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第18話


一方、その頃女子寮メンバー達は好き勝手して青春を謳歌おうかしていた。


ここは高校一年生の教室。


2組の麻邪実は友達二人と立ちながらお喋りをしていて、3組の伊織は机に座り、周りから憧れの視線を向けられ、注目されていた。


伊織は廊下を歩くだけで主に男子から歓声が上がり、ヒソヒソと仲間内で囁かれる。廊下には左右に列ができ、男女問わず、人気である。

モテるが、伊織と自分では釣り合わないと諦める人が殆どだ。正に高嶺の花だ。敷居が高い。


成績優秀、明眸皓歯めいぼうこうし、そして性格も良い。誰もが羨むだろう。


霞は5組で一人で机に座っていた。


「我の封印された力が空気に包まれ、霧となり今この時、捻出されそうになっている。禍々《まがまが》しい……これは地球滅亡の危機! 世界の深淵しんえんに触れる、この世界が闇に飲まれる事だろう」


何故か水晶玉を机の上に置いて謎の儀式を行っていた。


霞は友達が居らず、周囲からは「不思議ちゃん」、「関わってはいけない」、「中二病でついていけない」という印象を持たれていた。



一方、愛理と乃愛は同じクラスで1組だ。


愛理は演劇の練習はしてなくて、五人グループでダンスしてたり、1日1自撮りという日課があるらしく、自撮り取ってはSNSに上げたりしていた。


「いぇーい」

「めっちゃ楽しいー!」


楽しそうな声が響く。


学校の写真撮ってたり、友達と写真を撮ってたりするのだが、身バレしないのだろうか……そこはツッコまないでおこう。


それにしても乃愛と一緒にいないんだ。一緒の寮仲間なのに。そりゃあタイプが違うからな。目立ちたがり屋と天然。


乃愛はというと三人の女子に囲まれていた。


「乃愛ちゃん、髪ウェーブがかってて可愛いね」


「ふわふわしてるー食べちゃいたいくらい可愛い」


乃愛は愛されキャラだった。


「のあのまほおなのー」


そう言って魔法をかけるように頭の上で手をかざす動作をしてみせた。


それからは乃愛は折り紙をただひたすらと折っていた。


「折り紙丁寧に折ってるね」


「ありがとぉ」


「部活とかは入らないの?」


「寮のしなきゃいけない事があるから」

そう理由を告げた。


「そっか。寮に入ったって言ってたよね、寮ってどんな所?」


そんな話が繰り広げられ、男性の管理人の話で盛り上がり、同じ学校にいると聞き、探してみると友達に言われた。あとはリーダー務まるの? とか馴染めた? と聞かれたりした。どちらも「はい」と答えた。


それから勉強や学力の心配をされ、最後に彼氏欲しくないの? と聞かれた。


「多分、乃愛ちゃんのこと好きな男子いると思うよ」


「え、それは嬉しい。ありがとう」


「そうじゃなくて……」


まだ乃愛は恋の意味を分かっていなかった。



噴水と白いベンチのある庭園に寄ってから、校門を抜け帰路についた。


その日は考え事をしながら歩いていた。


寮に馴染めているだろうか。やっぱり余計なお世話なのかな。女子寮に男の俺一人は緊張するなぁ。何か役に立てないだろうか。受験どうしよう。


地面を見ながら下を向いてそのような事を考えていた。


とその時ある事に気がついた。


あ!?

ちひろの下着どうしよう……


俺が女性の下着売り場に居たら明らかに不審者だよな。


まずい、女子メンバーの誰かに託さないと。


俺はスマホを取り出し、連絡先一覧を見るが、(登録してなかったわぁー)と過去を振り返る。


しょうがない。帰ったら誰かに言おう。


何故女子寮メンバーと一緒に帰らないかというと、友達に見つかったら困るのと彼女疑惑が出てしまうからである。彼女とは4日前に別れたから問題はないのだが。


女子寮の建物が見え、玄関の扉を開けると――


「おかえりにゃさい(ませ)、たくにゃん(ご主人様)」と迎え入れられた。


そこにはおそろいの猫耳メイド服を着た紗弥奈と?の姿があった。





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