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ゴメラ VS モンスターバスター  作者: はなぶさ 源ちゃん
激闘 スーパーモンスターズ
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23 サトリの化け物

「ドクター、計画の方はどうだ?」

「はい、着々と進んでおります。」

スーパーモンスターズ総司令部で、首領の問いにドクターフランケンはうなずいた。

「あのアルオンとかいうへっぽこ勇者は簡単に負けたとはいえ、『巨大モンスター作成技術の試験体』としては非常に役に立ってくれました。

計画通り『あれ』が動き出せば、誰にも止めることはできないでしょう。」

ドクターはにやりと笑った。



「瀬利亜くん、孔明くんと揉めたそうだね。しかも、大魔女リディアさんも絡んで」

モンスターバスター協会日本本部で、本部長の左京寺右近が渋い顔をしている。


「その事件は孔明さんが勝手に私にからんできたのです。そして、アルテアさんはその仲裁役を買って下さっただけです。」

右近が睨んでも、瀬利亜は涼しい顔で視線を受け流している。

「しかし、敵組織の怪人を正体が分かった状態で学校に転入させたままというのは…」

「私か、アルさんがいれば、何かしようとしたら『瞬殺』できます。そして、強化済みのの『護国刀神那岐』と『勇者』がコンビでかかれば、被害なく『完全制圧』可能です。現在彼女は『明確な犯罪要件をみたさない』ので、むしろ泳がせておいて情報を収集した方が得策だと、私もアルテアさんも判断しております。」

「……わかった……」

右近はしぶしぶうなずいた。

一応日本本部のトップにあたる本部長とは言え、実力で大きく上回る「超A級バスター」の見解には正面から異を唱えるのは難しい。さらに「大魔女リディア」はその政治的な立場も加えて超A級の中でも別枠扱いなため、今回の処置には同意せざるを得なかった。



「おかえりー♪どうだった?」

焼き上がったシュー生地にクリームを詰めながらアルテアがニコニコしながら瀬利亜に声を掛けた。

「うわ、それおいしそう!!……渋い顔をされたけど、何とか押し通したわ。右京さんも根はいい人なんだけど、頭がガチガチすぎるわね。孔明さんほどではないけれど、『モンスターは敵』という意識が強すぎるわ。トップがあれでは、「人と人以外の融和」もなかなか進まないのよね。その点、イギリスの支部長は『アルテアさんの言う通りです。』というお姉さんが支部長さんだから、かなりすんなりいっているわよね。」

「そうね。幸か不幸か、今回のイギリスでのモンスターバスター達の被害も圧倒的に『隠れ強硬派』のモンスターバスター達の被害が多かった…」

アルテアがそこまで言ったとき瀬利亜と顔を見合わせて二人が叫んだ。

「「あーーーっ!!」



「まさか、こんなところであんさん方と遭遇するとは思わへんかったで。」

電脳マジシャン、千早、「勇者スーツを着込んだ」バネッサとドクターフランケン、レディマント、ダンスでマント、そしてもう一人のマントが顔を合わせた。

「そっちのスーパーマンぽい奴は初めてやな」

電脳マジシャンが指さすと、マント男は名乗りを上げた。


「弾よりも早く! 力は機関車よりも強く! 高いビルディングもひとっ飛び!!

あれはなんだ?!鳥だ!飛行機だ! いや、スーパーマントだ!! マント軍団四天王の一人のスーパーマントです!モンスター軍団の正義と真実を守るため、日夜戦い続けるのです!!」


胸にSの字をきらめかせながら、立ちはだかっている「スーパーマント」を見ながら千早たちは顔を見合わせた。

「かなり、手ごわそうですよ。こっちの分が少し悪いです。」

「瀬利亜はんが来るまで、防御に徹した方がよさそうやね」

「勇者システムを防御モードにして守りをかためるぞ。」


「何を話し合っているのか知らんが、こっちにはさらに切り札があるのだ!見よ!」

ドクターフランケンの言葉にスーパーマントが嬉しそうに左肩に手をやった。


「サポーターロボ『サトリくん』だ!お前たちの心を読んで、それを適切に味方に伝えるのだ。お前たちの手の内がわかっていれば全然怖くないのだ!」

ドクターのセリフを聞いて、千早たちの顔に緊張が走った。


「では、サトリくん。あの西洋風の女剣士の思考を読むのだ。」

スーパーマントの指令を受けてサトリくんが口を開いた。


「私の胸もそんなに大きい方ではないが、そっちのちびっこよりはましだな…」

((((ロボットのやつどんな思考を読んでるんだ!!))))

千早とバネッサ以外は心の中でサトリくんにツッコミを入れた。


そして、当事者の千早とバネッサだが……。

「……バネさん……一体どういうことなんですか……」

バネッサが今まで聞いたことがないような『地獄の底から出るような恐ろしい声』が千早の口から聞こえてきた。

「まて、ちーちゃん落ち着け!!何かの間違いだ!!」

バネッサの方を振り向いた千早の顔は今まで出会ったどんな怪物よりも恐ろしく見えた。


「さーて、次はそこのコスプレ男の思考だ。

二人とももう少し胸が大きくて、色気があればええんやけどね」


その声を聞いて、千早とバネッサの動きが止まった。


「待って!わては少なくとも今はそんなことは考えてへんで!!」

「…『今は』とはどういうことなんですか……」

バネッサを見た時以上の千早の形相に電脳マジシャンは震え上がった。

(ドクターフランケン恐るべし!まさか、仲間割れを狙う作戦とは!?)


「ドクター、もしかして『隠れされた本音』を読み取るロボットなわけ?普通、戦闘時にあんなこと考えたりするわけはないわ。」

レディマントが半ば呆然としながら、ドクターに声を掛けた。

「うーん、そうみたい。今は結果オーライぽいけど、改良しないといけないな…。」



「遅くなってごめん!みんな、大丈夫?」

迫りくる千早に震えていた電脳マジシャンに天の助けの声が聞こえてきた。

「せ、瀬利亜はん!助かったで!!人の思考を読むロボットやから気をつけや!!」


「あら、私にそんな小細工が通じると思っているのかしら?」

自信満々に睨み付ける瀬利亜にスーパーマントは少したじろいだが、サトリくんはひるまなかった。

「そこのなまいきなねーちゃんの思考を読むぞ。そこのちびっこをどう思っているかを!」

一呼吸おいてサトリくんは一気にしゃべりだした。


事情が分からず瀬利亜は一瞬戸惑い、光一、バネッサは次に訪れる「惨劇」を予想して震え上がり、千早は……。

「やめてー!言わないで!!」

サトリくんの口を閉じようと、走り出そうとした。


「ちーちゃんたら、日に日にかわいくなってくるんだもん、本当にどうしようかしら♪」

サトリくん以外の全員が硬直した。

「最初に逢った時から『こんなにかわいい子がこの世にいるのか』と感動したけど、性格もあんなにかわいいとわかってからはいっつも抱きしめたいくらいだわ。…おっとっと、これは本人には内緒だわ。」

(せ…瀬利亜さん♡♡)

聞いている千早の顔がみるみる喜びにほころんでいく。

「優しくて、素直で、いつも一生懸命で、本当に素敵なのよね♪ちょっと天然で真面目すぎるのがアクセントになってさらによし!!で、女子力もすごく高いから、私が男だったら、絶対に嫁にしてるんだけどね、そこがちょっと残念だわ。」


光一とバネッサが千早を確認すると、先ほどの恐ろしい顔は完全に消え去って、『この世の喜びがここにあり』というくらい至福に満ちた表情に変わっており、二人は安どのため息をついた。

 そして…「凄まじい怒りのオーラ」を瀬利亜の方から感じ、恐る恐るそちらを見ると…。


「……これはなんの『罰ゲーム』なのかしら?…

で、これだけ相手を『挑発』しておいて、無事に済むと思っていたのかしら?」

恐ろしい視線で瀬利亜に睨みつけられて、スーパーマントとサトリくんは恐怖のあまり固まっていた。その圧倒的な戦闘用のオーラを纏った「怪物」とまともにやりあったら万が一にも勝ち目がないことを瞬時にスーパーマントは感じ取った。


「弾よりも早く…ぐぬは!!」

ひとっ飛びで逃げようとしたスーパーマントだったが、マントをつかまれて、一歩も動けなくなった。

「…ち、力は機関車よりも…なんで、そんなに力持ちなんですか?!」

「闘気でいろいろコントロールしているからね。さて、『お仕置きタイム』にはいるんだけど、なにか言い残すことはない?」

既に仲間たちの影はなく、戦慄するような笑顔で笑う瀬利亜を見て、スーパーマントは叫んだ。

「天は我を見放した!!」

スーパーマントは恐怖のあまり、口から泡を吹いて気絶した。


「せ、瀬利亜さん。」

千早が近づいて行くと、瀬利亜はにっこりと笑って振り向いた。

それはまるで母親が幼子をみるような優しい慈愛に満ちた笑顔だった。

「ちーちゃん、なあに♡」

にこにこしながら、気絶したスーパーマントをさりげなく光一に手渡すと、瀬利亜は千早に近づいていった。

「すごく、疲れたような顔をしてるわね。先に帰って、ゆっくり休みなさい。」

にっこり笑って、千早を見送ると、光一たちの方を振りかぶって瀬利亜は言った。

「みんな、サトリロボットに振り回されたようだけど、何があったわけ?」

光一とバネッサはしばし、顔を見合わせると事情を説明し始めた。



「……なるほど、誰が悪いというわけではないけど、えらいことになったわけね…。

みんなの「エゴの部分の本音」を読み取るとは恐ろしい能力だわね。」

瀬利亜は深い深いため息をついた。

「私がちーちゃんをフォローしておくから、二人はあまり気にしないでね。それと…」

瀬利亜はしばし、呼吸を整えて言った。

「ここであったことはみんなの名誉のために『みんなの心の中にとどめて』おきましょう!それと、みんなの心の中に汚い部分があっても仕方ないわ、『にんげんだもの』(BYあいだみつお)!」


『自分自身にも言い聞かせるように』瀬利亜は二人に優しい口調で言った。

「…そうだね、瀬利亜、ありがとう!!」

「…わても危うく教師失格になるとこやった!お互いがんばろう!!」


果たして、三人(というか二人)は千早と『こじれた関係』を修復できるであろうか?


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