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第22話

風呂のセットが終わった。問題は誰から入るかだ。


女子だから3人とかに分けて一緒に入るかと思ったが。

どうやらそうじゃないらしい。


入浴は19:40からと書いてあるが、今は19:32分だ。これから準備でもするのだろう。


「じゃあいつも通りじゃんけんしようー」


「のあちゃんさいご」と乃愛が自分から言った。


自分のことをちゃん付け!? 


その後、紗弥奈が「おっけー」と言った。


「何で乃愛はじゃんけんしなくてOKなんだ?」


「たくまにはかんけーないでしょ」


当たり強くね?


「わたしはお風呂の掃除を最後にやらなくてはいけないので。リーダーたるもの修行ですっ」


そうか。リーダー大変だな。偉いぞ、乃愛。いや、ちょっと待て、俺も最後に入るよ。


「俺も入るよ、最後に」


「はああぁぁあっ!!」

「キャーー」


あの日を思い出す。昨日のデジャブ……


皆一斉に手にした枕を投げてきた。

俺、マズイ事言ったか? 女子寮のシャワーを使ったらいけないとかあるのか?


「綾薙君は銭湯にでも行けばいいでしょ!」


「何でうちらのシャワー使うの? 変態!」


「キモ、マジキモ」


よこしまな気持ちを持ったお主には天罰を与えよう」


全員からの罵詈雑言の嵐が止まらなかった。


銭湯行けば? って酷くないか。そんな仲間外れ。やっぱり俺が変態なのか。


「昨日はどこのシャワー使ったの?」と伊織が聞く。


「それ聞くのヤバいって」


「勿論女子寮のだけど」


「キャーー」


また始まった。


「教えてあげればよかったわ」


「あのさ、女子寮のシャワーはメンバー専用なの。女性の管理人さんですら使わない。たくま君は銭湯か男子寮のシャワーを使うしかないの。分かる?」


目が本気だ。乃愛もこんだけ怒る事あるんだ。女って怖い。


「分かった。男子寮なんてあるんだ。どこ行けばいいんだ?」


「連絡通路の奥の建物」


「あのちっちゃい建物、男子寮だったんだ」


「でも男子寮ヤンキーいるから行かない方がいいよ」


ヤンキーいんの? そりゃあ怖い。さっきの乃愛も怖かったけど。


結局、銭湯に行く羽目になった。毎日銭湯に金払って行くのか……。つらいな。女性の管理人さんもそうやってるのか、今度聞いてみよう。

銭湯行っても帰り道外の空気に包まれるから汚れるじゃんと思った。けど気にしない。


この大部屋のどこに服が仕舞われてるんだろう、と思って眺めていた。


すると麻邪実と愛理が戸を開けた。ここにこんな扉あったんだ、と初めて知った。


中は倉庫になっており、箱が8個入っていた。その中に衣類が入っているのだろう。


「ちょっと! 綾薙くん変態、サイテー」


「たっくんのえっち! 見ないで」


下着を見たいと不覚にも思ったのは真実だが、眺めてただけだろう。眺めるのもアウトか、、


「拓真は女子寮から出てけ!!」


「まあまあ。たくま君はそういう年頃だから許してあげて、お願い。リーダー命令です」


そういう年頃って。乃愛の言う事も辛辣だぞ。乃愛は俺のこと、許してるのか?


「乃愛、この男のこと信用していいの?」と紗弥奈がひそひそと語りかける。


「もうバイトで来ちゃったんだし、何かされたら警察に通報しよう」


「分かった。じゃあ、もう女子寮のシャワーに入らないって約束してくれる?」と紗弥奈が俺に向かって聞いた。


「当然だ」


「じゃあ、許そう」


みんなも許してあげてねーとリーダー乃愛と副リーダー紗弥奈が通告する。


「じゃんけん開始ー」


順番に勝った二人が抜けていく。勝つ度に乃愛がメモしていく。シャワー室はシャワーが壁を隔てて2つあった。廊下の通りの途中にあるから分かりやすい。隣にトイレがある。何故職員専用トイレはあるのに職員専用シャワーが無いのか謎だった。


6番目に勝った刹那は暗い顔をしていた。


4番目まで入り終わり、出てきたら刹那は準備をしようとしなかった。


「刹那、風呂。準備」

俺が話しかけても反応しない。


「入りたくない」


「もしかして俺が昨日シャワー使ったからか? それならごめんな」


「それも理由の一つだけど……面倒くさい」


面倒くさいからって風呂に入らない奴いるか? 面倒くさいってwwまた説得しなきゃならないかと思うと気が重くなった。


何故俺が銭湯に行かないかというと全員が入って出てくるのを見届けたいからだ。それを口にすると誰かさんから風呂上がりの姿見たいだけでしょ? と言われそうだ。






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