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ゴメラ VS モンスターバスター  作者: はなぶさ 源ちゃん
第四部 モンスターバスターと過去の清算
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2 新しい仲間

 「あなたはいったい何者なのですか?!」

 「……なんのことかしら?『通りすがりのただの女子高生』だわ。」

 明らかに『しらばっくれてます』と表情に出ている状態で女性はさらっと言った。


 「いやいや、女子高生がオオトカゲを蹴り飛ばせるわけないでしょ?!」

 姿を現したアメちゃんが思わず突っ込む。

 「…きっと、これが『火事場のくそ力』というやつね?!」

 女性は目をキラキラさせながら、なにかを確信するかのように宣言した。


 「大トカゲだけならまだしも、リザードマンたちを制圧したのは明らかに『訓練された動き』でしょ!!!」

 アメちゃんがさらに突っ込んでいく。いつもながら見事ツッコミだと美佐は思った。

 「…きっと、護身術を習っているのが、緊急事態に火事場のくそ力とともに発揮されたに違いないわ!!」

 「普通の人間が火事場のくそ力を発揮したくらいでは強化された『魔界戦士』を吹っ飛ばすなんて無理だから!!」

 「…そうか、これはきっと『夢』に違いないわ!!夢の中だから、あり得ないことが現実に起こってしまうのね?!」

 「いやいやいやいや!!…」


 さらに言いつのろうとするアメちゃんを制すように前に出て美佐が言った。

 「お姉さん、どうしてアメちゃんが宙に浮かんで言葉を話しているのに、びっくりしないの?」

 しばし、きょとんとしていた女性は冷や汗をだらだら流しながら、どう返答しようかと困っているよう見えた。


 「それよりも、お姉さんいい人そうだし、すごく強いよね。私たちの仲間になって、魔法界を救うのを手伝ってくれると嬉しいんだけど。」

 洋菓子店『マジック』でのミサへの対応や、リザードマンたちを可能な限り傷付けないように制圧した技術と心配り、『ばれたらヤバイかもしれない自身の正体のおもしろすぎるごまかし方』等を見ても、すごくお人よしなのではないかと美佐は感じたのだ。


 「『魔法界を救う』とはどういうこと?」

 案の定、美佐の言葉に女性は真剣な顔で食いついてきた。



~~☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆~~



 地球に隣接した異世界の一つ、『魔法界』は妖精たちやファンタジーな生き物たちの住む平和な世界であった。

 住民たちは多かれ少なかれ魔法を扱うことができ、いろんな種族たちがそれぞれ平和に共存する世界であった。


 地球と魔法界は約600年前に、それぞれの『管理者同士の取り決め』により、お互いに可能な限り非干渉にすることで合意がなされていた。

 そして、たまたまできた『ワームホール』等で住民が間違って迷い込んだ場合は『管理者の手配したもの』が元の世界に返すように取り決められていた。

 

 数年前、魔法界に大きな力を持つ存在が迷い込み、巨大な『闇の力』を行使し、その勢力を広げていった。その存在は自ら『暗黒魔王』と名乗り、配下をどんどん増やしていった。

 元来平和で大人しい住民たちが多い、魔法界の住民たちは窮地に陥り、管理者である「魔法界の女王」が守護者たちとともに『暗黒魔王』をいさめに動き出した。だが、女王は暗黒魔王の罠にはまり、高度な『結界』の中で眠りにつかされ、とある場所に封印されてしまった。


 何人かの守護者『精霊騎士』は辛くも逃げ出し、女王を救い出し、魔法界を解放してくれる『勇者』を探し求めた。

 勇者は精霊騎士の貸し出す『魔法の道具』を活用し、『愛と正義の魔法少女』として、暗黒の怪物たちに対抗する力を行使することができた。

 ただし、魔法の道具を扱えるのは『純粋な心を持つ少女』に限られるのだ。

 現在、美佐ともう一人の仲間が魔法少女として懸命に闘っていたのだ。



~~☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆~~



 「…というわけなの!お姉さん、ぜひ仲間になって下さい!」

 「おおっ!!『魔法少女センサー』も高い適性ありと表示している!!」


 「……魔法少女…デスカ…。」

 美佐とアメちゃんは大喜びだが、女性は難しい顔をしている。


 「…お姉さん、いったい何が問題なんですか?」

 「協力させていただくこと自体には全然問題ないのだけれど、私の年で『魔法少女』はちょっと無理があるんじゃない?」


 美佐とアメちゃんは顔を見合わせた。

 『自称女子高生』とはいえ、確かに五月雨と同年齢かと思わせるような大人びた彼女に『魔法少女』は少し苦しいかもしれない…。

 しかし、『協力する気自体はある』上に、人間性、能力的にも仲間になってくれたらものすごくありがたいのは確かだ。


 「大丈夫!!お姉さん、すごくきれいで『可愛い』から♪」

 「そうそう、大人びた魔法少女も美人だったら、少々許されるから♪」

 「……そ、そうかなあ。」

 実のところ『カッコいい』とか、『男前』とか言われ続けてきた彼女にとって、『可愛い』というのは強力な殺し文句であった。


 「わかったわ!魔法少女として協力させてもらうわ!」

 「お姉さん、ありがとう!!」

 二人の少女はがっちりと握手をした。


 その時、女性のスマホが「オルゴール音のトトロのテーマ曲」を奏で始めた。


 「はい、瀬利亜です。……了解!すぐに向かうわ!!」

 瀬利亜はスマホを納めると、美佐に微笑みかけた。

 「申し訳ないけど、急用が入ったの。こちらにメアドと携帯番号が入っているからいつでも連絡して。それから、あなたのお名前は?」

 「美佐です。水守美佐。」

 「美佐ちゃん、できれば、また明日お会いしましょう♪」

 瀬利亜は美佐に名刺を手渡すと、真剣な顔に変わり、走り去っていった。


 (…瀬利亜さん、カッコいい!!)

 (…所作がすごく様になっている!男前だ!!)

 走り去る瀬利亜の後ろ姿を見ながら美佐とアメちゃんは思った。



~~☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆~~



 「ふんふふんふん♪」

 廊下を歩きながら美佐はご機嫌だった。


 メールでのやり取りの結果、新たに仲間になった『石川瀬利亜』から、今日の夕方待ち合わせをして詳しい話をしようということになり、すごくウキウキしているのだ。

 「み~さちゃん♪私にも詳しい話をしてくれないかな♪」

 聞き覚えのある声に振り返ると、二年生の美佐の一学年上の元生徒会長の北川望海がニコニコしながら立っていた。

 学業、スポーツとも学年でトップクラスであり、明るく、優しく、世話好きな望海は誰からも好かれていた。

 「望海さん!!」

 望海の顔を見て、美佐は表情をキラキラさせた。

 「新しい『仲間』て、どんな人なの?」

 「…えへへへ、放課後一緒にお会いすればわかりますよ♪」

 「あら、ちょっと意地悪じゃない?」

 「…だって、口で説明しても、瀬利亜さんの素敵さを説明するの難しいんだもん。」

 「ふっふっふっふ!よっぽど『瀬利亜さん』のことが気に入ったみたいね♪」

 美佐の様子を見て、望海が笑う。


 「そうなんだよ。あれはいろんな意味で『ただもの』じゃないよ!」

 アメちゃんも興奮して、美佐の胸ポケットからついつい飛び出してしまう。


 「ほらほら、アメちゃん、引っ込んで!」

 望海が笑いながらアメちゃんを美佐の胸ポケットに突っ込む。

 「まあ、『魔界戦士』を素手で蹴散らせるとか言ったら、本当にただものじゃあないものね。アメちゃんが興奮するのもわかるわ。私自身もどんな人なのかすごく楽しみだし♪」

 望海もアメちゃんに劣らず目をキラキラさせながら熱っぽく語る。



~~☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆~~



 「ねえねえ美佐ちゃん、あの人が瀬利亜さんなの?!」

 美佐と一緒に待ち合わせ場所の洋菓子店『マジック』に着いた望海は興奮して、美佐をぶんぶんと揺さぶっている。普段のおしとやかな望海からは想像もつかない姿だ。

 「望海さん!落ち着いて!そうなの、あの人が瀬利亜さんよ。」

 「背が高くて、めちゃめちゃカッコいいし!!」

 目をキラキラさせながら望海が盛り上がっている。



 そして、瀬利亜が買った洋菓子の詰め合わせを持って、三人+一匹は道を外れて森の中に入っていった。

 「では、今から『魔法空間』に入ります。」

 アメちゃんの言葉に三人はうなずく。

 魔法空間とは『魔界空間』の魔法少女バージョンのようなもので、時間の止まった結界空間という点では共通である。

 そこで秘密の会議をしたり、『魔法界』に突入して戦うために美佐たちは活用している。


 「「マジカルチェーンジ!!」」

 まず、美佐と望海が魔法の呪文を唱えた。



 そして、美佐は金髪で、黄色と白を基調にしたドレスを着た17歳くらいに見える『魔法少女スイート☆ミサ』に変身した。

 かたや望海の方は…。


 望海が懐から青いスマホを取り出すと、画面から金色の光があたりを照らし出す。

 光の中で、清楚な美人系の顔が少し精悍な感じになり、セミロングの髪がそのまま少しだけ長く伸び、ポニーテールにまとめられる。身長も少し伸びて、青色と白を基調にした軍人風の衣装は非常に活発に動ける感じだ。

そして、右わきには『銀色に輝く魔法の歩兵銃』を構えている。

 「愛と勇気のために戦います!『魔法のサバイバー・ファンシー♡コンバット』ただ今参上!!」


 「よし、私もやってみるわ!!」

 瀬利亜も銀色のスマホを取り出し、画面から金色の光があたりを照らし出す。

 光の中で、髪や身長はそのままで、顔を銀色のメカニカルな感じのアイマスクが覆う。

 衣装はアメコミやアメリカンSFに出てくる、ビキニ風の銀色のメカニカルなボディスーツが体を覆っていく。両手、両足は同じくそのまま殴ったり、蹴ったりしたら『戦車をも粉砕しそう』なパワードスーツのような手袋とブーツが装備されている。

 「この熱く燃え盛る、正義の心のある限り!『魔法のバトラー・マジカルシードラゴン』ただ今推参!!この世に悪の栄えたためしなし!!」


 「カッコいい!!めっちゃかっこいいわ!望海ちゃん!!」

 「いえ、瀬利亜さんこそ、ものすごくカッコいいです!!」


 望海と瀬利亜はお互いを熱い視線で見ながら、がっちりと握手をした。


 ((………。))

 そして、そんな二人を見ながら、アメちゃんと美佐は思った。


 確かに二人ともすごくカッコいいのだけれど、こうして見ると、『魔法少女から激しく逸脱しているよね??!!』と…。


 果たして、魔法少女たちは無事任務を全うして、魔法界を解放できるのであろうか?!


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