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ゴメラ VS モンスターバスター  作者: はなぶさ 源ちゃん
第2部 モンスターバスター VS 最凶竜
55/140

7 あなたを守りたい その2

 ハーフで外見からは年齢がわかりにくい上に精神的にもしっかりされとる瀬利亜はんはこうしてご飯を食べさせてあげとるとほぼ同年齢くらいに感じてまう。


 普段はあまりにも『元気あふれる言動』が目立って、元気のいい姉はん(兼妹)という感じで、親友兼家族…みたいな感じが強いんやけんど、こうして見ると一人の女性なのだとあらためて感じるわ。

 しかし、笑顔はむっちゃかわいいんやけんど…どこか元気がないようにも感じるんやな…。めっさ可愛いけど……。


 食事が一通り終わると、一緒に部屋にいた千早はんが何かに気づいたようにすっと立ち上がりはった。

 「私の元気が回復したようなので、そろそろ『あれ』が行けると思います。」

 なんや強い決意を固めた目つきで、千早はんが神那岐の太刀を取りだしはった。

 レジウスとの戦いで折れてもうたんやけんど…。


 千早はんが気合いを込めて太刀を鞘から抜きはると、折れて半分になった刀身が強烈な光を放ちだしたんや!!

 太陽光のようにまばゆいばかりになったか思うたら、あっという間に刀身が元に戻ってもうた!!

 「見てください!折られる前より威力がずっと増大している感じです!!これで瀬利亜さんを絶対に守ってみせます!!」

 「千早はん、すごいやんか!!わても頑張ってサポートするで!!」

 「ちーちゃん、その気持ちすごく嬉しいわ。ありがとう。」

 千早はんはてれてれになると、もじもじしながら椅子に腰かけはった。

 さあ、これでわてもすごく安心感が強まったで!もちろん、瀬利亜はんも…瀬利亜はん? 瀬利亜はんは嬉しそうやねんけんど、どこか不安そうな寂しそうな空気を出してはる…。わてらがもっと安心させてあげんとあかんな。



 深夜になり、わては気分転換に海岸を歩いた。満月ということもあって、静かな海辺を歩くのは気持ちええもんや。

 しばらく散策しとると、少し先の浜辺に髪をなびかせた女性が佇んではるんが目に入ってきた。月光を受けてキラキラ光っとる銀色の髪のその女性は…瀬利亜はんやん!月光の中に見える横顔はとてもきれいなんやが、遠くを見る視線はすごく不安そうや…。

 いやいや、見とれとる場合やあらへん!すぐに連れ戻さな!!

 「瀬利亜はん!!」

 わてが叫んで走っていくと、瀬利亜はんは驚いた顔でわてのほうを振り返りはった。




 重い、苦しい!

 息苦しさを覚えて、私はがばっと起き上った。

 気が付くとここはベッドの上だった。私が起き上がると、金髪で長身のとてもきれいな女性が私を嬉しそうに見ていた。

 「よかった、瀬利亜ちゃん。気付いたのね。」

 とても優しそうな女性に声を掛けてもらって、少し安心した私はとんでもないことに気付いた。どこかで見たことのあるような人だが、『この人は誰』?いやいやそもそも自分自身は誰なのだ??

 この女性は私のことを瀬利亜と呼んでくれているようだが…。

 私が不安から顔を青くしたのに気付いた女性がいろいろ話しかけてくれた。そして…。

 間もなく入ってきた「光一さん」と「千早さん」は私のことをひどく気にかけてくれた。

 二人とも一生懸命、命がけで守ると宣言してくれたのだ!

 ほとんどすべてのことを思いだせない私は不安で心がはちきれそうになっていたが、二人のおかげで急に楽になった。

 そして、ぼんやりと二人とも普段から私をとても暖かい目線で見てくれていたことを思いだした。そうか、記憶は戻らないけど、私の大切な人たちはすぐ近くにいてくれたわけだ。頑張って、早く元気にならないと!



 食事の時以外はほぼ眠っていた。

 頭が霧がかかったようにはっきりしない上に頭痛がひどいのだ。おまけに体中が鉛のように重く、記憶が戻らないこともあいまって、一人で起きているとひどく憂鬱だ。

 ただ、しばしば光一さんと千早ちゃんが部屋に入ってきてくれて、なにくれとなくお世話をしてくれるので、二人がいてくれる時はすごく心が安らいだ。

 特に二人がそれぞれ作ってくれた料理を食べさせてもらう時は本当に至福の時間だった。

 千早ちゃんが一生懸命食べさせてくれるのもとてもかわいらしいし、料理を褒めると光一さんがすごくテレテレされるのも見ていて微笑ましい。

 将来私の旦那様になってくれる人も時々こんな風に料理を作ってくれたりしないかな…。

 今の光一さんみたいに…。


 そんなことを考え出すと、起きている時間もだんだん苦痛でなくなってきた。非常に断片的ではあったが、光一さん、千早さんとはほとんど家族のように親しくさせてもらっていたようだ。そして、私の家族は……何年も前に行方不明になっているようだ…。

 そうか、だから、今はこの人達が私の家族なんだ。

 頭も体もまだまだ重かったが、気持ちはすごく軽くなってきた。

 眠気に誘われて、私の意識はまた沈んでいった。



 気が付くと夕方になっていたようだ。

 部屋の外に人の話し声と歩いてくる音がする。

 光一さんと千早さんだ!

 なんだかうきうきして、自然にベッドの上に起き上った。好きな人を待つのがこんなに嬉しいとは初めて分かったような気がする。


 「じゃーん!神那岐料理長による、消化にいい和食セットや!たーんと召し上がれ!」

 光一さんの言葉に私は噴き出しそうになる。

 この人は私に対しても千早さんに対しても本当に細かい気配りをしてくれる。


 いざ、光一さんが私に食べさせてくれようとした時、私は普段は二人を「光ちゃん」「ちーちゃん」と呼んでいたことを思いだした。そうだ、大好きな人との距離を縮めよう!何気に思った私はちょっと躊躇したものの、思い切って言葉に出した。二人ならきっと快諾してくれるだろうと信じて。

 「思い出したのですが、以前は光一さんと千早さんのことを光ちゃん、ちーちゃんと呼んでいたのですね。今からも光ちゃん、ちーちゃんと呼ばせてもらっていいですか?」

 二人の顔がみるみるほころんで、二人同時に叫ぶように言ってくれた。

 「「喜んで!!!」」


 二人がニコニコしながら、食事を手伝ってくれているとき、ついつい『こんな生活がいつまでも続けばいい』なんて思ってしまう。

 でも、ふと断片的なイメージが浮かび、私は動揺する。


 「瀬利亜はん、今度の人にはそろそろ婚約指輪を渡そう思うんや。どんな指輪がええかなあ。こんなこと恥ずかしゅうて、瀬利亜はん以外には相談でけへんわ。」

 本当に兄妹みたいに仲が良かったんだね。でも、どうして私はそのことを思いだして動揺するのだろう?

 おっとっと、変に沈んだ顔をしたから、光一さ…光ちゃんに心配かけたみたいだし…。

 でも、やっぱり気になるな…。


 食事が終わってもそんなことを考えていると、ちーちゃんが、すっと立ち上がった。

 「私の元気が回復したようなので、そろそろ『あれ』が行けると思います。」


 ちーちゃんは鞘に入った太刀を取り出すと、すっと引き抜いた。

 そしてちーちゃんが気合を込めていると『あの男に折られた太刀』がまばゆい光を放ったかと思うと見る見る再生していった。

 『神那岐の太刀』は折られる前よりはるかに強烈な光を放っていた。


 え?!『あの男』て誰?!『神那岐の太刀』とは一体?!

 大事なことが思い出せずに戸惑っているとちーちゃんが力強く叫んだ。


 「見てください!折られる前より威力がずっと増大している感じです!!これで瀬利亜さんを絶対に守ってみせます!!」

 「千早はん、すごいやんか!!わても頑張ってサポートするで!!」

 二人の気持ちはすごく嬉しく、すぐにお礼を言った。

 …でも、二人は一体誰から私を守ってくれようとしているのだ?!

 そもそもそんなものが襲ってきたら私の大切な光ちゃんとちーちゃんは無事でいられるのか?二人がとても私のことを思いやってくれていることがわかり、安心していた私の心は酷く不安にさいなまされた。



 その晩はなかなか寝付けなかった。

 頭痛も身体の重さもだいぶ改善されてきたものの、「思い出した記憶の断片」が酷く私を不安にさせた。

 私はあの人達を失うのがとても怖いのだ。以前、両親を失ってしまったように…。


 気が付くと、私は砂浜を歩いていた。満月なのだろう。月がとてもきれいだ。

 月を見ながら少しは落ち着いた心で自分に問いかける。

 あなたはあの人達を失いたくないのだね。『あの男』から彼らを守りたいのだね。

 そうだ!と私は答える。私は私の大切な人達を守りたい、だから◎◎になったのだ!

 無力だった私は両親を守れなかった。でも今なら?

 

 断片的な記憶を組み合わせながらそんなことを考えていると、

 不意に声を掛けられた。

 「瀬利亜はん!!」

 光ちゃんが心配そうに私に駆け寄ってくるところだった。


 「まだ、無理したらあかん!瀬利亜はんはもっと同僚で、親友で家族であるわてらを信頼して頼らなあかん!なんたって、わてらは瀬利亜はんが大好きなんやから!!」

 顔を赤くしながら一生懸命に話してくれる光ちゃんに私の心は急に軽くなり、嬉しさに心が震えた。

 「はい、わかりました。部屋に戻ります。」

 「そうそう、休むことも仕事の内や。ゆっくり心置きなくお休み♪」

 「わかりました、上司殿♪」

 私も光ちゃんに習って、軽口を叩いてみる。

 「いやいや、わては上司やのうて、鬼コーチや、復活したら特訓やからな♪」

 「了解コーチ!夕日が出たら、ちゃんと夕日に向かって走ります♪」


 軽口を飛ばし合いながら、私達たちは部屋へ戻った。

 『わてらは瀬利亜はんが大好きなんやから!!』が『わてが』に変わらないかな…とか想いながら。


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