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第39話

乃愛に女子寮日誌を受け取り、刹那を取り残して寮を出た。


「女子寮でバイトしてる事がバレたんだから、一緒に登校してもいいよねっ!」と麻邪実。


「拓真君と一緒に歩ける、いぇーい、いぇーい」と愛理。


皆、はしゃぎ過ぎである。

麻邪実と紗弥奈が両サイドに陣取っていて、愛理が後ろから自撮り棒で俺方面に向けて写真を撮っている。


「みんな、落ち着け。ここは公共の道路だ。はしゃいでいいのは寮だけで、ここでは大人しくしろ。あと、俺は一人で歩きたい」


「寂しい事言わないでよー」


何でハーレムにならなきゃいけないんだ。平凡でいたい。あと、周りからの視線が痛い。皆、美少女揃いだから注目を浴びるのだ。「キャー、何あの子」とか「わー。綺麗。お人形さんみたい」とか「小動物みたいで可愛い」とか歓声が上がっているのだ。


麻邪実、お前なあ。黒髪ツインテ美少女とか王道中の王道なんだよ。隣にいるフツメンの俺の気持ち考えろ。麻邪実はヤンデレだけど、誰もが憧れる美少女なのだ。それに紗弥奈もアニメに出てくるしっかり者って感じするし。茶髪の長い髪で明るい絶世の美女だ。両サイドと俺の差が激しすぎて泣きそう。


周りは何で真ん中がこいつ、って思ってんだろうな。


「たっくん、あたしの顔に何か付いてる? それともやっとあたしの魅力に気づいた?」


じろじろ両隣見てたら気づかれてしまった。


「ううん。麻邪実って学校行く時も変わらずツインテールなんだな」


「そうだけど。もしかしてポニーテール版も見たかった?」


「結構です」


口にした言葉は嘘だ。色々な髪型の麻邪実が見たい。


「なんでー」


もう校門の近くまで差し掛かっている。知ってる生徒もちらほら居る。


「お、綾薙。おはよう。女子寮の子?」


「はよ。そうだ」


こいつは「友達」ではない知り合いの一人だ。かなり厄介。


「ほら、皆。離れるんだ。散らばれ」


麻邪実と紗弥奈は俺の腕を抱きしめて離さない。両腕が塞がっている。


「おい」


腕を振っても離れてくれない。


「綾薙くんのお友達ですか? 私は伊織です。よろしくお願いします」


「俺は綾薙と同クラの知り合いだ。よろしくな」


挨拶すると伊織は颯爽と走り去っていった。知り合いは当然伊織のことも知っている。


そうだ。皆、伊織を見習え。


「両サイドは彼女か何かか? あ、知ってる」


麻邪実も何かに気づいたようで、目が動いた。


「違う。勝手にこいつらが纏ってるだけ」


他の知り合いが乃愛の存在に気づき、一言。


「乃愛ちゃん! 可愛いなー」


「ありがとうなのー」


可愛いと言う声に知り合いの全員が賛同する。


「知ってるのか?」


「知ってるも何も学年で可愛いランキングBest3に入る子だよ?」


「そうなのか」


こいつ、そう言えば告白されたって言ってたなー。でも嫌いって振った奴だよ?


「あ、麻邪実。よくもあの時は盛大にやってくれたなー、一生忘れないよ」


何の事だ? 俺には分からない。


「乃愛は良いけど麻邪実は気をつけた方がいいよ」


こっそりと耳打ちされた。しかも麻邪実にも聞こえる位置で。


「何なのよーあいつ。ほんと、ムカつく」


仲が悪いようだが、俺には到底関係ない。

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