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6話

階段の視覚から第二、第三のファゴサイトが這い出てくるのに目をやり俺はゾッとする。


また…誰か死ぬのかもしれない。

そんな考えが脳裏をよぎった瞬間――


パァンッ!!


乾いた銃声音に全員が目をやる。マケラが先程のファゴサイトの核を撃ち抜いていた。核は弾けて体は泥のように崩れ落ち、水のような液体となって還元された。


ドサッ

マケラがその場に座り込み、アーディブが駆け寄る。


「マケラ!ダイジョブかいッ!?」


「ハハっ、怖かったネェ……

こういうの日本語でなんて言うんだっケ…

…腰が抜けちゃったヨ?」


笑っているが、肩は震えている。

その震えが誰よりも、この状況が“現実”であることを物語っていた。


「立てるか?」


俺が声をかけると、マケラは力強く頷いた。


「ダイジョブ……!でも、あと3秒遅かったら死んでタね……」


冗談でもなく本気だ。この場の誰もがそう感じた出来事だった。


「マケラ、倒した後に言うんじゃないヨ……」

アーディブの軽いツッコミに場の空気が僅かに緩む。


「談笑は後にしろ。まだ終わってない。」


シンの硬い声が飛ぶ。階段の暗闇には複数の影ゆっくりと形をなすーー


ズルッ……ズズ……ッ。


何かを引きずるような重い音が近づいてくる。


「ッ、まだ来るのかよ……」


本能が頭に訴えかける。

“ここからが始まりだ”とーー


「……大量の初級種だ。」


シンの言葉に俺たちの背筋は一斉に冷える。


逃げ場のない廃ビルに、圧倒的な殺意が満ちていく。


「うそだろ……あんな数……!」

「どうするんだよ!!」

「あんなの聞いてないって!」


このままいくと仲間割れも遠い未来じゃない。そう思えるような絶望的状況下だった。


「怯むな。全員距離を取れ!」


シンの声が飛ぶが、俺の足は動揺で震える。


ズルッ……ズズッ……!!


初級種が、まるで雪崩のように押し寄せてきた。


「う、うわっ来る来る来る来るッ!!」


「数がさっきの比じゃないネ!!」


アーディブとマケラが後ろへ跳び退き、俺も慌てて銃を構える。


だが、指が震える。

…引き金が思うように動かない。俺は焦って銃をリロードする。


「ジュンッ!正面!!」


マケラの叫びに顔を上げた瞬間。

一体の初級種が跳躍し、俺の顔めがけて迫る。


”戦場では一つの行動が命取りになる“

シンがいつかに言ったことが頭にぼんやり浮かぶ。



……ダメだ。


――間に合わない。





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