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ゴメラ VS モンスターバスター  作者: はなぶさ 源ちゃん
第2部 モンスターバスター VS 最凶竜
57/140

9 大転回

 は、ここはどこだ?!

 激しい衝撃を受けた後、私は意識を取り戻した。

 いったいどれくらいの間気を失っていたのだろうか。

 そして、周りはどうなっているのだろうか?


 「瀬利亜はん、無事か?!」

 後ろからの光ちゃんの声に慌てて振り返る。

 光ちゃんと、そして、その後ろにいるちーちゃんは傷一つないようだ。

 さらに、ちーちゃんは神那岐の太刀を抜いている。

 …あれ、折れたはずの太刀が復活してる!!

 しかもどう見ても前より大幅にパワーアップしている。


 そして、足元の感触がおかしいので、見下ろすと…少し前にぼこぼこにしはずの黒竜が泡を吹いて倒れていた。とっさに『かかと落し』を食らわせたような感覚がよみがえってきた…。状況がよくわかんないんですが…。


 「光ちゃん、状況がよくわかんないんですけど、教えてもらえる?」

 私の問いに光ちゃんとちーちゃんが一瞬動きが止まった。

 「記憶が戻ったんでっか?!」

 へ?記憶が戻った…私記憶喪失だったんですか?! …そういえば、レジウスのおっさんにこっぴどくやられた記憶が戻ってきた。ちくしょう!

 …でも、いまここに光ちゃん。ちーちゃんといるということはアルさんとおそらくは巧さんが救出してくれたわけね、万歳!!


 「ええ、記憶が戻った…のでしょうね…。」

 記憶がない時の記憶がないので、でしょうねという表現になってしまうが…。

 「瀬利亜さん、よかった――!!」

 「……瀬利亜はん、よかったーー!!」

 ちーちゃんが満面の笑みを浮かべ、光ちゃんもとても喜んでくれている。

 あれ、光ちゃんが少しだけ残念そうな顔をしたような気がしたのは気のせいだろうか?


 ちーちゃんが太刀をしまうと、嬉しそうに飛びついて来てくれ、光ちゃんも安心した顔で近づいて来てくれた。

 二人がこうしてくれていると私も安心した気持ちになる。ベッドに寝ていた時には特に強く感じたもの…え、思い出しちゃったよ私!!記憶が飛んでいるときのことも!!


 『わてらは瀬利亜はんが大好きなんやから!!』が『わてが』に変わらないかな…とか

 想ったことも含めて、自分が思ったり感じたことを全部しっかりと思い出してしまいました!!どうする私!?

 …それは残念ながら?ひとまず置いておいて、今は緊急事態だった。

 速やかな行動が必要だ。

 「記憶がなくなっていた時のことも全部思い出したわ。それを踏まえて、すぐに動かないと!」

 「瀬利亜さん、それ本当!!」

 「ちゃんと覚えておいてくれはるのはなんか、うれしいなあ!」

 二人の歓声を聞くと、私まで嬉しくなる。だが、まずは石川邸に戻らねば!

 「ちょうど今会議が行われてる時間やな!瀬利亜はん、頼んまっせ!」

 光ちゃんの言葉に私は首を捻る。会議って何?

 光ちゃんの説明を聞き、私の目がきらっと光る。

 ふっふっふ、レジウスのおっさんめ!復活してパワーアップしたモンスターバスターチームの底力を思い知るがよい!!



 「遅くなりました!A級モンスターバスター石川瀬利亜到着です!」

 重苦しい感じだった(推定)会議室の雰囲気が私とちーちゃん、光ちゃんの登場で大きく変わった。あ、私が『超A級』ではなく、『A級』と言っているのはそれが『正式』だから。実は『超A級』は正式なクラスではなく、あくまでA級メンバーの中でもずば抜けて能力の高い十人を仮に別枠にして、内部メンバーからわかりやすくしているだけなのだ。だから、依頼者などの外部の人に名乗る場合はこの十人も「A級モンスターバスターの瀬利亜です。」みたいに自己紹介するわけだ。

 ちなみに『一〇星の呼称』は私が「なんかカッコいいから一〇星と呼んじゃおうよ。」と言ったらそれが通ってしまったのだ。ゆるい組織だなあ。


 「瀬利亜ちゃん、記憶が戻ったのね!体は大丈夫なの?」

 『いつもの』アルさんが半分嬉しそうに、半分心配げに駆け寄ってくる。


 「大丈夫!完全復調です!!すでに『大リーグ養成ブレスレット』も着用済みです!」

 私がきっぱりと言い切ると、後ろで光ちゃんがボソッとつぶやいた。

 「……瀬利亜はん、さすが過ぎや…」


 一瞬きょとんとしていたアルさんと、そして齊藤警部が笑い出した。

 「スーパーヒロインは最後に登場…てか?!しかもその自信満々の登場はさすが過ぎだ。で、瀬利亜さんならどう打開してくれるかな?」

 「瀬利亜ちゃん、千早ちゃんと光一君を連れてきたということは何か考えがあるようね。会議の状況を話すから、その後教えてくれるわね?」

 斎藤警部の言葉の後を継いで、アルさんが口を開いた。


 「よし、まずは『ラピュタ』を落とそう!!すべてはそれからね!」

 神那岐の太刀の復活の話をした後、会議の状況を聞くと、私は自信たっぷりに言い切った。全員の表情が固まる。これも予想通りだ。

 ちなみに「48時間以内に一定の成果を出すからそれまで各国政府は協議を進めつつも、正式に動くのは結果報告の後にしてくれ」と通達を出してくれている。

 さすがな判断だ。


 「会議の内容をちゃんと聞いていたのか?あの要塞は『地球ロボ』どころの強靭さではないのだぞ!!」

 さすがにコーザルが呆れたような口調で言う。

 私はちっちっちと指を振りながら言う。

 「大丈夫。今回は美夜さんが無傷で残っているから。あの手の要塞は『TVアニメ』とかだと、内部に乗り込んで心臓部を破壊すれば、案外もろいものだわ。

 ちなみに、『一応話し合い』をするので、それに乗ってくれればさらにOKだわ。」


 「いや、そもそも、どうやって要塞に乗り込んで、どうやって破壊するんだ!さらに言えば美夜嬢の式神は確かに非常に強力だが、レジウスの魔法攻撃には耐えられんはずだぞ!」

 「美夜さんの式神の力は私、ちーちゃん、アルさんが乗り込む手助けの時だけ使ってもらうから。 ちなみに乗り込みに際しては『勇者ロボシステムコンパクト版』で、私とちーちゃんが神那岐の太刀を使って、戦闘をし、アルさんは内部からエネルギーを補給したり、、魔法防御などを担当してもらうということで。」


 大魔女リディアことアルテアさんの魔法技術で「サポートタイプのゴーレム」に私たち3人が乗り、レジウスと直接対峙しながら交渉をする。必要なら戦いながらどさまぎに要塞の心臓部を壊してしまおうというのだ。


 「というわけで、アルさん。サポートゴーレムへの組み替えはどれくらいの時間で仕上がりそう?あと、美夜さん。突入タイプのゴーレムは何がいい?」

 「プログラムサポートに光一くんのヘルプをもらって、システムを試用するのにあなたと千早ちゃんの助けを借りたら明日には仕上がると思うわ。」

 「では、『突入第一弾』は式神『弾丸』を使いましょう。一応万一に備えて突入第二グループも選んでおきましょう。ただ、第二弾が出る場合はかなりのメンバーの未帰還を覚悟しないといけないでしょうけどね…。」

 アルさんと美夜さんがはきはきと答えてくれる。


 てなわけで、その晩はアルさんをメインに光ちゃんがサポート。私とちーちゃんがゴーレムを動かすシミュレーションを行い続けた。

 私とちーちゃんがいかにしっかり同調シンクロして、適切な判断を繰り返しつつ、相手の剣や魔法による攻撃をかわしつつ、上手に神那岐の太刀を振るえるかというシステム作りが今回の作戦のキモだ。最初は特に光ちゃんが苦労していたが、だんだん、私とちーちゃんの息がぴったり合うようになってきた。

 この調子なら『年始のかくし芸』は私とちーちゃんの二人羽織だ!(笑)


 「私とアルさんの霊力が上乗せされることで、例の『ヴォイドブレード』を喰らっても神那岐の太刀で十分受け止められそうだね。よし、これで今回の戦いに大勝利した暁には『真勇者システム』はさらに活躍するということね!!」

 「スーパーに顔ぶれが豪華なシステムやね。これで倒せんかもしれん相手はホンマにレジウスくらいなもんやね。さて、あとは微調整するだけやから、瀬利亜はんと千早はんは先にお休み。特に瀬利亜はんは回復したばっかりやから無理せんとな。」

 光ちゃんの言葉に私とちーちゃんが寝る前の入浴に動き出す。




 「あら、光一君。ずいぶんと瀬利亜ちゃんに気を回すのね♪」

 アルテアさんのセリフにわての心臓が大きく跳ね上がった。

 「いやいや、アルテアはん。病み上がりなんやから当然の配慮やん。」

 わては何とかポーカーフェイスを保ってから冷静な声で答えた。


 「…ふーーーん。あのねえ、『運命の赤い糸の人』て生涯に何人か現れるそうなのよ。どの人も『あくまで可能性』だから、本人たちの行動次第では途中で切れることもしばしばあるみたいだけど…。」

 「アルテアはん、あまり人をからかわんといて欲しいわ。この前もその話はしたやん。」

 「えーー!だって、レジウスとの戦闘前までは『運命の赤い糸』だったのよ。ところが二人の間の空気が変わったから、さっき透視したら『運命の赤いザイル』に成長してるんだもん。そりゃあ、気になるわよ♪」

 「…なんですとーーー!!」

 にこにこしながらわてを見るアルテアはんにわての心臓は止まりかけた。


 「だって、親友夫婦の大切な娘さんで、しかも本人が私の大親友なんだよ。気にならない方がおかしいでしょ♪変な相手に捕まりそうになったらその相手の『息の根を止める』必要があるじゃない。私がしなくても巧さんが実行しそうだけど…。

 もっとも瀬利亜ちゃんは人を見る眼がきちんとしているからよほどの『大失策』を瀬利亜ちゃんがしない限り、私は応援に回るけどね♪」

 かなり怖いセリフがあったけんど、アルテアはんはとりあえず優しそうな目でわ手を見てはる。

 「で、でも、教師が生徒にいうんは、立場上まずいし…。」

 「えーーー!光一君は『立場が大切』なの?『人が大切』なの?まずいようなら教師はいっぺんやめて、『ほとぼりが冷めたら』復職したらいいじゃない♪あ、もちろん教師をやりたかったらの話だけど。」

 まさか、『大魔女』がここまで手ごわいとは…。わてはあっさり白旗を上げてもうた…。



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