第30話 乃愛side
わたしはたくま君の頭を初日に撫でたり撫でられたりしていた。
たくま君の頭は短髪だから刺々していたけど、撫でると顔がリラックスしてた。
わたしは撫でられてすごく幸せな気持ちになって夢見心地になれたよ。
それで、今朝は「ありがとう」と言われ、ハグされた。
いきなりのハグにびっくりした。
わたしは固まっちゃって殆ど硬直していたと思う。
バレてないかな……
だけど、お礼を言われ、ハグされたのがとても嬉しかった。
人前だったから恥ずかしかったけど。
たくま君に抱きしめられると何でも許された感じがして、自分は変じゃ無いって認められたような気がして、すごく自信が持てる。
学校に着いてからもハグされた感触は消えなかった。
ご飯は皆の為に作っているけど、たくま君に作るのはなんか皆とは違うんだよね。
美味しく食べてほしい。愛情を感じてほしい。家事が出来る女として見てほしい。
ダメ、かな……。
だからわたしは、メモを忍ばせておいた。
たくま君からの「俺が作った弁当に見えるように作ってほしい」という言い伝えを忘れて。
そして結局、女子寮の存在がバレた。
それでも良かった。わたしはたくま君に喜んでもらえたらそれでいいから。
それより、ハグされた時にドキッとしたというか落ちたと思う。
心臓がバクバクしておかしくなりそうだった。
いつも、というか最初から。いや、初日の途中からたくま君の近くにいるとドキドキするの。
それが一層、ハグされてから増した。
学校にいる時も彼のことを考えてばかり。
わたし、おかしくなっちゃった!!
同学年の男の子といる時はただの人間として接してこれたのに何でたくま君はそうじゃないの?
何の魅力も無い平凡な人なのに何でだろう。年上に弱いのかな。
図書室でこっそりと恋の本を読んでみた。
気の迷い、。そうよ。ただの気の迷い。この気持ちは気の迷いと片付けて無視しよう。でも……この気持ちは無視したくても無視出来ない。
助けて、お母さん。
そういえば友達にわたしのこと、好きな子いるって聞いた。どうすればいいんだろう。
多分わたしはたくま君のことが好きなんだと感じた。
だけど、この気持ちは誰にも言わない。
彼にも直接なんて言えるはずがない。
だって、恋の意味もまだ分からないから。好きの気持ちはようやく分かったばかりだから。
それにたくま君はあの子のことが好きだと思うから。だってその子のことしか見てないもの。態度見てれば分かるから。
なんで、人一倍頑張ってるわたしのことは見てくれないの……?
わたしにだって、振り向いてほしいのに。
それはともかく、またたくま君と喧嘩しちゃった。
攻撃的な言い方するのは癖なんだよね。でも、「わたしが悪いの?」の問いには「悪くない」って答えてほしかった。
ギクシャクしちゃった。
また仲直り出来るかな。
何で喧嘩しちゃうんだろう。キツイ言い方するのやめたい。
素直な事言えるのもぶつかり合えるのも信頼してる仲だから。仲良しの証拠。
カレカノになってこうして喧嘩ばかりするのは嫌だなぁ。
カレカノになんてなるわけないけどね!
あと天然だからって恋には本気になるし、鈍感だからってナメないで。
「好き、嫌い、好き、嫌い……」
わたしはたくま君のことが嫌いぃ!?
四つ葉のクローバーで遊んでいた乃愛。
「以上、乃愛ちゃんの独り語りでしたー」
sideは各キャラの心情を書くコーナーとなります。
今後出てくるかは分かりません。
お久しぶりです。更新滞ってしまってすみません汗




