2話 草原を抜けた、するとそこは森だった
最初は更新速度は速い(°д°)
「ふぅん、確かに人間とは思えない体だね」
「もう人間とは言えませんからね、人間ですら無いですし」
普通に会話ているが2人とも車のような速さで走っている
そんなことを感じさせない2人の雰囲気ではあるが
「おっ、ようやく草原を抜けるみたいだぞ」
「そのようですね、森の中なら魔物や獣がいるはずですので
そこで戦闘面でのトレーニングなどをしましょう」
「了解したぜ、せっちゃん」
「あまりその呼び名は……///」
そのまま草原を抜けて森の入口で速度を落とし森の中へ
「戦闘面って具体的になにするん?」
「先ずはご主人様のスキルである吸血であったり
魔法を使うこと、後は生き物を殺すことを体験しましょう」
「あいあい了解」
そんなことを言いながら森の中へと進んでいく
20分ほど歩き続けたところで先を歩いていた羅刹が止まる
「ご主人様、何かがこちらへ向かってくると思われます」
そこへ3mほどの巨大な生き物が現れる
頭には日本の角が生えていて身にまとっているのは腰布のみ
赤錆色でどこか光沢を持った肌をしている
左側には黒い刺青のようなものがある
「ゴガァァァォ!!」
「これはオーガですね、最初にはちょうどいい(ニヤリ)
特性は再生能力と巨体から繰り出される大きな力ですかね」
「ふーん、てことは脳筋の単細胞ってとこかな」
そんな風に言いながらオーガの前へ歩き出す
オーガは手に持った1mほどの大きさの棍棒を振り下ろす
それを香深は両手を頭の上で重ね、受け止める
その衝撃は凄まじく受けた香深の足が地面に突き刺さる
足下の地面はクモの巣状に罅割れていて衝撃を物語っている
「おぉう、体へのダメージの無さにビックリだよ
少し違和感があるから動きへの加減がやりずらいかなー」
「そればかりは慣れなければならないと…!?ご主人様!」
「どうかしたの…ガッ!?」
話をしていて気が逸れたのかオーガの行動に気付かなかった
オーガはその棍棒を思いっきり突いた
とっさの行動で両腕でガードはしたがそのまま吹き飛ぶ
直線にふっ飛んだので羅刹が香深の体を受け止める
「かぁー、やってくれたなこの脳筋単細胞野郎」
「だっ大丈夫ですか!?油断大敵ですよ!?」
「大丈夫、少しイラッと来たからぶっ殺してやるよ」
羅刹の腕から解放されて首や手首を動かしていく
「覚悟しろよ、クソ野郎が」
その場から走り出す、人外の脚力からの走り出しは凄まじく
地面に軽いクレーターが出来るがその勢いのまま
オーガの顔面に膝蹴りを食らわせる
「ゴギャ!」
「これがさっきの一撃へのお礼だよ」
顔面に膝がめり込む、そして吹き飛ばさず地面へ押し倒した
オーガは香深が見えていないがそれでも腕を激しく振り回す
その腕を掴み、空いた脚で片方の肩へ踵落としを繰り出し
肩は外れただろう『ボギャ』という音までする
何度も踵落としを繰り出し、そのまま肩から腕を引きちぎる
オーガは絶叫する、そして香深はその腕を投げ捨てる
膝を外し、殴る殴る殴る殴る殴る何度もオーガの顔を殴る
「ガァ……ゴ…ゴァ……」
オーガは何度も顔を殴られてもはや虫の息
「もう虫の息か…訓練なんて言えるもんでもなかったが
この世界のことがわかった気がする、サンキューこの野郎」
そう言い、オーガの顔面に全力のパンチをプレゼントする
頭を貫きそのまま地面まで到達する
先ほどのオーガの棍棒を受け止めた時以上の音が響く
その破壊力はクモの巣状の罅だけではなく地面が盛り上がる
「……少しやる過ぎたかなぁ」
「そうですね、意外と殺すことに抵抗ないんですね」
「前の世界では家族ででよく狩りとかしてたしな
それに殺しに来たからには殺されても文句は言わんやろ」
「なるほど、それは真理かもしれませんね」
「この死体どうする?埋めるのか?」
「それなら主から良いもの貰い受けてますよ」
「主?良いもの?」
「主とはこの世界に来る前に話をしていらっしゃるはずです
良いものとはアイテムボックスですよ
魔力の数値の2倍の個数だけ物を収集出来るんですよ」
「そんな良いもの貰ったのか、なんかわりぃな」
「じゃあ、仕舞って先に進みますか」
「おう、行くぜぇ」
そう2人は歩き出す、ここから物語は動き出す
香深「主って呼んでんだな、アイツ」
羅刹たん「はい、というか名前知らないんですか?」
香深「あぁ聞いてなかったしな」
羅刹「そうなのですか、主の名前はギルナードですよ」
香深「ギルナードかぁ」
〜とある最高神の部屋〜
ギルナード「誰か呼んだかな?」