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ゴメラ VS モンスターバスター  作者: はなぶさ 源ちゃん
第四部 モンスターバスターと過去の清算
80/140

5 お家へいらっしゃい

 「あ、あの、こちらの都合でお話するのにランチをおごっていただくなんて恐縮です!」

 「大丈夫や、『二人とも』ボーナスが出たからイタ飯のお嬢様方のランチ代二人分くらい楽勝や♪」

 焦る望海ちゃんに光ちゃんがのんびりと答えを返してくれる。

 レジウス事件では『1年の年収分くらいボーナスが出た』から、イタ飯くらい楽勝です。

 そう言えば、私がモノローグするのはずいぶんひさしぶりのような…。


 「え?二人ともボーナスですか?」

 「そうや、わては高校教師として、瀬利亜はんはモンスターバスターとしてや。

 瀬利亜はんの方が『圧倒的にたくさん』もろうてはるけど♪

 わてももう少し頑張って稼がんとね。」

 美佐ちゃんの問いに光ちゃんが肩をすくめて見せる。

 いえいえ、光ちゃんの一人くらい『私が十分養います』から!

 とはいえ、自分でもしっかり稼ごうという光ちゃんの前向きな気持ち自体はとても嬉しい!二人で『いい仕事』をしていきましょう!!


 「でも、よく近場に個室付きのイタリアンをご存知でしたね?」

 「そりゃあもう、クリスマスに備えて二人でディナー……はっ??!!」

 望海ちゃんの問いに光ちゃんが途中で『自爆』したことに気付いて慌てる。

 …これは聞かなかったことにしてあげよう。もっとも気遣いの光ちゃんのことだから、お店を変えるかもしれないね。


 「……うわー、私も五月雨さんと…」

 私たちの『クリスマスディナー予定』に気付いた美佐ちゃんが少しすねている。私も単身の時は……ん?五月雨さん?!


 「…『五月雨はん』て…『洋菓子店マジック』オーナーの五月雨はん?」

 「え?そうですけど…なにか?」

 望海ちゃん、ヤバイ方向に話がいっちゃうよ?私は光ちゃんに目配せをする。


 「!二人とも何か知っとるな!?」

 ち!アメちゃんが気づいたか?!


 「もしかして、五月雨さんはパティシエの月野さんと付き合っておられるんですか?」

 「…『まだ』、付き合ってはいないと聞いているけど、二人は『同じ里の出身』で、幼馴染ではあるわね…。」

 望海ちゃん、だからそれは『美佐ちゃんにとってまずい質問』だってば…。

 とは言えいずればれることだし…うーむ。


 「それは、『付き合ってはいない』けれど、五月雨さんか月野さんが相手に気があるということですか?」

 望海ちゃん、鋭いなあ。光ちゃんも返答にこまってるなあ。


 「瀬利亜さん、肚を括りますので、真実を教えてください!」

 美佐ちゃんが半泣きしそうな顔になっている。

 やむを得ない!美佐ちゃんは強い子だ!きっと乗り切れる!

 それを確信して私は口を開いた。


 「……えーと、…五月雨さんからは『月野さんにどういうものを贈ったら喜ばれるか』とか、どういうアプローチが有効だろうかとかいろいろ相談を受けているわね…。

 ちなみに月野さんの方は五月雨さんのことを『可愛い弟分』みたいにとらえているようで、はっきりした恋愛感情の自覚はないみたい。」

 私の言葉に美佐ちゃんはうなだれた。うすうすわかっていても事実が付きつけられるのはつらいものだ。

 七歳の年齢差自体がそもそも大きなハンデなのに、身近にいる魅力的な異性に『明確にアプローチしようとしている』ことはさらに可能性が薄いと言わざるを得ない。


 「…ところで、瀬利亜さんは五月雨さんたちとかなり親しくされているようですが、どんなご縁でお知り合いになられたのですか?」

 「えっ?えっとね………少し前に『とある事件』に巻き込まれたんだけど、あの二人も…被害者、うん、被害者として巻き込まれたの。それを解決して、後始末をする過程で、仲良くなったわけ。

 地元に詳しい私たちが五月雨さんたちの夢を結果的に支援することになったので、その御縁が続いているの。」

 「…なんか、つっかえつっかえ説明しているけど、複雑な事情なの?」

 「うん、モンスターバスターが関わる事件だけに、『任務上の機密事項』もあって、説明しづらいのよ。『大人の事情』も分かって欲しいものだわ。」

 アメちゃんはツッコミが鋭いなあ。ここは『大人の事情』でかわすしかありません!!。


 (『五重塔事件』は関係者ほぼ全員『結果として被害者』なわけだから、五月雨さん、月野さん被害者と断定してもかまわないわよね。二人はそっとしておいてあげないと)


 「ところで、大人の男性の視点から見て、光一さんは美佐ちゃんがアプローチしてうまくいく余地はあると思われますか?」

 望海ちゃんが再び光一に振ってきた。


 「そうやね…パッと見た感じ『奥さんに操縦かんを握られている』仲良し夫婦…みたいな空気してはるから…遠からず結婚しはる可能性は濃厚やね。同年齢か、ちょっとだけ上の男性の候補を探された方がよさそうや。」

 光ちゃんの言葉に美佐ちゃんが明らかにへこんでいる。

 どうみても五月雨さんは月野さんに『べたぼれ』で、命がけで彼女を守ります!!くらいの感じだもんね。

 美佐ちゃん、惚れた相手が悪かった…と言いますか、いい女は恋をすればするほど精神的に強くなるから!私も何度同じような経験をしたことか!!



 「おいおい、『要塞を陥落させた記念日』が、『美佐の失恋した記念日』になってしもうたやん!どう落とし前つけてくれんねん!」

 「アメちゃん!変な記念日を作って、人の傷口に塩を塗り込まないで!!」

 美佐ちゃんはふくれたが、この調子だと立ち直るのも早くて済みそうだ。



~~☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆~~



 「「ここが、瀬利亜さん家!!」」

 オープンカーから降りた美佐ちゃんと望海ちゃんは呆然と立っていた。


 「スゴイ邸宅ですね……。」

 望海ちゃんが感嘆の声を上げる。

 ぼっちとは言わないが、親しい友達をあまり多く作らない私は家に驚かれる反応に慣れないなあ。

 私が建てた家でもないし(仮にそうであっても)、どう返答していいものか困ってしまう。


 「まあ、『秘密基地』も兼ねているモノで…。

 ところで、アメちゃんはついて来てよかったの?

 『正体を明かす人』は少ない方がいいんだよね?」

 「いや、美佐のポケットに隠れていれば大丈夫だろ?」


 アメちゃんの言葉に光ちゃんが肩をすくめる。

 「残念やが、ここの住民たちは全員『アメちゃんの存在に気付かへん』なんてありえんと思うで。もっとも確か今日は…。」

 「バネちゃんと遥ちゃんがちーちゃんちに泊まりに行ってるから、アルさんと巧さんだけなんだけどね。」

 私が屋敷を見やりながら言うと、その屋敷からアルさんが走ってくるのが見えた。


 「まあ、帰ってくるのが早いと思ったら、かわいいお客様たちを連れてきたのね♪」

 長身の金髪、ゆるふわの美女に出迎えられて、美佐ちゃんも望海ちゃんもすっごくドキドキしているわね。アルさん同性でもドッキリするくらいきれいだもんね。


 「あれ、巧さんは?」

 「…んー、泊まり込みの急用が入ったからって、少し前に出かけていったわ。」

 「ありゃ、じゃあ今いるのはアルさんだけなんだ。」

 「そうなの。だから、今から『魔法少女の秘密会議』をしても大丈夫だと思うわ♪

 だって、私も加えて『そのため』に来てもらったんでしょ。」


 先ほどの光ちゃんのさらに上を行くアルさんの爆弾発言にみんなが凍りつく。

 「瀬利亜!どういうことだ?!」

 アメちゃんが焦って美佐ちゃんのポケットから飛び出してくる。

 「詳細は会議で話をするから、まずは広間にいきましょう♪」

 アルさん、やはり突き止めていたか…。

 ところで、巧さんが留守にするとか珍しいな…。私の結婚も決まったから心置きなく私用ができるようになったのだろうか。だとしたら、『私のために無理をされなくなった分』ありがたいことなのだが。




 「そんでは、今から『第1回魔法界奪還 魔法少女会議』を開催や!」

 ホワイトボードに『第1回魔法界奪還 魔法少女会議』と光ちゃんが書き連ねていく。


 「うわー、このミックスハーブティーおいしいわ♪新しいブレンド?」

 「うん、疲労回復とリラックス効果があるの♪」

 「このクッキーもとってもおいしいです!」

 私とアルさん、望海ちゃんはわきあいあいと話をしている。


 美佐ちゃんはその様子を「いいのかなあ?」という感じで見ており、アメちゃん……。

 「君ら!何をのどかに話してんの!!」

 アメちゃん、キレちゃいました…。


 「あらあ、魔法界に異変が起こって、大変なのはわかるけど、『精霊騎士』があまりカリカリしていては、解決できる事件も解決しなくなりますよ♪」

 お茶を飲みながらアルさんが涼しい顔で返答する。


 口をパクパクさせているアメちゃんにアルさんがさらに口を開く。

 「その御様子だと、シルビア女王に何か重大な異変があったのね?」

 「アルテアさん!女王をご存じなんですか?」

望海ちゃんがびっくりして立ち上がる。


 「ええ、だって、600年前地球と魔法界の『非干渉協定』を結んだのはシルビア女王と『前世の私』ですから。地球側は私だけではなかったですけど。」


 今まで『地球にいた前世をすべて覚えている』という特殊技能持ちのアルさんだけど、この件に直接かかわっているとは付き合いの長い私もびっくりだ!


 でも、アルさんが魔法界の事情に精通してくれていると話が早くていい。

 今回の事件で私一人では対応しきれない部分もアルさんがサポートしてくれるだろう。


 そして、『チーーン!』と甲高い音がなり、アルさんが立ち上がった。

 「あら、シュー生地が焼けたわ♪ちょっと待ってね。すぐに生地にクリームを詰めてくるから。よかったら、一緒に詰め作業する?」


 アルさん…すばらしい『大物』ぶりです…。みんながこれくらい「大物」であれば、世界は今の十倍くらい平和かもしれないが……続きはまた明後日?ということで…。


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