第35話
最初に目についたのは霞の書く漫画だった。鉛筆とシャーペンだけで書く凝った漫画だった。鉛筆とシャーペンと消しゴムだけでこんだけ書けるとは。戦闘シーンのようだが、迫力がある。ロボットみたいなものと閻魔様みたいな魔王みたいなものと人々が闘っている。
ロボットは目からレーザーのようなものを放出してるし、人々は逃げてるし、魔王は目が光ってゴージャスな椅子にドンと構えてるし。
誰が敵で誰が味方なのかはこれだけでは判断出来ない。
だが、霞はとても絵が上手かった。アマチュアながらこの画力、吹き出しの位置の上手さ、戦闘シーンの迫力、どれも凄まじいものだった。
「お主、さっきから何見ているのじゃ」
霞に気づかれてしまった。
「いや、絵上手いなーって。迫力あるし」
「そうか。感謝する。だが、勝手に見た事は許さぬぞ。680円払え」
え、680円って漫画化されてるの?
「ごめん」
「それで、どういう話なんだ?」
「知りたいか?」
うん、と頷く。
「かつて侵略……(長文により、カット)魔王様が怒って人々を滅ぼそうと考えていた所に空から降ってきた謎のロボットが現れ、人vs魔王様vsロボットで闘ってやがて人々は滅び、最後に魔王様とロボットが闘い、どちらが勝つか、という話だ。ああ、ネタバレ言っちゃった……」
「すごいぶっ飛んでる壮大な話だな。霞らしいというか。あと、どこがネタバレなのか俺には分からん」
霞は漫画を見られたのが恥ずかしかったのか顔が赤い。
「で、誰が敵で誰が味方なの?」
「そりゃあ魔王様が大大大味方で人々が敵に決まってるでしょうーロボットは普通」
大大大味方と普通って何だ。敵か味方のどちらかなのに普通ってあるか。霞なら魔王を味方と言うと思ってたけど、読者から見たら変わるだろうな。
「漫画家目指してるのか?」
「目指してない」
「これだけ書けたら漫画家になれるよ」
「そんな夢みたいな事を簡単に言うな」
霞は不機嫌になってしまった。
「漫画部には入らないのか? 掛け持ちして」
「考えたが入らない。あくまで我は趣味範囲で活動したい。漫画家になるくらいなら魔王様と結婚したい」
芯はしっかりしてて感心はするが、最後の発言、痛いな。魔王とかいるはずないのに結婚とか。人の願望に口出ししたくないが。
「そうか。霞の趣味で書くっていうスタイル良いと思うぞ。陰ながら応援してる。結婚出来ると良いな」
なんか嘘くさいなと思ったのか、霞は「ああ」と言うだけだった。
それからしばらくして、霞はさっきと同じような熱量で漫画を書き始めた。
次に刹那を見た。
刹那もまた黙々と集中して何かを書いている。勉強しているのだろうか。
ここまで読んで頂き、ありがとうございます。
一応、約19万字100話越えのストックがあります(なろう投稿分除く)。←説明分かりにくくてすみません。
カクヨム先行公開してます!
カクヨム版では全約19万字、全104話です。ですが、カクヨム版限定ストーリーとかあるので、なろうに投稿出来るのはもう少し少ないかな、と思います。
カクヨム版も更新滞っています……。
でも、なろうでも出来る限り投稿したいと思いますので、よろしくお願いいたします。
しばらくの間、毎日更新にお付き合い下さい。私自身、毎日1話更新した方がいいのか、2話更新した方がいいのか、分からずにいます笑 そして、投稿時間が超不定期です。これからも読んで下さると嬉しいです。




