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ゴメラ VS モンスターバスター  作者: はなぶさ 源ちゃん
第三部 少しはラブコメ要素も投入してみました。
73/140

8 天は人に二物も三物も…

 ((それで、まさか怪獣を『タコ殴り』にするような体験ができるとはおもいませんでしたよ!我々も武術を習得すれば全然違ってきそうですね!あれ?ザップマン先輩?!))


 『八岐のヒドラ』を粉砕した後、『私たち』は基地に戻り、防衛軍に状況を報告した後、ザップマンさんとマンツーマン(正確には三人だが)で突っ込んだ話をしていた。


 「…ただでさえ、肩身が狭いのに、新入りのシードラゴンザップマンが活躍したら、『ザップマンいらないよね♪』なんて、言われてしまいそう…。」

 誠也さんが絶望的な表情で視線を宙にさまよわせていた…。

 ……今までのマスメディアでのザップマンさんの扱いはあまり芳しいものではなかっただけに、それは十分に予想できる…というより、『まず間違いない』と私にの直観が囁く。

 ……しかーし!その予測を伝えたら、下手をすると再起不能にすらなりそうだ。

 そこで、私は意を決して、立ち上がった。


 「なるほど、誠也さんがザップマンになったのは、純粋な正義の心のためではなく、『名声が欲しかった』わけなのですね…。」

 さも、残念そうに私は口を開く。

 ((ええーーー!!そんなことは!!!……なるほど、わかりました…。))

 最初は抗議の声を上げかけたザップマンセブンさんが『私の意図』に気付き、様子を見ることにしてくれる。


 「そんなことはない!!従兄の兄さんがどんな苦難があっても、それを乗り越えてヒーローとして活躍しているのに憧れて『外宇宙防衛隊』に入ったんだ!ちやほやされるかどうかなんて関係ない!!」

 「では、どうして、地球防衛軍の仲間たちが誠也さんを仲間として大切に扱っているのにそれを信頼せずに、『マスメディアや事情を知らない人の不当な評価』に右往左往しているわけ?『最愛の人』を含めた、大切な仲間のことをもっと信頼したらどうなの?!」

 「!!!!!!!!!」

 誠也さんが愕然とした表情で崩れ落ちた。

 「ザップマンセブンさんも『尊敬する先輩』に会えるのをすごく楽しみにしていたのに、その憧れや希望を打ち砕くわけ?!」


 「……すまなかった!俺が間違っていた!!『正義の心』でがんばるよ!!」

 誠也さんは目に炎を灯しながら立ち上がって叫んだ。



 「さて、防衛軍のみんな、特に『恋人の美夜さん』に今からのフォローをお願いしとかないとね。」

 再び、みんなのところに戻りつつ、ザップマンセブンさんに囁いた。

 ((え?ザップマン先輩、すごくやる気になってましたけど…。))

 「あの人、すごくいい人だけど、かなり『自信欠乏症で、へたれ』だからね。マスメディアが『ザップマンダメだね』なんて言い出したりしたら、あっという間にさっきの状態に逆戻りだわ。基本男性は『褒めて褒めて、褒め倒す』くらいにしておけという話を母やいろんな人から聞いてるわ。」

 ((…そ、そうなんですね…。))



 そして、その日から一週間の間、なぜか、宇宙からの怪獣、それも凶悪な怪獣が今まで以上のペースで飛来してきて、シードラゴンザップマンは文字通り飛び回った。


 テレビでは連日のように映像が流され、私の土日は怪獣退治と後始末に費やされた。

せっかくの休日と『わくわくランドのデート』を返せ!!



~~☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆~~


 眠い、ものすごく眠い…。

 前夜一〇体の怪獣を『粉砕』した翌朝、みんなより少し遅れて登校している私を猛烈な眠気が襲ってきた。

 あと、五分ほどで校門に着く通学路で歩きながら寝落ちしそうになったのだ。

 ((…瀬利亜さん、大丈夫ですか?…))

 「いえいえ、あなたの方こそ、なんだか元気がないわよ。無理して登校せずに休んでもよかったかもしれないわね。」

 ((いえ、学生さんにとって大切な時間を僕らの都合で潰すわけには…))

 「まあ、登校してどうにもダメなら早退させてもらえば…。」


 ………あ、やばい、意識が……。



 ほどなく、私は意識を取り戻した。でも、すごく眠たい。

 キンコーーンカーーンコーーン!!

 むむ、学校の予鈴が鳴っている。

 これは走れば間にあうな!!

 あれ、なんだかいろいろ違和感を感じる気が…。

 まあいい!とりあえず、クラスに着いてから考えよう!!



 いろいろ違和感を感じながらも、ほとんど誰もいない廊下を走って私は教室の前にたどり着いた。

 あまりの眠さのせいで、今にも意識が飛びそうだが、とりあえず、ここまで来た。

 すぐにでも光ちゃんに休む許可をもらった方がいいかもしれない…。

 などとと思いつつ、教室の扉を開けた。

 「おはよう♪」

 あれ、私の声、こんな低かったっけ?

 ……いやいや、みんな、私の方を見て思い切り驚いているんですが?!

 ちーちゃんやバネちゃん、遥ちゃんまで固まっているというのは一体何事だろうか?!


 周り中から熱い視線を浴びながら自分の席に近づいて行くと、ちーちゃんがおずおずと近づいてきた。

 「……あの、あのあの、もしかしなくても瀬利亜さんですよね??」


 はいい?!ちーちゃん、何を言っているの???

 「え、そうだけど…。」

 私の答えに教室中が大きくどよめくと、遥ちゃんがなぜか、手鏡を取り出して私に近づいてきた。

 「瀬利亜ちゃん、今の自分がどうなっているかわかっていないのよね?」

 そうして、差し出された鏡を覗きこむと…。


 銀色の髪をした、美青年が鏡に映っていた。うん、この顔は見たことがあるぞ。

 アルさんに水晶球で映してもらった大正時代風の『私が男性だった時の前世の姿』だ。

 今回はちゃんと風流院高校の男性の制服を着ているぞ…待てや、おい!!!


 「…瀬利亜さん、兄弟がいたら、こんな風だったと思えそうな、ものすごいハンサムな男性になってます…。」

 ちーちゃんがポツリとつぶやいた。


 「ちょっとしたトラブルがあったようだけど、大丈夫!ちゃんと、元に戻る目処はついているから♪」

 無理やり自分に言い聞かせるのと合わせて、みんなを安心させるためににっこり笑ってちーちゃんに言葉を返す。

 「は、はい…。」

 ちーちゃんが顔を真っ赤に染めて席に着いた。


 「遥ちゃん、鏡を貸してくれてありがとう♪」

 「……ど、どういたしまして……。」

 遥ちゃんも顔を真っ赤に染めてゆっくりとした動作で席に戻る。

 ……なんだか、すごくヤバイことが進行している感じがするが、とりあえず席に着く。


 隣のキヨマーとその後ろのバネちゃんは呆然とした目で私を見ているし、キヨマーの隣の橋本君は机に突っ伏している。

 うーむ、空気が重いのはやむを得ないが、とりあえず、間もなく光ちゃんとアルさんが来てくれる。詳細はアルさんと相談するしかあるまい。

 


 教室中がざわざわする中、間もなく光ちゃんとアルさんが扉を開けて入ってきた。


 「おやおや、今日はなんだか騒がしい……はーーーー???!!!!」

 私の方を見て、光ちゃんとアルさんが驚愕のあまり固まっている。

 うん、光ちゃんはまだしも、驚くアルさんを見たのは初めてかもしれない。


 「ななななな!!!何があったん???!!!!」

 教室に入ったら婚約者が男になってましたというのは想像を絶するほどのショックだろうな。私も光ちゃんが女になったりした日には同じくらいショックで驚くだろう。


 「気が付いたら、こうなってました。でも、ご安心を。必ず時間が解決してくれるものと思われます。とりあえず、詳しい話は昼休みにお願いします。」

 鉄のような意志を動かして、何とか涼しい顔で返答する。それとなく、二人に目配せをしたので、何とか二人とも落ち着いてくれた。


 教室中が非常にぎこちない中、ホームルームの時間はあっという間に過ぎていった。


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