第23話
これより丸机を正面に向かい合わせにして刹那との話し合いが行われた。
「刹那が面倒くさがり屋だという事は知っていたが、シャワー浴びて髪とか体とか洗わないと汚くなるだろ」
「それもそうだけど私ロボットだから平気なのよ」
出たよ、唐突の電波発言。
「昨日は入ってたよな?」
確か入って出てくるのを普通に見た。
「洗ってくれる人が居たから。優しい紗弥奈さん」
「でも今日はちひろさんだから洗ってくれなさそう」
ちひろ、もうシャワー室に行っちゃったよ。
「誰も洗ってくれないから」
「人のせいにするな」
高校生になんだから自分で洗ってほしい。例え、面倒くさくても。
「はぁ~ハイリタクナイ、ハイリタクナイ……ハイリ……」
もう駄々っ子だ。機械が壊れたようになっている。本当にロボットなのか?。
「お風呂に浸かると体あったまるし、気持ち良いぞ」
ポンと背中を押す。
「シャワー行ってくる」
一体、この時間は何だったのか。無駄な時間だったに違いない。
「お疲れSUMMER」
丁度このタイミングでちひろが帰ってきた。しかもバスタオル姿で。
「ちひろ、バスタオル姿ってどういう事なんだ」
「体にタオルを巻き付けた状態」
そういう事じゃなくて!!
「パジャマ、無い」
「そんな時の為に買ってきたよ、パジャマも、ほら」
そう言って紗弥奈は黄色い花柄と蝶々の模様がついたパジャマを掲げた。
流石紗弥奈。やってくれる。
これだけ徹底してると信頼出来るし、心強い。
「ここで着替えればいいの?」
そうじゃねーだろー
「たくま君、向こう行って」
無理やり追い出された。
戸をノックしてOKの合図が出たら中へ入った。
そこには、ぽやーんとして幼さも垣間見れる可愛らしいちひろの姿があった。
「どうどう?」
見て、と言わんばかりにアピールしてくる。
「可愛いし、似合ってるよ。ちょっと幼く見えるかも」
ちひろは身長が低い事もあり、中学生や小学生に見える事がある。幼いという言葉に傷つけないか心配だったが、どうやら本人は嬉しそうな笑みを浮かべている。
「ほんと? 嬉しい」
ちひろはピースサインをしていた。ここで写真が撮れないかと思ったが、生憎カメラを持っていなかった。何だか我が子みたいで愛らしく思えた。服を着ているちひろが新鮮だった。
15分が経った時、刹那がシャワーから出てきた。
「まあ案外一人で洗うシャワーも悪くなかったわ。お風呂も温かくてぽかぽかした」
シャワーは一人で洗うもんだがな。
「だろ?」
納得した様子で刹那は机のある所へ移動した。
7番目の子が入り終わったのを見届けた後、俺は銭湯に行った。何故乃愛を見届けなかったかというと、乃愛なら心配無いと思い、任せたからだ。
銭湯から帰ってくると皆TVを見たり、布団に潜りこんだりしていた。
唯一、乃愛だけがシャワー室の掃除をしていた。
手伝おうか? と問いかけたが必要ないらしい。
みんな寝に入り、「おやすみなさい」と口を揃え、眠りに就いた。
これで寮生活2日目が終わった。




