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それでも僕は私をつらぬく  作者: やしょゆ
3/6

新たな兆し

私、3歳になりました!

2歳の時にたくさん本を読んだおかげで大抵の文字は理解できるようになったのです!


だけど、どこの世界にも専門用語というものがあるわけでそういうものを知っていくのはこれからということですね!

まぁ、それでなんでこんなにテンションが高いかというとですね

体の年齢に感情の部分が多少引っ張られるところもあるんだけど

何よりこれまでは年齢的にまだ不安があるからということで庭先より先に出たことが無かったのだけれど

さんざん家の中を走り回った結果、やっとお父様からの外出の許可が降りたんです!


今日は初めてのお出かけということで、

お母様とメイドのニアが一緒です!

ニアは、エルフとのハーフなんだけど

耳は尖ってはおらず

ぱっとみは普通の人間に見えるが

エルフ特有の少ししつり上がったエメラルドの目に

艶のあるウェーブした金の髪を耳のしたあたりまで伸ばしスラッとした紺のメイド服をきれいに着こなすお母様付きのメイドで

お母様との付き合いは長いらしく

物静かであるものの面倒見は良くわたしもお世話になってます!



貿易都市バザークロックは海に面しており

貿易都市と言われる通り、

いろいろな人や物が行き交うため

異国風の人や【エルフ】と【ドワーフ】といった

【デミヒューマン】も見られる

街並みは、白いレンガで壁が積み立てられ上から見れば赤い列が綺麗に並んでいるような住宅街で路地裏に迷い込めば、洗濯物を干す軒下に遊ぶ子どもたちの声が響く

そんな賑やかな光景が広がっている。


「本当に・・・ここは・・・」

リランと手をつなぎ、低い視線から

行き交う人々や建物を眺め

前世でも行ったことのない海外の観光地のような街に感動していた。

しかし、行き交う馬車や人々の中に

初めて見るエルフやドワーフ達が混じっていることで、今、生きているこの世界が

これから自分が生きていく現実であると突きつけられたような気がした


「ふふっ、シャロンったらそわそわしちゃって欲しい物があったら言ってね!」

「リラン様、あまりそういうことはよろしくないのでは・・・」

「あら、でもシャロンとの初めてのお出かけよ?何か記念になるものを買って帰らなきゃ!」


はしゃぐお母様と手をつなぎ、バザークロックの街を見て回る散歩に繰り出した。


最初にバザークロックの市場に着ていた、バザークロックには港があり貿易と漁によって大きく発展した街であるため、市場には海産物やバザークロック以外の地方の特産品や他国からの特産品といった物などいろいろな物が売られているた


「わぁ!すごい、あれはなんですか!?これは?」


シャロンは見たことも形や色をした魚を見ながらしきりにコレはなにあれはなにとリランとニアに聞いていた。


一時間ほど市場の中を回った後、少し休憩しようとリランからの提案で市場の中にある広場のベンチに腰掛けていた、そろそろお昼時ということでそこでお昼にすることになり、ニアが市場の隣にある区画へと食べ物を買いに行ってくれるみたいだったが、シャロンももう少し市場の近くを見て回ってみたくてついていくことにした。


「それじゃあお母様はここで休憩して待っててくださいね!すぐ買ってきますから!」

「ふふっニア、シャロンのこと少しお願いね?」

「はい、分かりました、それではお嬢様行きましょうか」


リランに席を取っていてもらい市場の隣にある区画へとやってきた、そこには料理をする時に出る煙が道を挟んで並ぶ屋台から多く立ち上っており、磯の香りと何かを焼いた香ばしい匂いが漂っていた。さっき回った市場で扱っていた海産物を取り扱っている店も多いがそれ以外にも何かの肉を串焼きにしたようなものも売っていたり、薄い生地に具材を挟んだクレープのような食べ物やバケットみたいなパンのサンドイッチなんかが売っていたりした。

ニアはリランから頼まれていたフルーツとクリームを薄い生地で巻いた物を自分の分と含めてすでに買っており後はシャロンの買い物に付き合うと言うかたちであった。


「お嬢様何か食べたいものはありましたか?」

「あの串焼き美味しそうだけど何の肉かわかる?ニア」

「あぁ、あれはペルクと言ってこの辺には生息していないんですけど寒い地域にいる飛べない鳥の肉ですね」

シャロンが目を向けている屋台を見たニアにそう教えてもらったシャロンはひとまず一本分の大銅貨4枚をもらい屋台に向かった。


「いらっしゃい、嬢ちゃんおつかいかい?」

「はい、ペルクの串焼き一本くださいな」

「あいよ、串焼き一本40カッパーだ」


ニアから渡された大銅貨4枚を渡し、代わりに串焼きの二本入った紙袋を受け取った


「まいど、特別にもう一本はサービスだ持っていきな」

「ありがとうおじさん!じゃあねぇ」


初めてのおつかいを済ましたシャロンは他にも貝の網焼きを買いにあと一緒にリランの元に昼食を摂るため戻っていった。


昼食中に次の目的地を雑貨店が多くある広場に決め、串焼き二本と貝の網焼きを平らげたシャロンとリラン達は広場へと移動した。


広場には風呂敷を広げその上に商品を並べて売る露天から大きな店を構え棚の上には所狭しといろいろな物を置いているようなところなどもあり、リランとシャロンは露天の品を物色し回ることにした。


「あんな不思議な形の壺どうやって使うんでしょうねお母様」

「ふふっそうねぇ、この辺は美術品なんかも置いてるからきっと観賞用何でしょうねぇ、それより見てシャロンこの黒いリボンあなたに似合うと思うの、どうかしら?」


リランは髪飾りを扱う露店のすこし大きな黒いリボンを手にとり、シャロンの頭に着けてみた


「やっぱりとっても似合っているわ、これいただきましょうか」

「え?いいのお母様?」

「えぇ、シャロンももうすぐ4歳になって身だしなみを気にしだす歳になるわ、それに自分の娘には私が初めて女の子らしい物を買ってあげたいと思っていたの!」


リランの言葉は無意識のうちに女性は憧れるだけのものであると思っていた忍を改めてに自分は本当にシャロンであり女の子であるということをこの黒いリボンを通して教えられた気がし、涙が出そうになるのをリランに抱きついてごまかした。


「お母様ありがとうございます!一生の宝物にしますね!」

「もぉ、シャロンったら大げさねぇ」


涙が出そうなのをリランの足元に抱きつきごまかすシャロンをリランは優しく撫で、ニアが支払いを済ませて戻って来るとまた移動を開始した


いろいろな店や港を見に行っているうちに時間はたち、日が傾き始めた頃、最後にお母様が寄りたいところがあると移動し始めようとしていた。

「もう、日も暮れ始めることだし最後にどうしてもシャロンに買ってあげたいものがあるの!」

そう言いながら手を引くお母様はしばらく歩いていると

そのとき突然、お母様が突然立ちくらみを起こし

慌ててニアが支えた所、吐き気もするらしく、ニアから

「リラン様の体調が悪いためシャロン様本日は帰りましょうか」

っということで家の方向へとゆっくりと引き返し始めたときに


「シャロンごめんなさいね、お洋服を買ってあげたかったんだけどまた今度になってしまったは…」


とリランは具合が悪そうに言っていた。


そして、帰宅したシャロン達は夕食時ということで

仕事から帰ってきたお父様と一緒にダイニングに行き食事をするが、お母様はほとんど手を付けずに具合が悪いと言って早めに寝室へと入っていった。


その夜シャロンはお母様の体調が気になったためお母様のいる寝室へと足を運んだ。

「お母様具合は大丈夫ですか?」

「ふふっ、シャロンごめんなさいね、大丈夫よ。」

「お母様今日はとっても楽しかったですね、元気になってまた一緒に行きましょう」

「えぇ、ありがとうシャロン、シャロンは優しい子ねお母さんは幸せよおやすみなさい」

「おやすみなさいお母様」

そういつもの様にシャロンは頭を撫でながら眠りについた。




「…‥‥‥‥様、本じ…‥‥‥…たりの外…‥‥‥‥のこ…‥‥すが。」


リランとシャロンが寝静まった深夜に

扉の向こうから話し声が聞こえた気がしシャロンは目を覚ました


「リラン様は最近良く体調を崩しておられ、食事も果物などさっぱりした物しか口にされません、本日の外出中にも体調の変化が起きました、街の食事時の食堂前でちょうど食べ物の匂いがした際に立ちくらみを起こし、それにともない吐き気も催していましたので、確定では無いのですがシャロン様のときの症状とも一致しておりますので妊娠初期症状では無いかと思われま…」


『バンッ!!』

「ッガハ!!」


ニアの言葉を遮り凄まじい速さで扉が開いてシャミルの額に『ゴヅッ』っとなっては鳴ってはいけないような音が鳴っり頭を抱えながらうずくまるシャミルを一瞬見るがまるで何もなかったかのようにまずニアをシャロンは問い詰めた


「ほんと!?ほんとに!?ニア!私に兄弟ができるの!?」

「シャ、シャロン様起きていらしたのですか?まぁ、確定では無いのですがその可能性があるというお話ですよ」

「シャロン痛いじゃないか、喜ぶのはわかるがいたがる僕をちょっとぐらい気にしてくれよ・・・・」

「お父様!ぼく、あ、いえ、わたしに兄弟ですよ!?妹か弟どちらかが生まれるかも知れないそんな時に些細のことはどうでもいいのです!!」

「あぁ、シャロンが僕のことを些細なことで済ませてしまったよ・・・」


シャミルがまだうずくまりながら涙目になっているがわたしの興奮はしばらく続いたのであった。


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