やばぁい、もう気づかれたかもぉ
ゆったり亀さんスペースで!
先日、街に変装して出たところ、偶然中の偶然でトゥーレ・ヨミンティナと出会ってしまった私、キャサリン・ハーマイルド。
現在、私は性懲りもせずに、街にお忍び中!
だったのだが…………
(うっわー、なんでいるの…?)
「では今日も案内よろしく」
「あのぉ、他にも案内してくれる人はいますよ…?」
「いや、君がいい」
「まぁいいです。では、どこに行きたいですか…?」
「では、この前君とあった、あの文房具やさんで」
あそこですか…案内することもなさそうですけど…
「ではこちらです。」
私は、文房具屋にトゥーレを案内する
「着きましたよ」
「では、君のおすすめを教えてくれるかい?」
文房具、見てもいいの?
てっきり、案内するだけのつまらないものだと思っていたけど、案外楽しいじゃない!
「えーーとですね!これも可愛いですし、これはシンプルで実用性があり…」
私は興奮しながら文房具の説明をする。
「キャシー……?
いや、そんなはずはないか…(ボソッ)」
そう呼ばれ、体がビクリッと反応する
『キャシー』それは、私の小さい頃の呼び名だった
もしや、バレた…?
「も、申し訳ございませんでした。ですが、私は自分の仕事は終わらせているので、どうか、このことは内密に…」
もし、お父様に知られたら、1週間、監禁される…
それに、最近殿下は私がミスをすると、教育係を通して説教をされる。酷い時は体罰を受けることもあった
その事が怖くて、私は逃げるように立ち去る
…はずだった…
「秘密にするから、またここに来てくれないか…?」
その言葉に体が反応してしまう
いいの…?これからもお忍びで来ても…?
「いいのですか…?」
思ってもなかった言葉だ…もしかしてだけど、私と気づいた上でも知らないふりをしてくれている…?
「それでは、今日は解散とするか…」
「すみませんでした」
解散と言われた理由は分かっている。私が必要以上に怯えたからである
その日は解散し、私は自室にもどった。
寝る準備が整い、ベッドに入る。
(今日は殿下にお忍びのことがバレてしまった。だが、なんのお咎めもなしなんて…もしかして、私が好きだった昔の殿下に戻ってくれたの…?)
もしそうなのなら、とても嬉しい。
なぜなら、私が妃教育を進めていく度に、笑顔が減った殿下だが、昔は一緒になって、わらったり、泣いたりした。
今日のことを思い出しながら眠りにつく…
キャサリンと殿下、どうなっちゃうんだろう…