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第25話

乃愛とのやり取りを見ていたのは愛理と麻邪実と伊織と刹那だけだった。


他のメンバーはまだ起きていない。


起こすと皆、眠いながらも起き上がった。


霞は起きた瞬間、

「今日こそは隕石がこの女子寮に降ってくるぞー皆逃げろーっ」と叫んだ。


本当だ。毎日言うんだな。

というか隕石が降ってくると分かっててよく悠長に寝てられるな。


ちひろを見てみると目をこすりながらむにゃぁ、と背伸びして目を開けていた。


布団から出てくるちひろを見ていたら驚いた。


なんと、あのちひろがパジャマを着ていたのだ。あのちひろがだよ!!


寝る時にパジャマを着ているのは当たり前じゃない。いや、当たり前だ。いやいや、人による。


「パジャマ着ているなんて偉いな。俺、見直したよ」


「おはよぅ」


ちひろはキッチンに行こうとする。多分、流し台で顔を洗いたいのだろう。


「紗弥奈もおはよう」


「おはよう」


「ちひろ、ちょっと待て」


え? という表情でちひろは俺を眺める。本当に無垢な子供みたいだ。


「下着は付けてるか?」


「うん」


「ノーブラ、ノーパンじゃないよな」


「うん」


敢えて触りはしない。触ったらセクハラだからだ。この質問もセクハラだが。俺はちひろを信じる事にした。


「偉いぞー」


そう言い、頭を撫で撫でした。


くしゃくしゃにして、艶のあるストレートな黒髪を優しく撫でた。まるで丸い物を丁寧に磨くように。ちひろの毛並みは良かった。


ちひろは撫でられてにっこりと嬉しそうに笑った。喜んでいる。喜んで少し飛びはねている。


幼稚園児に見えなくもない。可愛いと思ってしまうのは、ロリコンだからなのだろうか……いやいや、俺はロリコンじゃない。


「ありがとー気持ち良かった。うち、もっと頑張るっ!」


服を着るのは頑張る事なのだろうか。


「今日のたくまは突発的だね。スキンシップが激しいというか」紗弥奈が横から口をはさむ。


確かに今日はスキンシップをする事が多い。何でだろ。


「あたしの頭も撫でてー背中も撫でてー胸も揉んでー」


麻邪実は膝枕ですりすりといよってきた。最後のは余計だろ。


しょうがなく頭を撫でてやる。


「偉いなー偉いぞー。よしよし」


麻邪実は猫のようなリラックスした顔になり、甘えてきた。


「気持ちい。もっと! もっと。ありがとうにゃ」


もっと頭を撫でた。


「こんなにされると頭狂っちゃう……夢見心地」


「もういいか?」


「えーもっともっとぉ」


でも行かなきゃいけない。朝飯を食べなければならない。ゆっくりしている暇はないのだ。


「帰ってからな」


「わーい」


ちひろはパジャマで寝た事がご満悦なようだ。


「パジャマで寝るのもいいね。裸だとくすぐったい」


そりゃまあそうだろ。


「裸の方が解放感あるけどね」


まあ分からなくもない。


「今日からはどっちで寝るの?」と伊織が聞く。


「2日に一回パジャマで寝ようと思うから、今日は裸。明日はパジャマ」


「そうなんだ」


パジャマで毎日寝てくれるわけじゃないんかい!


今日からはちひろも登校できる。紗弥奈も昨日は徹夜じゃないから登校するらしい。


朝ご飯を食べ終え、学校に行く為の支度をする。全員制服に着替えた。何だか全員制服だと統一感があって素晴らしい。同じ学校に通っているんだ、という安心感がある。心地良い。


「久しぶりの学校だー!」


「あたしは2日ぶり」


「ちひろはいつぶりなんだ?」


「入学式ぶり。入学式で注意された。先生にはノーブラノーパンはバレなかったけど友達にバレてとがめられた」


ああ。そうか。バレなきゃいいってもんじゃないからな。よくバレなかったな。友達に言われてチクられたんだ、なるほど。


女子寮日誌に刹那以外はチェックマーク付け、乃愛にそれを渡された。


刹那に「行ってきます」と俺含め8人が言い、刹那は「いってらっしゃい」と笑顔で手を振って見送ってくれた。


俺らも手を振り返した。


一緒に登校といっても隣で歩を合わせて登校できるわけじゃない。女子寮のバイトをしている事を知られてはいけないのだ。俺達の関係もバレてはいけない。


だから俺は早足で先頭を歩いた。


そしたら麻邪実に

「そろそろ、あたしらの関係、公表してもいいんじゃない?」と言われた。


それがダメなんだ、とは言えなかった。


だから、「考える」とだけ答えた。


霞は1人で伊織と紗弥奈と愛理が3人で乃愛とちひろが2人で歩いている。そして麻邪実は走って俺に追い付き、話しかけてきたのだ。












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