3 第1ラウンド終了
シードラゴンマスクのフィギュア『衣装が着脱自在事件』は私以上にアルさん、遥ちゃん、ちーちゃんが激オコになりました。
アルさんが青白い目を光らせて、『魔法で出荷分を含めて』全てのフィギアの衣装を胴体部分を脱衣不可能にしてしまいました。
12月21日に発売されたばかりだそうだが、数百体がもう売れていたそうです。
その全部に涼しい顔でものの5分で魔法をかけてしまいました。
恐るべし、大魔女の魔法!!
「しかし、販売方法といい、いろいろ不自然なことが多いよね。」
光ちゃんがフィギュアをしげしげと眺めながらつぶやいている。
……結局買ったんですか!!
「スリーサイズがあまりにもどんぴしゃなのもさることながら、ほら、お尻の右の下の衣装で隠れてる部分に双子のほくろがあるでひょ。ここまで再現できるというのは普通ではありえんよね。」
「本当だわねえ。充さんの目をすり抜けてそこまでするとは『いろいろ裏』がありそうね。」
「光ちゃん、アルさん待って!!光ちゃんのそのフィギュアは着脱可能じゃん!!」
「あら、『旦那様限定』で解除したのよ♪」
「ええーー!!私のも解除してください♪」
「私のもお願いします♪」
遥ちゃんもちーちゃんも何やってんですか!!!
「では、三人で『このフィギュア事件の真相解明』頑張りまひょか!!」
「「了解!!」」
光ちゃん、アルさん、巧さんががっちり握手している。
三人の気持ちは嬉しいんですが……なんなんだ!この『事件?』!!
三人が『ネットや魔法等の手段』で情報を集める準備をした後、充さんも本格的に調べてくれることが決まり、再びツアーは再開した。
後日談だが、『魔法で衣装の脱着が不可能になった事件』で売れたシードラゴンマスクフィギュアは逆に『ものすごいプレミア』が付いたそうだが、誰も手放そうとしなかったそうな。
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『ちょっと怖いぞ ホラーハウス』
テーマパークにはホラーハウスやお化け屋敷はつきものだよね。
とはいえ、このメンバーでわざわざお化け屋敷に入るのもどうかとは思う。
カップルで入って、女性がお化けに怖がって、男性にすがりつく……ありえない!200%ありえない!!
私もだが、他の参加メンバーやナースチャも怖がるどころか、『お化けを積極的に退治』するメンツばっかりだよね!!
「よし、美佐ちゃんに怖がってもらって、私に抱き付いてもらうのはどうかな♪」
望海ちゃん、そろそろ『おかしな仲間』の悪影響を受けだしているのか?!
「よし、瀬利亜はんに怖がってもらって、わてに抱き付いてもらうのはどうかな♪」
光ちゃん、それは演技でいいから『お約束』をしろということだよね?!
「ええーー!!私も抱き付いてほしいです♪♪」
「私にもぜひぜひお願いします♪♪」
……ちーちゃん、遥ちゃん、お化け屋敷である必要ないよね?!
『ニャーカム・ハウス リアルな宇宙的恐怖の館』
※本物のお化けも出てきますが、
『噛み付いたりはしません』ので、ご安心ください。 』
忍者ならともかく、『お化けの本物』はまずすぎるよね?!!
というか、『アーカムハウスのもじり』なら、クトゥルフ神話系の怪物が出そうで、生半可な幽霊よりもはるかに怖いのですが。
「いらっしゃませ♪ようこそ、『ニャーカム・ハウス』へ♪」
不気味な雰囲気の洋館の入り口には黒猫の仮面を被ったタキシード姿の長身の男性が立っている。
屋敷の雰囲気といい、男性のオーラといい、『不穏なもの』を感じて声を掛ける。
「おじさん。『本名』を教えていただいてよろしいでしょうか?」
「やだなあ、お兄さんと呼んでくださいよ♪『這いよる黒猫・ニャントロホテップ』と申します♪」
「中のお化けが『本物』というのも充分すぎるくらいヤバイと思うのだけれども、受付が『邪神』というのはもっとやばくないかしら?」
『最高の微笑み』を浮かべて、私はニャントロホテップさんに語りかける。
私が『シードラゴンモード』に切り替わったのを気づいて、周りのみんなが私と少し距離を取る。
「…あの、いったいどういう…。」
ニャントロホテップ神が後ずさりしながら震える声で答える。
「いろいろやってくれているでしょう?フィギュアとか♪」
『目が笑わない笑顔』でじりじりとニャントロホテップに近づいていく。
アルさんいわく、この状態の私を見たら『ゴメラがはだしで逃げていく』のだそうだ。
「…いえいえ、どうしてシードラゴンマスクのフィギュアが私の仕業だと…。」
「あらあ、ずいぶんと余裕がないのですね♪私は『何のフィギュア』と言っていないのに、どうして『シードラゴンマスクの』だとわかったのですか?」
「はうう…こう見えても邪神ですから普通の人にはわからないことも……。」
さらに言い訳をしようとしたニャントロホテップが完全に恐怖に凍りついたのがわかった。原因は……私の後ろから放射される凄まじい殺気だ。
振り返ると、アルさんが水晶球片手に目を青白く光らせて『戦慄するような笑顔』で立っていた。
「瀬利亜ちゃんのフィギュアやぬいぐるみの製作元を調べたら、あなたの痕跡がいろいろと見つかったのですが、これはどういうことかしら?」
「…そ、ソレハデスネ……。」
アルさんの追及にニャントロホテップは顔色が真っ青になっている。
仮面を被っているから推定だが…。
「わ、悪気があったわけではありませんよ。ただ、『創作意欲』が暴走してしまっただけなのです。許してちょんまげ!!」
ニャントロホテップは私たちに土下座した。
「うん、嫌がらせをするんだったら、『もっと陰険な手段』をいくらでも使えるでしょうから、そのこと自体は信じても構わないけど、『無断で』しかも『衣装を直脱自在』にしたのは明らかにやりすぎよね?
ぬいぐるみは適切な『事後報告』でも充さんを通して適切な対応をしてくれれば、問題にするつもりはないけど、『フィギュアの件』は納得のいく説明をして欲しいわね♪」
私とアルさんがじりじりと迫っていく。
「…じ、実は!フィギュアの衣装を着脱自在にしたのは『モニターの女性ファン』の方たちから『熱狂的な要望』が多々あったからなのです!!」
「なんですってーーー!!!!」
私が愕然としていると、遥ちゃんとちーちゃんがうなずいている。
「だって、せっかく素敵な人形だから『下着も含めて』コーディネートしてあげたいじゃないですか♪」
そっち目的ですか?!
「ちーちゃんの感想はもっともやと思うわ。『ネットで売れた分』でも『購入者の8割は女性』やと判明したし。
ネットではすでに2千体以上売れとったで。
そして、モデル料として瀬利亜はんの口座に『ニャントロホテップ神から振込』が確認できたわ。確かに配慮はなかったけど、悪意もなかったのはほんまやろね。」
調べ物が終わった光ちゃんが肩をすくめてつぶやいた。
「ニャントロくんは『600年前』もいろいろやってくれたからね…。とりあえず、『けじめ』つけときましょうか♪」
…光ちゃんの話を聞いてアルさんのオーラが150%増しで凶悪に膨れ上がりました。
しばし、『邪神の悲鳴』がわくわくランドに響き渡ったが、『ホラーハウス』発だったので、『ホラーハウスの恐怖』の噂がネットに響き渡ることになった。
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「はい、カイザスさんお土産♪」
ミニライブが終わって、ニコニコしているカイザスさんのところに私は『サンタの担ぐような袋』を持って、姿を現した。
「瀬利亜ちゃん、そっちはデートは順調なのかな?ところで、ずいぶん大きい袋のようだけど、何が入っているの?」
「それは、開けてみてのお・た・の・し・み♪」
「なんだか重たいようだけど…ぎゃーーー!!!ニャントロホテップ神が入ってるじゃん!!!どういうこと??!!!」
「…ええ、『いろいろと』あったのよ…。黙って引き取っていただけると、嬉しいわ…。」
こうして、カイザスさんに『守護神』を押し付けて、再びツアーが……そろそろ夕方か。いよいよ、作戦は第二段階『イタリアンレストラン制覇』に切り替えねばなるまい!




