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1話 

かつて、天壌無窮てんじょうむきゅうを覆す天変地異の時代があった。世界中の空に歪みが生まれ、その歪みから生まれた未知の生命体【浸食生物ファゴサイト】が人々を襲うそんな時代。


世界各国は軍隊を派遣して対抗を試みる。

しかし、侵攻の止まる気配はなく人類絶滅まであと2割。そこで、ここ日本ではある軍隊が発足された。


対浸食生物特殊殲滅軍

【Anti Corrosion existence Exception army】


通称:A.C.E.


この組織に入るには2通りの方法がある。

1つは国の兵役制度。18歳以上65歳以下の男女にランダムに採用される。

もう1つは志願兵制度。これは、その名の通り志願した者が入隊する。


ただし、いずれもこの方法には試験がある。そこで合格点に達した者だけがA.C.E.に入隊できるのだ。


そして、俺【高橋たかはし じゅん】は18歳の誕生日にこの兵役制度によって選ばれ、なぜか試験に合格した。


「はぁ、もっと適当に試験受ければよかった」


「じゅんー?その発言は姉への嫌味として捉えるよ?」


「姉ちゃん……。そういう意味で言ってるわけじゃないよ」


高橋たかはし 花澄かすみ】昔から俺の世話を焼いてくれる3つ上の姉だ。俺がこの家族に生まれて良かったと思える唯一の存在。


姉は昔から重度の喘息持ちで少し走るだけでも咳が止まらなくなる。だから、夢であるA.C.E.入隊は断念せざるを得なかった。


「まぁ、入隊したからには姉の分まで世界救って英雄ぐらいになんなさい、よッ!!」


姉の投げた白いかけらが宙を舞い、それを掴む。


「貝殻?」


「むかし、一緒に拾ったでしょ?安全祈願のお守り!」


「恥ずかしいからいいって!新人はそんなに死なないって聞くし。前線に出なきゃ大丈夫だろ!」


「何があるか分からないから!女の勘!!」

そう言いながら、俺の手の平からそれを奪い取りズボッとリュックの底に入れられる。この姉は少々人の話を聞かないところを直した方がいい。


「女の勘は関係ないだろ。」

重い足取りで外に出る。これから18年間育ったこの家を出て俺は全寮制の監獄へと行く。この時の俺はこれから待ち受ける最悪な日々を知る由もなかった。



閲覧ありがとうございます。1週間ごとに更新しようと考えています。

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