表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/4

悪魔との契約

ルシエラ視点での話です。

「助けて。願いを叶えてくれるんでしょ?」


ルシエラは驚く。こんなにもちっぽけで弱々しい子供が、怯えて何も口にしなくなるならまだ分かる。たとえ同じ悪魔でも、でもルシエラの一言で萎縮し、黙ってしまう者は多い。それもそのはず、ルシエラは今まで逆らうもの、馬鹿にする者をこの手で処分してきたのだから。


ルシエラは聖麗に近寄り片手で胸ぐらを掴み、持ち上げる。聖麗が少々息苦しそうにしているがお構いなしだ。


気になったのだ。この子供の魂が。ルシエラは掛けていたサングラスを外し、聖麗を見る。赤い瞳が輝き、黒い瞳からは吸い込まれそうな感覚に聖麗は怯んだ。


「……っ!」


聖麗の魂は少々削れていたが、太陽のような眩しい強い輝きを放っていた。

その時、ルシエラは自分を初めて召喚した人間の面影を見た。


「そうか…納得がいくな」


ルシエラは呟きサングラスを掛け直した後、聖麗を下ろして見つめる。

解放された聖麗は咳き込み、呼吸を整えながらルシエラを見返す。聖麗はルシエラの目を見て気がついた。


その瞳は嫌悪に満ちていた感情ではなかった。


「助けて欲しいのだったな。ならば契約でもするか?代償は———」


ルシエラは悪魔らしい邪悪な笑みを浮かべ、まるで地の底を這うような低い声で続ける。


「お前の魂。それだけでいい。」


ルシエラとの契約。代償は聖麗の魂。


聖麗はルシエラを見つめる。

その瞳に諦めの感情は無かった。


「この魂をルシエラにあげたら、もう痛い思いはないの?」


「契約すれば、な。あとはお前次第だ。どうする?私は別に契約をしなくても構わないが?お前は救いを、助けをこの私に求めた。返事は一つしかないと思うが。」


ルシエラは淡々と答える。別に聖麗の魂が手に入らなくてもいい。今のうちは。だが、聖麗を見る限り、契約をするだろうとルシエラは確信していた。


「……分かった。じゃあ、この魂をルシエラにあげる。そして、『友達になってほしい』。」


「……………は?」


ルシエラは困惑する。助けを求められた相手から『友達になってほしい』そう言われたのだ。予想外の願いに一瞬だけ固まる。


「……本当にその願いでいいのか?復讐などではなく?」


「うん。僕ね、夢に見るほど友達がほしかったんだ。だから、復讐はいらない。」


キラキラと目を輝かせる聖麗の視線に思わずルシエラは目を逸らす。何考えてるんだ。ここまで読めない行動は、逆にルシエラをゾッとさせた。


だが同時にルシエラに疑問が残る。『友達』とはなんだ?と実はルシエラは悪魔の中ではかなりの異端だった。


本来、悪魔というのは人間の姿をしていない。人型はいても、人間とはかけ離れた悍ましい見た目が普通だ。なんなら、そもそも人の形すらしていない者だっている。そんな中に1人だけ人間の姿をした悪魔がいるのだ。その人物がたとえ純血だと言っても信じる者はいない。

それ故にルシエラを混血だと嘲笑う悪魔でいっぱいだった。悪魔の蔓延る世界でルシエラは孤独を紛らわせるために、沢山の悪魔を虐殺の限りを尽くした。

その結果が、ルシエラに『厄災』の名を与えられたという訳だ。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ