かってくる。


早いっ! ゴォォォォン!! 障壁で防ごうとした俺は 吹き飛ばされる。追撃が来る。俺は瞬間的に

転移でかわすが、移動場所に追いついてくる。まるで自動追尾されているようだ。


この世界に来て 痛みというものをまともに感じたことは無かったが、たった一発のパンチで腕が痺れるほどの一撃は初めてだ。前回の神々の戦いで魔人を倒せなかったと言っていたが どうやって封印したんだよ?神様たち。無意識に攻撃を避けながら ふとあることに気が付いた。あれ? グエンの影がない。

俺の勘違いか?動きが早すぎるからか?いや それでもおかしいだろ? 


そう思った俺は、周囲に向かって ”破壊の雨(アトミック・レイン)”をばら撒く。


ん?今 空間がぶれた? グエンの攻撃を避けながら再度試してみた。


やはり 位置は移動しているが、空間に揺らめきを見た。 それである考えに至った俺は、


攻撃をかわしつつ 魔法をばら撒きながらチャンスを待つ。来たっ!予想した位置が揺れた。


そこに向かって瞬間転移し揺らいだ場所を神剣で切り裂く。


パリィ-ン という音と共に グエンの姿が。予想通り実態のある分身を使っていた。


「おいおい 卑怯じゃないか? 分身に相手させるなんて」


「ちっ よくわかったな。知らぬまま消えれば良いものを」


ここからは、2対一の戦いが続く。分身には攻撃は効かない。狙うのは本体だ。


分身を蹴り飛ばし その勢いのまま 一度 本体に魔法を放ってみた。”切り裂く風(エア・スラッシャ-)” すると・・・・   今 さけたよな? それで勝つ道筋を見つけた。


しかしグエンも上位の魔人だけに そう簡単には攻撃させてくれない。あまり時間をかけると また隠れられる可能性もある。


そう思った俺は 2人のグエンの動きが 重なったタイミングで 俺を含めて結界を展開した。よし掛かった! 動きを限定させた俺は 獄炎魔法”黒炎の嘶き(ネフ)”を放つ 逃げ場のない グエンは黒い炎に包まれた。何とか抜け出そうともがいているグエンを”荊棘の呪縛(スペルバインディング)”で拘束する


意識がこちらに向いていないと 分身の動きも止まってしまうようだ。ここだっ!!!


神剣にありったけの神気を纏わせ切りかかる。もがきながらも防ごうと両腕をあげたグエンを切りつける。

流石に硬い!両腕に神剣が食い込んだ状態で止まったが そこからさらに力を込める。


おりゃああああ!! 両腕のひじから上を切り飛ばした。上段からの切り込み。腕のないグエンに防ぐ

手立てはなく 頭から一刀両断だっ!! 


斬っ!!!!! 二つに割れていくグエン。だが 序列3位は伊達ではない。再生しようとしている。


それはさせない。 神聖魔法”神々の囁き(ウィスパ-ズゴッド)” しばらく拮抗したが 抵抗もそこまで。序列3位の魔人グエンは、恨めしそうな目で俺を睨みながら 消えて行った。分身も本体が消えたと同時に消えた。


危なかった。そのまま戦っていたら おそらく俺は今頃生きていなかっただろう。分身なら攻撃受けても効かないいもんな。そう考えながら 俺は膝をついた。はぁはぁ。 後まだ2人いるんだよな?

グエンより強いんだ。今は少しでも体力を回復しないと・・・・・


こうして ギリギリの勝負に勝った俺は ひと時の休憩をした。


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