いくら読み進めても主人公が一歩も歩み出さない話
本日は晴天なり。雲もなく澄み切った空が一面に広がっている。
つまり日本晴れということだ。今日の天気は曇りでも雨でもなければ、もちろん雪でもない。
この青空はどこまでも続いている。まさに快晴といった感じだ。
いや、それよりも晴朗、あるいは好天、それとも澄晴と言うべきなのだろうか。
ただひとつ言えるのは俺が見上げた先にあるのは、ひたすらに青一色の世界だということだ。
――俺は思い返す。あるいは思い出した。もしくは思い浮かべた。
あれは昔のことだった。つい回想にふけってしまう。
俺は想起しながらも、過ぎ去った過去を偲んで回顧と追憶の記憶を呼び起こした。
回視してみれば、いくつもの思い出があったことに思いあたった。
どれもこれも懐かしくも忘れ難い懐旧談であり、郷愁に駆られた。
そうして俺は決心した。結論を判断して決意を新たに決断することに決定した。
それは俺にとって断案であり採決であり裁断でもあった。
この誓いを胸に思い定めた俺は意志を固めた。ようやく思い立ったのだ。
行こう。この先に進もう。歩みを進めよう。一歩を踏み出すんだ。
今ならまだ目的地に到着することに間に合うのだ。
赴きながらも出向いてやろう。行きつく先に何があるのかは来着するまでは分からない。
だが、もしも行き至ったのであれば着到に至ることができるのだ。それこそが到達点だ。
そして辿りついた先が目標となるゴール地点という名の最後の終着点なのだろう。
――それが俺の出した最終回答だった。