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町ごと召喚で呪われ 呪われて美少女になった俺は高校生男子です  作者: 茶山 紅
第九の呪い 呪われた町の呪いの姫と聖なる国の聖なる姫君
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第十一話 呪われたホテルでの推理劇という名のコント大会?


 解呪の儀式を始める場所はどこか?

 まずそれが問題である。

 もちろんこのホテルは立派なものである。当然ながらカメラはいろいろと設置をしている。だから本来ならばホテルの支配人に頼めばどうにかなる。

 だが、今回は違う。

 何しろホテルは呪われているのでカメラも様子がおかしい。

 だからカメラを使って探せない。

 なら別の方法だ。

「なあ。その儀式ってどんな条件がある?」

「えっと……最低でも前の夜に肉類を食べてはいけない」

「そういうのはどうでもよい!」

 フルーの言葉に俺はハリセンで頭をたたいてツッコミを入れる。

「そうじゃない。たとえば西から月の光が差し込まないといけない。

 あるいは自然の光が入らない場所。

 そう言った場所の条件だ」

 俺はそう怒鳴るように叫ぶ。

 儀式とかで場所に条件があればどうなるか?

 それが決まる。

 たとえば西向きの光が必要。あるいは大量の水が必要。

 そうなれば条件に会う場所だけを探せばよいのだ。

「えっと、呪いの範囲の中心部。

 そしてなるべく広い場所です。

 巨大な魔法陣を書く必要があるので」

「マホウジンってあの数字を書いてある」

「それは魔方陣だ。

 字が違う」

 薫の言葉に俺はツッコミを入れる。

 薫の言う魔方陣とは全てのマスに違う数字が入っていて縦横斜め。全ての合計がすべて一緒というものだ。

 数学パズルの一種みたいなものと思ってくれれば構わない。

 そしてフルーが言ったのそれのことではない。

「円にいろいろな文字とか星マークとかいろんな記号がかかれたあれだよ!

 ほらファンタジーゲームとかでよくあるだろうが!」

「ああ。あれのこと!」

 俺の言葉に薫も気づく。

 あまり薫はゲームはしないがそれでもある程度の知識はある。

 特にゲームでは有名なドラゴンをクエストするやつとか最終が必ずついているがその割には長期シリーズとなっている二大ゲームでもよく出ているはずだ。

 俺はどちらともプレイしたことないし薫も同じだ。

 けれどもそれでもCMなどで見たことがあるのだろう。

「巨大でホテルの中心。

 かなり場所が限られる……と、言うかそんな場所があるのか?」

 俺は思わず考える。

 ホテルは広いがけしてただ広いだけの場所というのはあまりない。

 たくさんのお客さんが来て楽しんでもらう。そのために家具というか装飾は多種多様だし階段や仕切りなども多数があるというわけだ。

 だから果たしてそんな場所があるのか? 俺は頭を悩ませた。


 脳裏に最初に浮かんだのはプールだ。このホテルの中心には屋内プールがあったはずだ。けれどそこも呪われており現在は不気味なにおいがする謎の粘液へと水が変わってしまうという嫌がらせの様なプールになっている。

 そこで儀式をするとは思えない。

 粘液プールというのもあるけれどプールはかなり豪華な作りだからだ。中心にはプールの中でも飲み食いがある程度はできるようにある飲食店。ウオータースライダーに流れるプールに深めのプールに子供が楽しめるようにある浅いプール。さらに波が出るプールだってあったりといろんなプールがあるのがこのホテルの売りの一つだったりする。(冬でも楽しめるように温水プールにもなる)

 だから魔方陣を核のも難しいような気がする。

 同じ理由でお風呂もダメだ。

 お風呂の方だって多種多様なお風呂がある。

 泡が出るジャグジー風呂にヒノキ風呂に普通のお風呂。さらにバラ風呂などの日替わり風呂もあるし当然? ながらサウナもある。

 だから同じように無理だ。

「魔法実践場所とか神殿とかはないの?」

「あいにくと俺たちの世界にそんなのはない。

 神殿というか一応、結婚式を挙げる場所はあると思うけれど……。

 それほど広くないぞ」

 この世界と違って俺たちの世界……もっと正確に言うならばこの日本というのは宗教に関してはそれほど極めて熱心というわけじゃない。

 お正月に神社に初もうでに行くが二月には豆をまき、半月もたたないうちにバレンタインを祝う。(ただし好きな人にチョコレートを贈るのは日本独自の風習だそうだ)三月に桃の節句をしてホワイトデー(日本だけの祝い事)をする。

 クリスマスを祝い大晦日の準備をする。最近ではハロウィンをするし盆のことも祝う。

けれどもそれに関しての宗教色というのはない。

 ハロウィンに至ってはただたんにコスプレイベント大会の意味合いが強い。

 結婚式でもチャペルで祝うのもキリスト教だからという理由ではなくウエディングドレスを着たいからという理由だったりする人が多かったりするらしい。

 親戚のお姉さんもそういう理由だったと聞く。

 また神前式も別に神様を信仰しているというわけじゃなかったりするそうだ。

 そもそも神主や神官だって本当にその人ではなく実際はアルバイトさんだったりする。ついでに言うと結婚式というのは行われるのが一組だけというわけじゃない。二組や三組ぐらいあるので部屋が入り組んだようにしているのだ。

 そもそも地味婚や家族婚などの招待客が少ない結婚式が多い現代日本では招待客が五十人も超えるのがせいぜい。百人なんてめったにない。

 そのためにそれほどに広い結婚式場などはあまりない。

 たとえあったとしてもそこにはたくさんの机やテーブルがあるだろう。

 それらを片付けるのは大変なはずだ。

 儀式をする準備に時間がとてもかかるはずだ。

「あのー」

 どこで儀式をしているのか?

 考えている中でフールが手を挙げた。

「なんだ?」

「屋根の上で儀式をしているのではないんでしょうか?」

「屋根の上?」

 脳裏にどこかの家の上で怪しい儀式をする魔法使いという光景。

 ものすごく目立ちそうな光景だ。

 だが、あながち見当はずれの予想でもないと俺は思った。


「屋根の上は現実的じゃないだろう」

 俺の考えに気づかずにローイが言う。

「高い建物の屋根の上。

 場面は水平が理想的だし大人数がやるには落ちたときの危険がある。

 いくら暴走している姫君とはいえ周囲がさすがに止めるだろう」

 確かに西洋の塔やお城。

 そこの建物は三角帽子みたいに鋭くとがっている。

 そこで怪しい儀式をするのは難しいだろう。

 だが、

「いや、この世界の建物なら可能だ」

 俺はそう叫ぶように言う。

「この世界の建物は……高い建物ほど実は屋根は水平なんだよ」

「はぁ?」

 俺の言葉にローイが驚く。

「なんで?」

「いろいろとあるんだよ。俺は建築家じゃないんだ」

 尋ねられても答えられないが最近はそういうのが多い。

 ただ、

「けれどある事情からこの建物もある場所がある。

 この世界の建物。特にこういう宿泊施設なら普通に営業しているとどうやっても大量に出てくるものがある。

 ベッドなどのシーツによる洗濯物だ」

 一般家庭ならば洗濯物は毎日するが毎日、シーツを洗ったりはしない。けれどもここは宿泊施設。お客さまの快適な睡眠のために布団のベッドは毎日変えている。

 当然ながらそのシーツは洗わなければならない。そして洗った洗濯物は乾かさなければならないのは世の理だ。

 それはたとえ異世界だとしても変わらない事実だ。

「たしかこの世界には入れてしばらくすれば洗濯物を乾かす道具があっただろう。

 それを使っているのではないのか?」

 俺の言葉にローイが疑問を口にする。

「乾燥機のことね。

 たしかにあれは便利だけれど……。電気……魔法のように魔力を使う。

 つまり有料なのよ。だからその分だけお金がかかる。

 雨が降っていたりしたら別だけれどやっぱり普通に干した方が安上がりなのよ。

 それにおひさまによる殺菌効果もあるしね」

 ローイの疑問を薫が代わりに説明をしてくれる。

「なるほどな。宿屋でも大量の洗濯物を干すのにかなりの場所をとっていた。

 これだけ沢山の部屋がある宿屋だ。

 当然ながら干す場所はたくさん必要だろうがその場所は見当たらないのはおかしい」

 そういったのはフィリだ。

 さすがにだてに放浪の旅をしてきたわけじゃない。

 この世界の宿屋事情というのも理解しているようだ。

「そこで屋上といういう施設だ。

 屋根をなくして代わりに天井のない最上階を作る。

 そこで洗濯物を干したりできるんだよ」

 もちろんすべてのホテルがそうしているわけじゃない。中にはローイの言う通り乾燥機を使ったり。あるいはクリーニング店などで別の場所で洗濯をしてもらっているところもある。とはいえ屋上はどちらにしてもあるだろう。

 俺はそう考えていた。とにもかくにもつまり儀式をしているのは、


「やっぱりここだったか」

 俺たちはえっちらおっちらと呪いの階段や呪われたろうか。呪われたエスカレーターなどを迂回しながらどうにか屋上にたどり着いた。

 エレベーターは呪われていなかったのだが屋上へ直行エレベーターはなかったのだ。

 おかげで廊下と階段を走るという持久走をするはめになってしまった。

 呪いでも一応は鍛えていた事実は消えていなかったのが幸いしている。

 そう俺は体力の限界を訴えている魔法使い組を見ながら目の前にいる連中と対峙する。

「これはこれは? なんのようですか?」

「いますぐ儀式をやめてもらおう」

 屋上の中央。荘厳という言葉が似あうような場所にいるお姫様に俺はそう言い切る。

「なぜですか?」

 大してお姫様はそういわれるとは全く思っていなかったらしい。

 自分の行動を止められるということがあるなんて想像していない。そう思い込んでいる人だ。俺は相手を見据えながら、

「危険だからだ。

 この呪いは新型の呪い。

 下手に無理な解呪をしたら何が起きるかわからないんだ。

 もっとひどい結果になったらどうするんだ?」

「? 意味が解りません。

 呪いを解くことになんの不都合が?」

「だから、呪いを解くにしても呪いについて調べてからにするべきだ!」

「お金ならいりませんよ。呪いを解いてみせること。

 それが本来の役目なのです」

「お金の問題じゃない。危険性の問題を」

「ああ。ついに罪を認めようとしているのですか?

 あなた方が間違っていたと……。

 大丈夫ですよ。罪を償い悔い改めれば正しき道へと進めます」

 だめだ。

 俺はついに頭を抱えた。

 このお姫様とは会話ができない。

 お姫様よ。あんたは一応は権力者なんだろうが……。

 そう怒鳴りたい。

 政治とかでそんな相手の話を聞かずにお花畑な返事ばかりをしていたら国は成り立たないぞ。それともお姫様……女性だから問題がないのだろうか?

 アリスはアリスでかなりの変人だと思うが少なくとも会話が通じていた。

 それを考えるとアリスはまっとうな育ち方をしたんだなぁ。そうしみじみと思ってしまう。ついでに目の前の女性がどんな育ち方をしたのをしたのか? 責任者、出てこい。そう怒鳴りたい気分だ。

「……まったく。どうすればいいんだよ」

 これで目の前のお姫様だけならば実力行使という手段もなくはない。

 なくはないのだが周りには立派な鎧を着こんだ騎士団が姫を守ろうとしている。それはさながら物語の一幕のようで配役だけならば俺が悪役だ。

 ……ハリセンもった仮面を身に着けた美少女という俺だけがミスキャストの様な気がするけれどな。そう思いながら相手を見据える。

 武術の心得があるとはいえ曲がりなりにも相手は騎士だ。素手……ではなくハリセンがあるとはいえそれで全身を鎧で包み剣を持った騎士相手に勝てる。そんなことを思っているわけじゃない。別に異世界に転移したとはいえ何かすごい能力を手に入れたわけじゃないのだ。……すごい呪いにはかかっているけれど……。

 そう思っている中で突如としてホテルが揺れ始めた。


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