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EP01 転生したらサキュバスでした。

 やった……願いが叶った……叶ったぞーッ!


 俺は狂喜乱舞する……こんなに嬉しい事はないィィ!!


 え、どんな願い叶ったのかって?


 ハハハ、聞いてくれ……苦節四十一年、初めて彼女が出来たんだ!


 しかも俺が働いている会社一の美女と評される牧野ミユキが、俺の彼女となったんだ!


 ああ、ちなみに歳は二十五歳――十六歳も年下の彼女である☆


 とまあ、そんなワケで俺――木村翔太郎は、大空へと巣立つ若鳥の如き勢いで牧野ミユキちゃ~んとの待ち合わせ場所へと出張るのだった!


 だが、待ち合わせ場所で目撃してしまった……会社のヤリチン野郎の工藤とキスをするミユキちゃんの姿を……。


 ま、まさに絶望……そして寝取りと同然だよ……!


 その刹那、哀しみ、そして憎しみに打ちひしがれる俺は、幽鬼の如く虚ろな状態で道路へ出てしまい大型ダンプに撥ね飛ばされてしまうのだった。


 ゴキン、ボキ、グシャッ――ああ、全身の骨が砕け散る音が聞こえてくる。


 それと同時に、四十一年間の思い出が、次から次へと……コイツが走馬燈というヤツか!?


 ゴギャッ――トンでもない痛みが全身を電流のように駆け巡った刹那、俺の意識は昏き闇の中に――。


 ああ、俺は死んだのか……死んだんだな……うう、未練がありまくりだよ……ああ、ミユキちゃん……絶対に許さないよ……そして呪ってやるッ!


『それじゃ転生する?』


「え、えええーッ!?」


 え、誰? 色々と未練はあるけど、死という概念を受け入れ涅槃へと旅立とうとしている俺に対し、何者かがそう語りかけてきたぞ……気のせい?


 が、その刹那、俺の意識は涅槃から現界に還るのだった。


「あの~もしもしィ?」


「ふ、ふえッ!」


「あ、生きているッスね。私はてっきり行き倒れになった乞食かと思ったッス」


「だ、誰が行き倒れになった乞食だ……って、俺は生きているゥ!」


 誰が行き倒れになった乞食だよ!


 俺の身なりは、そんなにみすぼらしいのかよ――そ、それはともかく、俺は生きている……生きているぞォォォ~~~ッ!


 ん、だが、大型ダンプに轢かれた記憶も同時にあって……あ、あれは夢だったのか!?


 トンでもなくリアルな夢だったぜ……。


「と、ところでお前は何者だ? 髪の毛が金色……外国人のようだけど……うお、頭に角が生えちゃいないか、お前!」


「外国人? つーか、同じサキュバスなんだし、頭にも角が生えていて当然ッスよ」


「俺がサキュバスだと!? その前にサキュバスってなんだぁ?」


「ふう、まったく、何を言い出すんスかぁ……まあいいや、私の後に一緒について来るッス。この先に、私が住む村があるんスよ。ああ、私の名前はヤーティスっていうッス」


「お、おお、それじゃヤスって呼ばせてもらうわ……」


「ヤ、ヤス……兄貴も私の事をヤスって呼ぶんスよねぇ……」


 さて、俺の目の前には、ヤーティスと名乗る瓶底のような分厚いレンズが特徴的な眼鏡をかけた小柄な若い女がいる。


 ん、んんんッ……螺旋を描く二本の角が、そんなヤーティスの頭に見受けられるぞ!?


 とその前に、俺がサキュバス…だと…!?


 ――って、その前にサキュバスって何?


 ま、とにかく、そんなヤーティス――略してヤスについて行ってみるかな。


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