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ゴメラ VS モンスターバスター  作者: はなぶさ 源ちゃん
番外編 『 悪役令嬢とモンスターバスター その2 』
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時をかける少女

 ふっふっふ、今年のクリスマスはようやく『シングルベル』とはおさらばできそうだ♪クリスマスパーティの約束を取り付けて、帰宅後、私はウキウキしながら自分の部屋に向かっていた。


 物理が理解しきれずに「灰になって燃え尽きてしまった」が、大分ましにはなったようだ。そういや、アルさんが私の部屋に『魔法のコタツ』を用意してくれているという話だったな。

 ここが洋館だから、人ん家に遊びに行った時以外はあまりコタツに入ったことがなかった私にはコタツに対して妙な憧れがあるのだ。

 明日には早生ミカンを買って、かごに入れて、卓上に飾ろう♪


 部屋に入ると、ベッドの横に洋風の布団、テーブル台が乗ったコタツが目に入った。大きすぎず小さすぎない適度なサイズだ。

 私が鼻歌を歌いながら鞄を机の上に置こうと近づくと、急に引き出しが開いて、中から女の子が顔を出した。は??!!

 金髪のくりくりした青い目をした猫耳の可愛らしい女の子で、虎縞のワンピースを着ている。見た目は一四歳くらいに見えるのだが…。

 女の子は周りをきょろきょろ見回していたが、私を見ると嬉しそうにほほ笑んだ。

 「初めまして、セリア様。私はトラミと申しますにゃ♪信じられないかもしれませんが、実は私は…。」

 「二二世紀の未来から、私を不幸な運命から助けるためにやってきてくれたわけ?」

 非常にドッキリ臭いのだが、どこまで『凝った設定』をしているのか知りたくて、ついつい口を滑らせてしまった。

 「にゃあああ!!!にゃんで知ってるにゃああ!!!もしかして、セリア様は超能力者にゃのですか?!」

 「……ええ、まあね♪」

 一瞬自分が超能力者と呼ぶべき存在なのか大いに悩んだが、よく考えると、『気を活用』して、心身を思い切り強化し、大怪獣ゴメラを素手で殴り倒したりしているのだから、一般的には超能力者として認識されているのでは?と判断したのだ。

 そうか、私は超能力者だったのか…。


 ところで、トラミちゃん、真剣に驚いているよね…。いつ、どこからドッキリが出てくるんだろう…。そもそも誰が仕掛けたのだろうか…。

 能力的にはアルさん、巧さんあたりが可能なのだが、動機、他で二人ともこんなドッキリを仕掛けるわけはないし…ドクターフランケンはまだ、謹慎中だし…。

 私がいろいろ考えていると、我に返ったトラミちゃんが私に話しかけてきた。


 「ではでは、もしかして、私がセリア様を破滅の運命から救うために来たこともご存じなんですね?!

 実はあにゃたは今のままだと、こんにゃ破滅的な運命が待ち受けていますにゃ!」

 トラミちゃんはそう言って、懐から取り出した日記のようなものを私に見せてくれた。



 ……えーと、どこからなにを突っ込んだらいいんでしょうか?それとも、もしかして、これはドッキリと言うより、『シナリオに乗ってトラミちゃんと一緒に演劇を楽しみましょう』とかいう謎の企画なのだろうか?

 『ファンタジー世界で、私が悪役令嬢になって、ちーちゃん姫をいじめたことが発覚し、婚約者の充王子様から婚約破棄される…』ある意味はまり役だよなあ。よくこんなに面白いシナリオを考え付くもんだ。

 ドヤ顔で私を見つめているトラミちゃんはとても演技をしているようには見えない。なりきり度がマックスなのだろう。これは、『熱演するトラミちゃん』に乗っかってあげないといけないのではないだろうか。


 私がトラミちゃんにさもびっくりした演技を披露しようとした時、扉が開いて、アルさんが入ってきた。

 「瀬利亜ちゃん♪コタツ気に入ってもらえた?

…あら?トラミちゃんじゃない!お久しぶり、元気そうで何よりだわ♪」

 なに?!トラミちゃんはアルさんの知り合いだったのか。ただし、この反応からするとアルさんは『シナリオ作り』にはかかわっていないようだ。とすると…。

 「あにゃたは何ものですにゃ??どうして、私をご存じにゃのですか???」

 …トラミちゃんはアルさんのことを本気で知らないようですが…。


 「ああっ!!」

 アルさんがポンッと手を打った。

 「そうか、今のトラミちゃんはまだ、『六百年前の私たちに会っていない』のね!!道理で私がわからないわけだわ♪」

 いえいえ、アルさん!今のあなたの話の方がもっとわけがわからないから!!


 「トラミちゃん、ここは二一世紀初頭の日本よ。あなたが戻りたい場所、時間はさらに六百年前の別の場所でしょ♪」

 「にゃんですって??!!」

 本当になんですって!!なんですが…。


 「……つまり、何代か前の前世で私たちがその時代・『プリズム王国』に揃っていて、その時代の私を助けないと意味がないということなのね。アルさん。」

 「うん、その時代の『セリアちゃん』はともかく、今の『瀬利亜ちゃん』とマルシアちゃんは血縁関係はないからね。ここで、トラミちゃんが何かをしても全く意味がないの。」


 「アルさん、ちょっと気になるんだけど、『歴史を変えるタイムパラドックス』とか気にしなくていいわけ?」

 「…うーん、『私たちは』大丈夫。ただ、あまり『未来から来たことを公言』すると、その時代の人達はともかく、『改変した未来』と『本来きた未来』が一致しなくなることはあり得るわね。変えたはずの未来が変わっていなかったり、あるいは、変えたかったはずの未来が変わらず、トラミちゃんが別の時間軸の未来へ戻ることになるかもしれないわ。

 なるべく『未来から来たと公言』しない方がいいとは思うわ。」

 うーむ、アルさんの発言内容がいまいちピンとこない。それはトラミちゃんも同様のようだ。だが、『未来から来た』と言いふらさない方がいいらしいとはわかる。



 「それでは、今度こそ行ってきますにゃ。瀬利亜さん、アルテアさん、いろいろありがとうございますにゃ。」

 トラミちゃんが私たちに頭を下げて、引き出しに入っていった。


 「まさか、漫画やアニメのような現実がわが身に訪れるとはびっくりだわ…。」

 私が一人ごちていると、再び、机の引き出しががばっと開いた。

 「セリアさん、助けてほしいにゃ!!今度は『バーサーカータイプ人造人間・ジャイアーン』がマルシアちゃんに因縁をつけてくるにゃ!!」


 あの、もしもし…?

 私とアルさんが微妙な表情で見ているのに気付いたトラミちゃんが叫んだ。

 「しまったにゃあ!!また来る時代を間違えたにゃ!!」


 「…あの、トラミちゃん。もしかして六〇〇年前の私に助けを求めたかったわけ?」

 「そうだにゃあ…。未来のターミネーターな悪の組織が制作した『バーサーカータイプ人造人間』がマルシアちゃんに…」

 「トラミちゃん!!」

 『悪の組織が制作した』というトラミちゃんの言葉に熱く燃え盛る正義の心が反応し、

 私はトラミちゃんの両手を取った。


 「私に任せておいて!!例え、どんな敵が相手であろうと、『決して負けたりしない』から!行きましょう、トラミちゃん!!」

 「本当かにゃ!!ありがとう!!セリアさん!!」

 私たちはがっちりと握手して机の引き出しに駆け寄った。

 「行ってらっしゃーい!夕飯までには帰ってきてね♪」


 アルさんの声援を後に、私たちは未来へ飛び立っていった!


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