無知とは恐ろしいものだ
今僕の腕の中で裸の美女もといメイヤが泣きながら僕に謝罪をしている。寧ろ謝るのは僕の方なのだがメイヤは一行に泣き止んでくれない。どうしてこんな事になったのかは今朝目覚めた後に遡る。
昨日宿に来てメイヤと始めての夜を過ごし目を覚ますとメイヤが僕の横で寝ていた。シーツにその体は隠されてはいるもののその姿に僕は朝から興奮を感じてしまう。昨日は無理をさせてしまったので嫌われてしまったかもしれないと思いながら僕はその興奮を鎮めようとした。するとメイヤが目を覚ました。
「おはよう、メイヤ。昨日は初めてだったのに無理をさせたね。本当にごめん。」
寝ぼけ目のメイヤに僕がそう声をかけるとメイヤは急激に覚醒して僕を確認するとベットから急いでおりて謝罪をする。
「おはようございます。ユウト様。昨晩はお役目を果たせず申し訳ありません。」
メイヤは見事に土下座している。僕は裸の美女がいきなり土下座したことに全く頭がついていかない。だがメイヤは何を勘違いしたか無言になってしまった僕の気を損ねたと思ったらしく更に謝罪を続けた。
「昨晩ユウト様が満足される前に気絶してしまいそのままユウト様の寝床を使ってしまい申し訳ありません。お許しください。」
「いや、別に」
メイヤの謝罪を聞いて謝る必要の無い事を言われて僕は何が何だか分からずぶっきらぼうにそう返してしまう。
ビクッとメイヤの肩が跳ねたと思ったらメイヤは顔を上げた。その目には涙が溜まっている。
「ユウト様!私を捨てないでください!これからがんばってユウト様に満足して頂けるようにします。私にチャンスを下さい。私をそばに置いて下さい。お願いします!!」
そう言うとメイヤは泣き出してしまった。泣きながらもごめんなさいと繰り返すメイヤに僕は理解が追いつかないままもこのまま泣かせておくことはできないとメイヤのてを取り一緒にベットに腰掛けて何故僕がメイヤを捨てると思ったのかを聞き出した。メイヤは所々詰まりながら僕に説明をする。
メイヤは奴隷になることが生まれて直ぐに決まっていたと言った。だから子供の頃から奴隷に必要な家事と一緒に王都での知識や性技の勉強をしたらしい。その時に教わった事が今回の事態を巻き起こした。
メイヤ曰く、夜は主人を満足させるまで相手すること、満足させたら主人が寝るまで添い寝をする事、主人が寝たら自分は与えられた寝床に戻ること、朝は主人より早く目覚めて主人に挨拶をする事。らしい
だから僕よりも早く寝てしまい(気絶したわけだが)、満足させるまで相手に出来ないばかりか主人の寝床で眠り続けて、挙句に主人より遅く目覚めて挨拶されてしまうと言う失態を犯したので僕がメイヤを手放すのではないかと不安になった為に泣いているらしい。
どう考えてもメイヤにひがない為泣き止んでくれとお願いしているわけである。
僕がこうなった経緯を思考してる間に少しは落ち着いたらしくメイヤは鼻をすすっているも泣き止んでいた。
「申し訳ございませんユウト様」
消えてしまいそうな声でメイヤは謝罪の言葉を口にした。僕はそんな彼女が愛おしくて抱きしめる。
「大丈夫、大丈夫だから。僕がメイヤを手放すなんてことはないよ。メイヤが僕のそばを離れたいと言っても離しなんかしない。してあげない」
そう言ってメイヤの頭を撫でしっかりと聞かせる。
「はい。一生離れません。」
メイヤは僕を離すまいとギュッと抱きついてくる。僕も彼女を離すまいと抱きしめ返す。
しばらく時間が経ち落ち着いたメイヤは拘束を時僕の腕から離れる。
「申し訳ございませんユウト様。見苦しいとこを見せてしまい慰めてまでいただいてありがとうございます。」
そう言って笑う彼女は美しく僕は絶対に離さないと心に固く誓った。
「うん、僕の方こそ色々ごめん。」
「そんな!ユウト様は何も悪くありません。悪いのは全て私です。」
「うんそれでもごめん。…これでこの話はいったんお終いにしよう。だから着替えて腹ごしらえしよう。」
「はい、ありがとうございます。」
そうして頭を下げたメイヤを見て僕は色々な事を早めにメイヤに聞くことを決めた。