表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

王子とゆかいな仲間たち

作者: satomi

久し振りに投稿です。

↓が生徒会メンバーの詳細です。


ランスコット王立学園


生徒会 学園イケメン5学年で構成。全員、眉目秀麗・成績優秀・スポーツ万能 王家+公爵子息

会長:王太子、アンペール=ランスコット(ペール)  統括  次期国王

副会長:バリゾナ=サース(ゾナ)  脅迫 宰相子息

書記:チョージ=タナカ(チョー)  証拠隠滅(刀で証拠を斬る)  東方の国の傍系王家子息

会計:クールクレバ=ホーム(ルクレ)    裏帳簿の発見 双子弟 文系  大手商家の子息 

会計:アーククレバ=ホーム(ククレ)   裏帳簿の発見 双子兄 理系  同上



ここは麗しくも歴史あるランスコット王立学園。

 貴族ならばこの学校を卒業していることがステータスとなる。

 しかしながら、この学園は門戸を広げ、平民でも入学が可能である。……家に資産がある。若しくは成績優秀者に限るが。

 今日も(俺を含む)この学園きってのエリート集団が学園内を闊歩する。




「なーんか楽しいことないかなぁ?」

「ルクレは家でもそんなことを言ってない?」


 と話すのは生徒会で会計を務めている双子のクールクレバ=ホーム(弟・ルクレ)、アーククレバ=ホーム(兄・ククレ)の二人。


「ルクレもククレも何もない方が平和というものだろう?」

 

 そう二人を諭すのはバリゾナ=サース(ゾナ)副会長。

書記のチョージ=タナカ(チョー)は無言だ。寡黙な性格なので。

そんな彼らをまとめる生徒会会長はこのランスコット王国の王太子でもあるアンペール=ランスコット(ペール)。


「そうだ。ゾナの言う通りだ。何もないのが平和ってものだろう?……とはいえ、生徒会にはドーンと仕事の山があるわけだがなぁ。……ハァ」

「斬りますか?」

「チョー。不穏なことを言わないでくれ。これは一応仕事として処理しないといけないものだから!チョーに斬って欲しい時は頼むから~~」


 チョーは東方に伝わるカタナという剣でものを切り刻むのが得意だ。生徒会の皆は彼にシュレッダーのような仕事をしてもらっている。生徒会から出るゴミは一応切り刻まないと情報がいっぱいだからな。

 チョーのカタナは妖刀・()()()。我々はアワレちゃんと呼んでいる。可愛いネーミングとはうらはらにこのカタナは特殊でチョーの一族以外が触ると皮膚が爛れ、腐っていく。カタナを手放しても効果は途切れない。恐ろしい刀。

 チョーだけがこの学園内での帯刀を許されているが、チョーのカタナを奪って現金に変えようとする猛者(?)が過去にもいたが、皆全身が腐ってお亡くなり遊ばしている。黙祷。自業自得なのだが、危険なので、チョーのカタナについての注意書きは入学時の゛入学の手引゛に書いてある。





 ここで、生徒会役員について解説をする。


会長:王太子、アンペール=ランスコット(ペール)   次期国王

副会長:バリゾナ=サース(ゾナ)   宰相子息 侯爵子息

書記:チョージ=タナカ(チョー)   東方の国の傍系王家子息

会計:クールクレバ=ホーム(ルクレ)   大手商家の子息 

会計:アーククレバ=ホーム(ククレ)     同上


となる。こんなだから、学園の女子生徒の熱視線は常に浴びている。一部の男子生徒の恨みを買っているだろうとも思う。それは、家の仕事関係でもそうだろう。




「おかしなことを見つけたぞ」

 そう言ってきたのは、副会長のゾナだ。

「「どんな、どんな♪」」

「キラキラしたもんじゃない。ククレ、ルクレ。学園の名家だなぁ。家柄とか?あと、面がいい方だと思う。男子生徒が軒並み一人の女に釘付けになっている!!」

「「えーー!!怖いーー♪」」

「ゾナ続けてくれ」会長のペールは双子のリアクションを聞き流した。

「ああ、それがなぁ。困ったことに婚約者がすでにいる男子生徒もその女に釘付けになってるんだよ」

「それは不可解だな。家と家との契約だというのに一人の女に男が群がるか?そんなに魅力的な女なのか?」

 ペールは理解不能という表情をした。


「聞いて!聞いて!その女なら見たかもー。普通の女だよ。どこが魅力的なのかわからない」

「ルクレはそこまでで深く調べないからな」

「兄貴ぶるなよ。数秒早く生まれただけだろう?」


 二人の兄弟喧嘩が始まりそうだった。


「ククレは深く調べたんだろ?もったいぶらないで、教えろよ」

「ペール様が仰るなら」

 ペールは「皮肉か?」とちょっとククレを睨む。


「えー、最近学園を荒らしている女は元・庶民。なんでもクレイン子爵の庶子で、ごく最近養子になってこの学園に転入。容姿は普通。茶色の髪に茶色の瞳。通りすがってみたが、ちょっと変な香りがしたかなぁ?」


 容姿が普通というのは、生徒会室に入り浸っているからだろう。

俺(公ではキチンと私と言ってる)は、金髪碧眼。ゾナは銀髪緑眼。チョーは黒髪黒目。双子はククレが水色の髪、ルクレがピンクの髪。二人ともオッドアイでククレが右目だけ金。ルクレは左目だけ金。ってなってて。

身長に至っては一番背が高いのはチョーかな?低いのは双子か?低いっても175cmはあるんじゃないかなぁ?

そんなのを見慣れてるから容姿の基準がちょっと違うんだろう。



「ところで、名前は?」


 ルクレの無邪気な質問に『うぐっ』っとククレは顔を顰める。


「ロレーヌ=クレイン。ククレ情報の変な香りって言うのが怪しいな」

「「ゾナ知ってたの?」」

「まぁな」そう言って悪魔のような微笑みをたたえる。

「では、ロレーヌ嬢の変な香りについて各自調査をするように!」


「「「「ラジャー!」」」」



 変な香り……。香水?そんなのにどんな効果があるんだ?



~ゾナの場合


「あ、やだぁ。いけない。課題を忘れたかも」

 ロレーヌ嬢は言う。すると、取り巻きのような男たちが「それなら、俺のを写せよ~」などと鼻の下を伸ばして言っている。これは…俺に向けて言っていたのだろうか?俺の課題は間違いがないからな。全問正解だ。


「バリゾナ様、課題を写させてもらえませんか?」

「課題は自分ですることに意味があるわけで、他人の答えを写しても意味がありませんよ。では、失礼します」


 やっぱりターゲットは俺だったのか……。しかし、変な香り。したか?最近風邪気味だからなぁ。鼻詰まってる??


***


 なんなの?あの男、なんで私が落とせないの?イケメンで次期宰相間違いなしの超優良物件なのに!

 香水の量がいけないのかしら?でもでもっ、香水つけ過ぎが嫌いって殿方も多いし、難しいわよね。この香水は少し香る程度で効果があるって聞いてるけど?




~チョーの場合


 俺は隠密作業が得意だ。家業がそうだからだろう。なんかロレーヌ嬢は今日はゾナに粉かけてるみたいだな。

 確かゾナは最近風邪気味と言っていたが、香りの調査は大丈夫なのか?鼻が利かないだろう?


 へぇ、あの女は男の前とそうでない時と全く違うんだな。男の前だと猫かぶってるのか?分厚い猫だな。

 ゾナにあっさり振られてやんの。まぁ、そうだろうな。突然、親しくもない女に課題を写させろって言われて「はい、どうぞ」とはいかないだろう。ロレーヌ嬢はうまくいくと思ったのか?

 なんか地団太を踏んで香水をジーっと見てるけど、意味あるのか?香水が助けてくれるのか?


 むっ、この香りは知ってるぞ。俺の故郷の方では製造禁止となっているやつだな。効果に魅了みたいな効果があるんだよな。

 屋根裏まで香ってくるとはどんだけ振りかけたんだ。臭いぞ。香水はほのかに香るのがいいんじゃないか?俺だけか?そう思うのは。


 しかしなぁ、あの香水だって量に限りがあるだろう。そんなにバシャバシャと振りかけてたら、無くなった時にあの女はどうするんだろう?取り巻きの男共はいなくなるはず。


 ターゲットに生徒会の連中が入ってるのは残念だな。全員魅了系に耐性があるんだよね。ご愁傷様。


 ゾナがダメだったから、次はククレとルクレの方だろうか?アレでも大手商家の子息達だし。でもだから香水の出所とか突き止められちゃうかもよ~。


 あとのターゲットはペールか……。国が傾くから香水で魅了とかやめて欲しい。というか効かない。魅了効果のあるものをむやみに使うのはけっこうな犯罪のはず。ククレとルクレに暴かれるんじゃないかなぁ?

 

 出所がわかるといいな。まぁ、最近養子にしたっていう子爵がアヤシイ。子爵の方を洗おう。俺だけじゃなくて、うちの人間総動員で。



~ルクレとククレの場合


「最近、転入してきたクレイン子爵令嬢って君?ロレーヌ嬢って呼んでいいかな?」


(きたきたぁ!ルクレ様とククレ様。二人とも大手商家のご子息よね?私を取りあってイケメン兄弟で戦うの?イヤーんロレーヌ困っちゃう!)


「あれ?ロレーヌ嬢、なんか特殊な香水つけてない?」

(なんでわかるの?っていうか香水の効果で私に話しかけてきたんじゃないの?)

「ええ、まぁ。お父様が亡きお母様のお気に入りだったって」

(嘘だけど)

「「えー!そんな大事なの、最近養子にした子に渡すかなぁ?」」

「渡されたのよ!」

(しつこいわねぇ)

「「見せて、見せて♪」」

(仕方ない、見せよう…)

「コレ…形見?にしては物騒なものだね。東の方の国では製造中止になってるやつだよ~」

(迂闊!ククレ様とルクレ様は大手商家のご子息だから、各種の目が肥えてらっしゃる。そんな方はみてわかるんだ……)

「えー、中身は普通の香水じゃないんですか?香水の瓶が似てるんじゃないですか?」

「さっきからロレーヌ嬢から漂ってくる香りがこの香水の香りなんだよね」

(だったらなんで魅了されないのよ!)

「「俺らは魅了関係に耐性ついてるから無駄だよ♪」」

「……知らなかったわ。私はどうしたらいいのかしら?」

((知ってただろう!!))

「この香水、俺らに貸してよ!うちに持って帰って詳しく調べるからさぁ」

(そんなことしたら、今まで苦労して魅了した殿方が元に戻っちゃうじゃない!)

「…お父様が、この香水が好きなのよ。明日もこの香水をつけてお父様を喜ばせたいわ…」

「任せて!この香水とそっくりな香りの香水を作るから。それと交換でどう?それならロレーヌ嬢の父君も悲しまないよね?」

「っそうね」

(大手商家強し!敵に回したくないわ。もう回っちゃったのかしら?)

「そうと決まれば、明日にでもこの香水とそっくりな香りがする香水を作ってくるよ~」

「はい……」



*****


「よし、俺は出来たぞ!それぞれ報告を!……俺はお前らが調べている間、黙々と生徒会室の書類を片付けていた。ゾナ、後でミスがないかチェックをしてくれ」


「報告は、まずはゾナから」

「公言してなかったが、俺、風邪気味だから香水の調査に向いてるんだか?ロレーヌ嬢だが、何か知らんが、突然『課題を写させてくれ』と俺に言いだした。初対面でそれはないだろ?そういうことで、断った」


 ロレーヌ嬢も香水の効果を実感したかっただろうに不憫……。


「「風邪気味って予め言ってよ~」」

「ああ、悪かった。特に鼻詰まってるんだよな。香水の調査に絶対向いてない」


「続いてチョーはどうだった?」

「あぁ、ロレーヌ嬢だけど、男の前だと分厚い猫被ってる。あと、魅了にはやっぱりあの香水が関わってるな。あれは東の方の国で製造中止になったやつだな。どうしてロレーヌ嬢が持ってるのか?俺はクレイン子爵がアヤシイと睨んでる。うちの人間総動員で子爵の方を洗おうと思う。そっちがアヤシイ」

 

 野生の勘か?


「ルクレとククレは?」

「匂いで東の方の国で製造中止になったやつってわかった。でもロレーヌ嬢が『瓶と中身が違う』って言いはって。明日、今付けてる香水とそっくりな香りの香水を持ってくるから、それと今持ってる香水を交換って話をした。なんか『お父様がこの香水の香りが好きなのよ』って粘るからさぁ」

「それって、明日香水忘れてくる可能性大だな」

「俺も思う」


 そもそも香水の瓶など持ち歩かないだろう? 支度の段階で使って自室に置いておくものじゃないのかなぁ?


「「酷いや、頑張って調べたのに!」」

 酷いのは明日忘れてきたら、忘れてきたロレーヌ嬢だろう?

「いや、ルクレとククレの手法であの香水が瓶ごと手に入れば大手柄!」


ルクレとククレはハイタッチして喜んだ。



―――翌日

 ルクレとククレは調合した香水をロレーヌ嬢に渡した。

「「はい、これ。調合結構難しかったなぁ」」

((簡単だったんだけどいいのかな?))

「あ、手が……」

 ロレーヌ嬢は持って来ていた香水の瓶とルクレとククレ作の香水の瓶を落としてしまった。

((ワザとだろ?))

「大丈夫だよ~☆」

「そうそう☆」

「「僕らが作った香水の瓶はそんな簡単に割れない強化ガラス製だから☆」」

「まぁ、ありがとう。辺りが香水臭くなっちゃったわね、おほほ」

((このお嬢様…偽の香水を割ったな?臭いでわかる))

「ところで、父君が好んでいるという香水はどこ?」

「そうそう、これはその香水とは別の香水でしょ?」

(スルドイわね。しつこい男は嫌われるわよ!)

「申し訳ありません。今日は家に置いてきてしまったみたいで…」

 嘘くさい。さっき落としたのは何だったんだ?ダミーで誤魔化せると思ったんじゃないのか?

「そっかぁ、それなら仕方ないね☆」

「製造中止かもって香水だし、放課後におうちに直接取りに伺うよ。生徒会の皆で☆」

((高位爵位の子息がいっぱい。断れないよね?子爵家))


 そんなやり取りを廊下の屋根裏からみているチョーは…

はぁ、放課後にあの猫かぶり令嬢の家に行くのか…。香水を落とすとかワザとらしい。ルクレとククレが予め対策してると思うのが普通じゃないのか?おっと、生徒会内部の普通は外部じゃ通じないのか…


「チョージ様」

「なんだ?クレイン子爵家の方の調べはつきました。真っ黒です。製造中止の香水を輸入するだけでも重罪ですが、その他にも脱税・裏賭博主催・人身売買など真っ黒」

「はぁ…。で、証拠はきちんと掴んでいるんだろうな?」

「もちろんでございます。今すぐ陛下に奏上しても問題がないほど証拠はがっちりとつかんでおります」

「この件については、まだペールが何というかわかんないからなぁ」

「御意」

 田中家の裏の人間とのやり取りは終わった。周りに二人の会話は伝わっていない。この会話は全て目配せ、及び瞬きのみで行われたもの。廊下にいるルクレとククレはもちろん、ロレーヌ嬢にも全く気付かれていない。

 というより、まさか学校の廊下の屋根裏に人がいるとは思わない。



―――放課後

「「そういうわけで、皆でクレイン子爵家に行きましょう」」

 どういうわけなんだか、さきほどチョーから報告を聞いた。クレイン子爵家は真っ黒。という事は、おそらく警備が厳重だろう。


「ペールどうする?」

「そりゃあ事前に令嬢に伝えてるんだし、お邪魔しますか?」

「「わーい!そうしよう☆」」

「……そうしますか」

 こうして、俺達生徒会の面々は正面突破でクレイン子爵家を訪れた。こっちは一応、『次期国王』に『次期宰相』に『隣国の王子』に『大商会の子息×2』だから丁重にもてなされると俺は思っていた。が、いきなり子爵家の地下牢に案内された。邸に入っていきなりボディーチェックだもんなー。「アワレちゃんは触れると腐って死ぬから触らない方がいいよ」と言ったのに、この邸の何人か触った猛者がいる。……田中家の人(影)がアワレちゃんを取り返して(ゴム手袋はいてた)チョーに渡してた。


「「全身の肌を隠すんだね☆」」

「妖刀・()()()の力を知ってますから」

「「あぁ~~」」

「田中家だと拷問に使ったりしてるなぁ。正しい用途じゃないんだが……」

「っ、そんなのはチョー!生徒会室の不必要な書類を斬るのにアワレちゃんを使うよりは本来の刀としての用途に近いんじゃないか?」

「それはそうなんですが……。そういえば、俺達は何をしにココに来たんでしたっけ?」

 俺達は子爵家所有の地下牢への道すがら話をしていた。


「確か、香水を取り換えに…って話だったような?別にガサ入れしようとしてるわけじゃないのに」

 俺はちょっと悲しげな顔をした。


「おい、兄ちゃん達新入りかい?若いのになんでまた?いやいや、若気の至りって事もあるね。いやぁ、こりゃまた参った」

「私はバリゾナ=サースと申します」

「ありゃあ、こりゃ貴族様だったのかい?こいつはまた参った」

 俺達はこれまでの経緯を大柄・熊男(名前はバースらしい)に伝えた。


「へえ、香水ねぇ。そんな消え物で。俺は子爵様の馬車の通行を邪魔したとかでココにいるわけだが、俺の村の方は魅了系のアクセサリーが流行ってたなぁ……」

「素人がホイホイ見て魅了系だってわかるものなのか?」

「バリゾナ様、この人は?」

「アンペール=ランスコット殿下です」

「ひょー、あの子爵!殿下を地下牢に入れるなんて不敬に国家反逆罪まで加わるんじゃないか?」

 俺はとりあえず自己紹介をしておいた。

「魅了系は見てわかるのか?」

「わかった時には時すでに遅しですね。すでに魅了にかかってるんですよ」


うーむ。平民は恋愛結婚が多いと聞いていたが、魅了によるものが多いとなると、効果が無くなった途端に離縁ってカップルが多そうだな?貴族だけにとどまらず。

「殿下達は大丈夫なんですかえ?」

「あ、俺達は魅了系がかからないようになってるんだ」


 魅了系のアクセサリーだけを狙いすましてアワレちゃんで斬ってもらうってのは難しいな。俺達だと判別できないからな。貴重な宝石まで斬りそうだ。


 田中家の影の人間が現れた。影中の影?

 親切にも地下牢のカギを開けてくれた(閉まって見える)。

「この地下牢にいる人もたいした事した人じゃないんだよ。たいした事って罪ね。特に罪おかしてないんじゃないかなぁ?窃盗以下?ってくらいだもん。だから、鍵開けてあげて。国がそれでも捕らえるなら、俺も協力するから」

 チョーはそう言って、田中家の方に他の地下牢のカギの開けてもらった(閉まって見える)。

 

 「いーかー!調子に乗って外に出たら、俺達が自由に動き回れると思って俺らに拷問とかくるだろう。よって、『外に出る』などとは思わないよう。あくまでも地下の中で動き回れるってだけだ。いいな!」

「イエス、サー!」と元かな?囚人達は俺達に忠誠を誓ってくれた。……子爵家と王家なら王家の方が…ってなるよねぇ。

 

 さて、俺達はどうするべきか……。

 まぁ、俺は本日帰宅していない(ココに来ることは伝えている)から、軍を率いてここに来てもおかしくないな。普段でも俺には王家の影がついてるし。


 問題は……香水は汚水と一緒に流せばいいとして、アクセサリーに混ざってる魅了系のアクセサリーだよなぁ。輸入元は絶たないといけないな。そして、顧客名簿とかから虱潰しに減らしていくしかないか……。


「ゾナ、大変面倒だけど輸入元の顧客名簿から虱潰しに減らしていかないと潰れないんじゃないか?しかも捜査中の人間は要・魅了対策だ!」

「そうだな…」

「っそうだなってお前……」

「他国の事ゆえ、差し出がましいかと思いましたが証拠の品々及び、顧客名簿は既に国王陛下の手元にあります。さらに、この邸の主でありますクレイン子爵の仕事部屋の机には顧客名簿の写しを置いておきました」

「大変ご苦労だった。ランスコット王家としても礼をする。チョー、なんか大活躍で悪いなぁ!」

 そんなチョーはアワレちゃんの手入れをしている。なんか斬りたいのか?魅了系のアクセサリー?斬れるの?アワレちゃんなら出来そうだけど。腐りはしないよね。



 そんなんでクレイン子爵家はお取り潰し。真っ黒かったもんね。国を跨いでの犯罪だったし、極めつけはアンペールを地下牢に入れたこと。これは最悪だよなぁ。俺ら生徒会のメンバーが行くって事前に言ってたのに、いきなり地下牢に入れるんだもん。

 子爵は国外追放しない、終身鉱夫として国の中で働いてもらう。子爵令嬢は国内辺境の地にある修道院に入ってもらった。魅了で心をどうにかしようとするなんて煩悩まみれ!修道院で少しは清まってくれるといい。



本当は連載にしたかったけど、そんなに事件は起きないんですよね~。アワレちゃんに活躍してほしかったなぁ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ