激戦
一体何が起こるんだろう
皆との話が終わった後自室に入ったんだが、全員がついてきた。1人にしたら置いていかれると思ってるんだろう。俺は 心を鬼にして全員に睡眠の魔法をかけたんだ。
ごめんな。みんなの気持ちは痛いほどわかるんだ。ありがとう。
でもこれから向かう場所は、俺1人じゃないと無理なんだ。もしもの事を考えたら絶対に連れて行けない。
もちろん精霊達と神獣には魔法は効かない。「すまない 皆を守ってくれるか?」ってお願いしたんだ。
渋々ながらも 了解してくれた。7人の精霊たちも2匹の神獣も離れるのを嫌がっていたんだが、俺は根気よく説得したんだ。万が一 冥界神が嘘をついて この大陸や他の大陸に冥界神の眷属を召喚した時に
対応できなければ 大きな被害が出るって。もちろん属性竜達にも念話でお願いした。俺は命令はしたくないんだ。みんな俺の大切な仲間だからな。
そして俺は、1人で城を出た。転移できるか不安だから飛行魔法で向かうつもりだ。
プロミネンス大陸を出て 目的地まで向かう間 海は荒れまくって 前が見えないほど視界が悪い。
何とか障壁を張りながら 向かっていると 急に視界が良くなった。俺の目の前には 木々1つない島が現れたんだ。まだ距離はあるんだが、この位置まで 禍々しい邪気を感じる!
ふいに 強烈な風が俺を襲う。バランスを崩しかけたが、何とか踏ん張った。
「なかなか やるではないか。十魔人を退けただけはある。」
空中で腕を組みながら そいつは言った。
「いきなりなんだな。で、歓迎してくれるのか?」
「ああ 死ぬまで 遊ぼうか?」
「ちなみにどこの誰さんだ?」
「今から 消える人間に名乗る必要もないが、まぁいいだろう。私は、十魔人序列7位 ”空の王 マグルカス”」
こいつの見た目は 鷹だ。両手に翼を持ち 顔もまんま鷹。 なんとかイ-グルでいいだろ?もう?
って思っていたら上空に移動した マグルカから かまいたちの様な風の斬撃が来る。
ちっ 交せねぇなこれは・・・ 前面に障壁を展開するも やっぱり空では戦いにくい。
切りかかっては見るものの スピ-ドが違いすぎる。どうする?捕まえないと厄介だな。
と蹴りを受け止めながら考える。ギアを1つ上げる必要があるな。俺は 身体強化を重ね掛けして
徐々に相手のスピ-ドに対応していく。
仕方ないやってみるか ”氷の呪縛”
新たに習得している氷系統魔法を放つ。 一瞬 動きは止まったが、すぐに抜け出された。
まぁ予想通りだ。ならば ”荊棘の呪縛”ミュ-の加護で植物系の魔法が使えるんだ。 よしっ 捕まえた。
すかさず 獄炎魔法”黒炎の嘶き”
「なんだぁ この炎は 何故消えない? ぎぃやあああああ」
その炎は、地獄の最奥で燃え盛る炎だからだよ。お前にはお似合いだ!
神聖魔法 ”完全なる静寂 これで終わりだ。
マグルカスの消滅を確認し島へ降りた。降りたと同時に 炎が俺を包む。瞬間的に 氷系統障壁を張る。
あっぶねぇ。気を抜いたら殺されるな。
「おいおい いきなりだな。」
「お気に召しませんでした? 素直に焼かれれば 苦しい思いもしなくて良かったですのに」
無駄に美人だな この魔人。 赤い髪の赤い目を持つ人型の魔人だ。
「ああ いきなり焼かれるのは勘弁だな。で アンタも魔人だよなぁ?」
「私は、十魔人序列6位 アスラ。感謝するわ。いらない魔人を殺してくれて」
「ついでだったからな。感謝するなら通して欲しいんだが?」
「あはは 面白い!だが諦めてね。アナタは ここまで。」
と言いながら 両手に炎を纏い攻撃してくる。俺は 両手に水を纏い受け止めた。
その時 アスラの顔が変わった。顔自体が別人になったのだ。これは もしかして阿修羅なのか?
いきなり目で追えないスピ-ドで 手先を刃物のように鋭く変化させ切りかかってくる。
俺は無意識に身体硬化をしていた。 ガキンッ という音が鳴り攻撃が防がれた。
「小癪な真似を」なら・・・。また顔が変わる。「死ねよ」と囁くと同時に
手を鉛に変えて攻撃してくる。 身体強化をさらに強化させ 攻撃をかわしながら ”破壊の雨”を放つ。 とにかく攪乱だ。これだけいきなり攻撃が変わると厄介すぎる。
そうか!あれだ! ”煉獄の時”さらに”水氷の静寂”
素早くその場を離れる。 「なんだこれは? グハァァァァァ!!!」その言葉の後 周辺を巨大な爆発が襲った。例の水蒸気爆発だ。
地形を変えるほどの爆発の後に アスラの姿は無かった。完全に消えたことを確認した後、念のため見える周囲を神聖魔法で浄化する。
さて とりあえず中央へ向かって進むしかないか。 しばらく進むと岩をイス代わりに まるでサムライのような姿をした魔人が居た。次はこいつのようだ。




