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ゴメラ VS モンスターバスター  作者: はなぶさ 源ちゃん
第四部 モンスターバスターと過去の清算
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11 後継者候補

 ガシーン!ガシーン!

 パパの繰り出す剣戟をスーパージャスティスは手袋につけたメリケンで上手に受け流していた。

 二人ともものすごく早く動くので私には『互角に戦っているらしい』ことしかはっきりしない。

 ((やめて!!ふたりともやめて!!))

 陰から覗きこみながら、叫びたいのに全身が震えて声が出ない。

 パパもスーパージャスティスも相手を殺そうとして戦っているわけではないことが、今までの感覚から何となく感じ取れた。

 今まで何度も私たちを襲ってきた『人の形を取った化け物達』から異様な殺気を感じていた。それに対してパパが同じく強烈な殺気を放って戦っていた。

 その殺気を二人とも全く出していなかったから…。


 その時、私の後ろから『いつもの強烈な殺気』が吹き付けてきた。

 奴らがまた来たんだ!

 叫び声を上げようとした時、何発かの銃声とともに人影が吹き飛んだ。


 「お嬢さん、大丈夫?!」

 優しそうな女性の声が私にかけられた。

 マスクを被った銀髪のその女性は、持っていた二丁拳銃をしまうと優しいまなざしで、右手を差し出してくれた。




~~☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆~~



 「美佐ちゃん、どうしたの?」

 喫茶店で寝落ちしそうになっていた私に瀬利亜さんが声を掛けてくれる。

 こんな場所で昔の夢を見るなんて、我ながら情けない…あれ、なんか、私を助けてくれたあの女性と瀬利亜さん…何となく似ていない?


 『美佐はここしばらく魔法少女活動をしていたから、勉強が遅れ気味でね。

 補習やそのための宿題がたくさん出て、寝不足君なんだ。』

 あわわわ、アメちゃん!それをばらしちゃ、ダメだよ!!


 「うん、そうね!大切なお仕事と勉強の両立は大変だもんね!美佐ちゃん、本当にお疲れ様です。」

 うわー、瀬利亜さん、やさしいなあ♪


 『いやいや、同じように活動していて望海は補習どころか、ほぼトップの成績を常に維持しているよ!』

 アメちゃん、望海さんは私とは出来が違うから!!


 「待ってアメちゃん。確かに文武両道両立させる強者が何人かいるのは確かだわ。

 ここにいるメンバーでも、確かに遥ちゃんとちーちゃんも両立させているわ。

 二人とも成績はトップクラスだし。

 でもね、人間『何か一つ得意なことがあればいい』の!

 マルチな才能ももちろん素晴らしいわ!でも、『一芸に秀でる』こともとても素敵なことだわ!」

 瀬利亜さんが力説してくれている。ありがとう!!瀬利亜さん。


 『…それも一理あるような気がするか…。ところで、瀬利亜は成績はどうなんだ?』

 「……ん?何のことかしら?」

 ……えーと、瀬利亜さん?


 「アメちゃん!なんてこと言い出すの!」

 遥さんががたっと席から立ち上がる。

 「瀬利亜さんは『世界最強のスーパーヒロイン』なだけでなくて、抜群の会話能力と交渉力、家事も達人で、できないことはほとんどないスーパーレディよ!

 一部不得意な教科があっても、全然問題ないわ!」

 …普段はおとなしい遥さんが全力で力説されてます。


 「そうです!瀬利亜さんは優しくて、カッコよくて、頼りになって、すごく強くて、すごく面倒見が良くて、それからそれから!」

 千早さんもアメちゃんを睨むような視線で力説されてます。


 「いえ、二人とも気持ちは有難いのだけれど…アメちゃんは私の成績がどうか聞いただけだから。

 私の成績がいいものと悪いものとが極端だから、それを言ってくれているのはわかるわ。」

 さすが、瀬利亜さん!誰も責めないすごい気配り発言をされている!


 『そうか、瀬利亜は得意科目はすごく得意なのだな。全体によくない美佐とは違うんだ。』

 「なによ、アメちゃん!その言い方はないでしょ!!」

 さすがの私もアメちゃんにキレてしまった。


 「大丈夫よ、美佐ちゃん♪」

 瀬利亜さんが、私の後ろから覆いかぶさりながら言ってくれた。

 「美佐ちゃん、こんなに優しくて『可愛い』んだもの。

 『可愛いは正義』という言葉もあるし、大丈夫!!」


 瀬利亜さんに両手で頭を抱え込まれてなんだかくすぐったいです。


 「あー!私もするー!!」

 千早さんも私のところに割り込もうとされてます…。


 「「私もする―♪」」

 望海さんと遥さんまで無理やり割り込もうとされてますが…。


 『いやいや、君ら何やってるの?僕は美佐の成績のことが心配だからうるさく言ってるんだよ?!』

 「アメちゃん、気持ちは嬉しくないわけではないけど、最近教科書漬けで苦しいです。」

 勉強が大切なのはわかるんだけど…。


 「…そうか、では提案します!」

 私が愚痴ると瀬利亜さんが手を上げて発言された。


 「遥ちゃんが良ければなんだけど、美佐ちゃんの勉強を遥ちゃんに見てもらうのはどうでしょうか?

 遥ちゃん全教科バッチリの上、教え方すごく上手だし、受験勉強も関係ないから。」

 「え?遥さん、高校2年で成績優秀だから…もしかして『大学を推薦入学』されるのですか?」

 望海さんが首をかしげながら言われる。


 「高校を卒業したら、アルテア先生に正式に『弟子入り』するんです。住み込みの弟子ということで…しばらくは石川邸に常駐します♪」

 遥さんがとても嬉しそうに言われている。きっと魔法の勉強もアルテア先生のこともとても好きなんだろうな。

 それと、『大好きな』瀬利亜さんのお宅に寝泊まりできることも嬉しいのだと思う。


 『ええっ!成績優秀なのに、大学に行かずに『丁稚奉公』するのか?

前時代的な感覚だな。』

 「アメちゃん!何失礼なこと言っているの!謝りなさい!」

 さすがに私もアメちゃんに対して怒る。


 「ちっちっち。これだから、事情を知らない人は困るわね。」

 瀬利亜さんが指を立てて首を振る。え?どういうこと?


 「遥ちゃんは一流大学どころか、『百年に一人か二人』くらいの超難関を突破したのよ。

 何しろ、本人の意向も大きく関係しているとはいえ、『第一五代大魔女リディア』になる可能性がかなり高いからね。」

 「「「「はっ??!!!」」」」

 瀬利亜さん以外の全員が固まる。


 「せ、瀬利亜さん!それ、冗談ですよね?!」



 「ねえ、遥ちゃん。学校を卒業したら、正式に弟子にならない?

 遥ちゃん、才能もやる気もあって、人間的にもとても信頼できるし。

 同じ家で寝起きして、私と一緒に勉強していくの。

 一緒に学んでいけると嬉しいな♪」

 「ほ…本当ですか?!ぜひ、よろしくお願いします!!!」



 「…という感じで話を受けたんだけど、いくらなんでも後継者ということは…。」

 「うん、実はアルさんから相談を受けたんだけどね。」

 みんなが固まっている中、瀬利亜さんは淡々と話を続ける。



 「ねえ、瀬利亜ちゃん。遥ちゃんのことで相談なんだけど…。

 人間性とやる気は全然問題ないのだけれど…『一五代目を継ぐ才能』があると観じる?」

 「……うーん、全然大丈夫そうだよ。後継者候補に考えているの?」

 「考えていたわけではないのだけど、どう見ても『後継者になるのに十分な才能』があると感じたの。念のために瀬利亜ちゃんにも聞いたわけ。

 最終的に継ぐかどうかは遥ちゃん次第だけど。」



 瀬利亜さんの話に遥さんが完全に固まっている。

 他のみんなもほぼ同じような状態だ。


 『君ら、おかしいやろ?!なんで『人類の命運にかかわりかねない』大切なことを君とアルテアさんが決めてるの!!』

 「いえいえ、決めたのはアルさんと遥ちゃんです。私は『正義の直観で念のための確認』のお手伝いをしたくらいのことで。」

 アメちゃんのツッコミ?に瀬利亜さんがさらっと返答する。

 そして、ようやく少し立ち直ったらしい遥さんが口を開く。


 「瀬利亜さん!無理、無理だから!!私なんかがそんな世界を背負うようなこと無理!」

 遥さんは半分泣きそうになりながら、瀬利亜さんにしがみついている。


 「大丈夫、大丈夫。あくまで『後継者に相応しい技量』を遥ちゃんが身に付けた場合に、アルさんがそういう動きをするかもしれない…という話だから。

 何年かして、『打診があった』らその時考えればいいのよ♪

 ちなみに住み込み弟子になった時点でアルさん並みに『若さと美しさをキープ』できるようになったと思っていいわ。女性としての『勝ち組』と言っていいかもね♪」

 「そ、そうかな…。」

 遥さんがようやく安心されたようだ。なんだか瀬利亜さんにうまく『丸め込まれた』ように見えるよね…。遥さんの言葉通り『抜群の会話能力と交渉力』だ…。



 そして、私は放課後週2回は石川邸にお邪魔して、遥さんに勉強を見てもらうことになった。私も勉強頑張らないと!!



~~☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆~~



 「美佐ちゃん、今日はひとりかい?」

 洋菓子店『マジック』に入ると五月雨さんが笑顔で私に声を掛けてくれる。

 最近は望海さんや瀬利亜さんたちと一緒に行動することが多かったから、一人は珍しいのだ。


 「うん、今日は一人なんだ。

 そうだ、すごくいいことが会ってね。遥さんが私に勉強を教えてくれることになったんだ。すごく成績が良くて、優しくて教え方が上手みたいだから楽しみだよ♪」

 「へえ、それは良かったね。成績が上がるといいよね。

 ところで、今日は何がいいかい?」


 私が伝えると、五月雨さんは持ち帰りケースにお菓子を詰めだした。

 それを嬉しそうに見ていた私は不意に背筋に寒気が走った。

 7年前に感じていた『強烈な殺気』を背後から感じたのだ。


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