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EP01 転生したらサキュバスでした。その4

「ここに来る野郎は、み~んな女になっちまうのサ! ついでにサキュバスという魔族のね☆」


「うう、だから、俺も……」


「ハハハ、慣れりゃどうってこたぁねぇよ!」


「そ、そうなのか……頭が痛くなってきた……」


 サキュロスの村に来るモノは、どいつもこいつも女になってしまう…だと…!?


 オマケにサキュバスという魔族にもなってしまう、というオマケつきで――。


 魔族ねぇ――俺が知る魔族は、悪魔――或いは悪魔の血を引くモノ共の事だっただろうか?


 とにかく、俺は人間じゃなくなってしまったようだ……だ、だけど、俺は人間である事をやめたワケじゃない!


 心までは人間のまま……人間のままで居続けてやるぞーッ!


 あ、でも、今の姿は気に入ってしまったゾ☆


 さて。


「うわ、ここも……ここも女だらけだ!」


「でも、元は男だけどな。どいつもこいつも――」


「あ、ああ……」


 ヤスと兄貴、それにマリウスの家の中だけど、あちらこちらにぎっしり分厚い本が収納された本棚が見受けられる。


 ここって図書館だったりする?


 そう思える場所だったりするワケだ。


 ああ、ついでにだけど、この図書館のような家の中には、ヤス、兄貴、マリウス、サマエル以外にも同居人が多々――とはいえ、サキュロスの村の中と同様、男性の姿は見受けられず。


 ん、よ~く見りゃ十歳くらいの幼女の姿も見受けられるが、アレも間違いなく元は男なんだろうなぁ……。


「父ちゃん、僕はもう嫌だよ! なんで男のコなのに女のコの格好をしなくちゃいけないのさーッ!」


「我慢するんだーッ! 父ちゃんは妥協したんだ。お前も妥協しろォ! つーか、母と呼べーッ!」


「うっさいィィ! 僕は父ちゃんのような女装趣味の変態じゃないから抵抗感が凄まじいんだァァァ~~~ッ!」


「だ、誰が女装趣味の変態だーッ! つーか、お前はそんな俺の血を引いているって事を忘れるなァ!」


「ヌアアーッ……最悪だよ、マジで最悪だよォ!」


 むう、教会の修道女(シスター)の格好をした二人組が取っ組み合って喧嘩をしている――どうやら母娘のようだな。


 あ、でも、元はそんな母娘も男なんだろうなぁ。


「アイツらは一見すると、姉妹に見えるが、実の親子だ。んで、名前は背の高い方――母親の方がルーナ、背の低い方が娘のサラだ。ちなみに、元は男の時の名前はルススとサランだったかな?」


「やっぱり母娘かぁ。しかし、元は男かよ。ふむ、でも、喧嘩するほど仲のイイ母娘だな」


「「仲良し母娘なんかじゃねぇーッ!」」


「そ、そうなのか? 俺の目の錯覚だったか……」


「その通りだ。誰が、こんな馬鹿野郎なんかと!」


「なんだと、このクソババアがぁ! ……って、メデュエリスさんじゃないかー! 行方不明になったと聞いて心配していたんですよ」


 喧嘩するほどの仲のイイ母娘として俺の双眸に映り込んだんだのだが、あれは偽りなんだろうか――。


 それはともかく、メディエリス――俺と容姿がそっくりな人物は、どうやら行方不明になっているっぽいぞ。


「さて、記憶はぶっ飛んでいるようだが、仲間のメディエリスが戻った事だし、活動を再開できるな」


「おお、待ってましたッス!」


「か、活動の再開? お前らは一体……」


「おいおい、ソレも忘れちまったのかァ? 俺達はサキュロ団――依頼ありゃナンでもやる……所謂、なんでも屋っつう事も――」


「なんでも屋…だと…!?」


「そ、迷い猫の捜索から〝汚れ事〟まで、な~んでも対象の仕事なのサァ!」


「なん…だと…!?」


「あ、ところでコイツも覚えてないッスか? サキュロスの村に住んでいるモノは、その大半が表社会にいれなくなったモノ達――つまり犯罪者ばかりって事も――」


「…………」


 迷い猫の捜索はともかく、依頼があれば汚れ事も……ちょ、用心の暗殺、偽造品の作成、はたまた強盗とか?


 とまあ、そんな如何にも反社会的な事までやっちゃいます……的な? おいおい、兄貴、マジかよ……。


 んで、それに追従するカタチで表社会にいる事ができなくなってしまったモノ――犯罪者、裏社会の連中ばかりだとヤスが説明する。


 もしも本当の話ならヤバいぞ!


 俺は裏社会の連中と一緒にいる事になる!


 うへぇ、俺はトンでもない連中と出遭ってしまったかもしれないなぁ……。


「お、早速、依頼者が来たぞ。フフフ、どんな依頼かな。楽しみだなァ~☆」


「…………」


 依頼者が来たって!? うへぇ、嫌な妄想が頭ン中を駆け巡るぜ。とりあえず、まともな依頼者ならイイのだけれど……。

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