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それでも僕は私をつらぬく  作者: やしょゆ
1/6

プロローグ

処女作がオカマなんです。。。♂

 人は皆、隠し事をして生きる。


 好かれる為には性格を偽り、

 態度を偽りながら生きている。

 そうしなければ生きていけないと

 皆知っているからだ。

 そんな作り上げた人生だった。

 そしてそれはある出来事から全て崩れていき……




 ここにある現状は何だ、

 思考が追いつかない……

 ここは何処だろう……

 愛おしげに自分を見下ろしている

 女性の顔を見ていると

 なんだか安心する……

 あぁ、なんだか眠くなってきた……

 現状の理解が追いつかないまま

 意識が遠のいていくのを感じていた。




------------




 僕は深津 忍大学を出て大手と言える会社にも就職し

 大学時代からの付き合いで妻の涼と26歳の春結婚



 一年後のある日、涼が道路に飛び出した男の子をかばって交通事故に遭い死亡した。



 1年……いや大学からの付き合いを数えれば5年近い時間を共に過ごしてきた相手だ。




 傍にいた人が突然なくなったその喪失感は

 ただただ僕の思考をぐちゃぐちゃにかき混ぜていった。




 今思えばわたしは、

 自分を作り上げるため必要な努力をしてきたが、

 彼女は聡明で思慮深い。

 僕がどんなことをしどんな気持ちで接していたか、

 うっすらと理解をしていたのだろう。

 わたしの趣味等にも全くの口出しをしてこなかった。




 そんな彼女を失い、

 辛いことを忘れるよう

 自分の仕事に打ち込んでるうちに

 疲労は溜まっていった。

 自宅への帰り道を朦朧とする意識の中

 大きなクラクション音とともに

 もう、目前まで迫ってきていた車に忍は


 (あぁ、死んだな……)


 冷静とも諦めとも取れる思考の中、

 27年に及ぶ僕の人生に後悔をしていた。

 作り上げた自分ではなく、


 本当の自分……


 涼は察していたかもしれないが自分の口から涼にも言えなかったそんな自分を……


 隠さずに言っておけばよかったなと……。


 そう。自分自身が女性的な趣味を持ち、


 女性に憧れる……


  


 俗に言うオカマなんだ……と。



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