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36 等身大とその一〇〇倍 その1

 「やってくれるじゃないか、お兄さん」

 斎藤警部はしかし、全くひるまずにメカマッスルを睨みつけた。


 「手ごわそうだが、しかし、ここは行くしかないな!」

 斎藤警部は刑事コロンボそっくりの顔のデスマスクを外し、外套を脱ぎ捨てた。、

 鋼のような肉体にフィットする青と黄色のボディスーツを着、口だけ見える銀色のマスクの男は全身から凄まじい『闘気』を溢れさせながら口を開いた。

 「奇跡の超人・ミラクルファイター!! 悪あるところに即参上!!」


 「ほお、これはいい!久々の強敵で、全力を出せそうだ!!」

 三分の一くらいをメカに覆われた顔が嬉しそうにほころぶと、メカマッスルの闘気が大きく膨れ上がった。

 「最強のマッスルをドクターフランケンのメカでさらに強化した、このメカマッスルの攻撃を受けて見よ!!」

 メカマッスルが叫ぶと同時に、その巨体が地面を滑るようにミラクルファイターに向かって殺到した。




 「そこのロボット!!よくも我々の仲間をやってくれたな!!必ず敵は取る!!」

 都庁ロボに向けて近くのビルの屋上から男の叫び声が聞こえた。そこには地球防衛軍隊長・『元御庭番忍者』風魔自来也が怒りに目を吊り上げて立っていた。


 「出でよ、大ガマ!そこのロボットを粉砕せよ!!」

 「キシャーーー!!」

 自来也の叫びに応じ、高さが一五〇メートル近いガマガエルがビルの傍に現れた。

 高さは都庁ロボの方が高いが、でっぷり太った大ガマの方がかなり質量的にはかなり大きそうだ。


 「キシャーー!!」

 大ガマはその巨体を生かして体当たりをかましたが、都庁ロボは難なく避けた。

 「では、喰らってもらおうか!ロケットキック!!」


 若干距離を取った後、都庁ロボの右足が外れ、大ガマの顔面にクリティカルヒットした。

 「グガー―!!」

 大ガマは吹き飛ばされて、手ひどいダメージを喰って、おきあがりかねている。


 「見たか!ロケットキックの威力を!足の力は腕の力の三倍!南米の格闘技カポエラの強さからこの技を編み出したのだ!!」

 「…ロボットにも手と足の力の差は適用されるんですか…?」

 嬉しげに語る黄金マントに「みっちゃん」は首を捻った。

 「…まあ、気分の問題だよ。さて、大ガマに止めを刺すか!」


 都庁ロボが右足を元に戻して、戦闘スタイルに戻ると、自来也が大ガマの上に飛び乗って叫んだ。

 「これで終わったと思うな!忍法ガマ変化!!」


 自来也の叫びに呼応し、ひっくり返っていた大ガマは飛び起きると、全身が金色の閃光に包まれた。

 光が収まった時には都庁ロボと同じくらいの高さの忍者戦士が立っていた。

 その顔はSFXで造形した「カエル型宇宙人」と言った感じだ。


 「巨大トード忍者参上!!」

 自来也と一体化したらしい、忍者戦士が身構えた。


 「あら、リアルタイプ『ケロ〇軍曹』はあんな感じになるのですね…。」

 「のんきなことを言っている場合じゃない!あれは相当な強敵だぞ!!」

 みっちゃんをたしなめると、黄金マントは身構えた。

 都庁ロボはみっちゃんが視覚、聴覚を担当し、都庁ロボが透視を含めて得た情報を黄金マントがリアルタイムで受け取り、黄金マントが「体で反応」した通りに動くように設計されていた。そのため、同サイズの相手なら負けることがないと思われたのだが…。


 「トード忍者、分身の術!!」

 トード忍者は一〇体に分かれると、一斉に抜刀して都庁ロボに切りかかってきた。




 「マッスルボンバーー!!!」

 メカマッスルの技とは言えない猛攻をミラクルファイターは何とかいなし続けてきた。

 スピードはほぼ互角、体術と呼べるもののないメカマッスルの攻撃自体はミラクルファイターにとって、いなすこと自体はそう難しくなかった。

 だが、抜群の戦闘カンを持ち、圧倒的な怪力と想像を絶する体の頑強さを併せ持つメカマッスルに投げ技を決めて地面に突っこませてもケロッとして立ち上がってくるのだった。

 それに対して、ちょっとでも避けそこなうと、桁違いの破壊力でミラクルファイターは大きなダメージを受けてしまうのだ。

 (この強化スーツを着ていなかったら、今頃は俺は行動不能になっているだろうな。それに引き換え、あいつはメカの装甲らしきもので体の一部を覆ってはいるが…)

 キャプテンゴージャスによる魔王すら一撃で倒すという『聖なるレイピア』の攻撃は装甲に覆われていない、胸板を直撃していた。

 にもかかわらず、メカマッスルには剣による攻撃、その後のミラクルファイターによる攻撃に傷一つついていなかった。

 (それと、やつの全身を巡るエネルギーと、表面を覆うメカを巡るエネルギーには『一切交流がない』…つまり無関係だ。と言うことは…)


 「ちょっと聞いてみるんだが、メカマッスルよ!お前さんの表面を覆っているメカや装甲はお前さんを本当に強くしているのか?元の肉体が頑強過ぎてほとんど関係ないように見えるんだが」

 「なんだと?!」

 ミラクルファイターの言葉にメカマッスルに少し動揺が見られた。だが、少し考えると力強く断言した。


 「残念ながら俺には理屈はよくわからん。だが、これを着用してから俺は『心持ち』強くなったような気がする。誰かが『プラシーボ効果』(※)かも?と言っていたが…よくわからんが、そんな風な効果があるのだろう。素晴らしい機械を使ってくれたドクターフランケンにはとても感謝している!」

 「…そ、そうか…」

 (このおっさん、瀬利亜嬢と同じ『思い込んだら命がけ』タイプか。厄介なことだ。)

 

 「ミラクルファイター!久しぶりに真の戦士と戦えてうれしいぞ!だが、そろそろ決着を付けよう!」

 メカマッスルは嬉しそうに笑うと再び戦闘態勢に入った。




 「黄金マント!右から二番目が本物だわ!!」

 「わかった、都庁ビーム!!」


 都庁ロボの目から青白い光線が発射され、巨大トード忍者の胴体をぶち抜いた!

だが、次の瞬間、みっちゃんと黄金マントは目を疑った。トード忍者のが忍者服はそのままに、体が巨大な丸太に差し替わっていたのだ!!

 「これは、『空蝉の術』!…こんな巨大な丸太が存在するわけないだろ!!」

 「黄金マント!後ろ!」

 みっちゃんの声に反応し、何とか振り返った都庁ロボは背後からのトード忍者の剣戟の直撃を辛くも躱した。

 だが、その一撃は都庁ロボの左腕をさっくりと切り落とした。




 ガラガラガッシャーン!!

 メカマッスルの「マッスルハリケーン」を躱しきれず、ミラクルファイターは瓦礫の中に突っこんでいった。

 「…まいったな。俺もそろそろ、限界か…。年は取りたくねえなあ。」


 ゆっくりと近づいて来ていた、メカマッスルがミラクルファイターの背後に来ていた存在に気づいて動きを止めた。


 「やれやれ、何とか間に合ったようね。ミラクルファイター、選手交代でいいかしら?」

 ミラクルファイターは後ろの銀色の女性をちらと見やると苦笑いした。

 「…なんとか動けるから、キャプテンゴージャスを拾って、俺は撤退するわ。あとは『お弟子さん』にまかせます。」


 メカマッスルはキャプテンゴージャスの元へ向かうミラクルファイターをちらと見やった後、嬉しそうにシードラゴンマスクを見つめた。

 「今日は本当についている。素晴らしい強敵二人と本気でやりあえるのだからね。」


 「スーパーモンスターズの首領、お名前を伺ってなかったわね。」

 シードラゴンマスクもどこか嬉しそうに相手を見ている。


 「スーパーモンスターズ首領・メカマッスルだ!!シードラゴンマスク、いざ尋常に勝負!!」

 「望むところだわ!!熱く燃え盛る正義の心のある限り!シードラゴンマスクは決して負けたりはしないわ!!」


 両雄は嬉しそうに互いを見合った後、動き出した。


瀬利亜「今日の用語解説のコーナーです♪」

光一「そんなコーナー、いつからできたんでっか?」

瀬利亜「もちろん、今日からです♪ちなみに不評だったり、作者の気分しだいでいつなくなるかわからないそうです。」

光一「…突っ込みどころが満載やけんど…まあ、いっときますか…」

瀬利亜「今日の用語は『プラシーボ効果』です。

※『プラセボ効果(プラシーボ効果)とは、偽薬を処方しても、薬だと信じ込む事によって何らかの改善がみられる事を言う。この改善は自覚症状に留まらず、客観的に測定可能な状態の改善として現われることもある。(Wikipediaより)』

要するに『思い込んだら命がけ』ということね♪」

光一「第五話で瀬利亜はん自身が使ってはるね…。」

瀬利亜「…そんな昔のことは忘れたわ…。ちなみに小さなカエルは英語で

フロッグだけど、ガマガエルはトードなので、忍者の名前が『トード忍者』になっております。リアルタイプ『ケ〇ロ軍曹』はもう少しかわいい系だと期待してます♪」

光一「…さすが、可愛いモノ好きの瀬利亜はんや…」


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