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第13話

廊下に出ると何やら戦ってる掛け声とSEが聞こえてきた。


やっぱりゲームしてるのか。昨日強制終了させたからな。


ドアをそっと開けてみる。


案の定、ここに居た。


「学校行かずにゲームするのは良くない」


「それでもやらないと100位以内入れない。昨日、拓真に邪魔されたから」


「呼び捨て!? じゃあ今日は許してやるけど明日は行けよ」


ゲームで学校をサボる人は結構いるらしい。アメリカで社会問題になっていた。ゲームの為に徹夜、不登校。それは心身に悪影響を及ぼすだろう。ゲーム依存から脱け出す手立ては無いのか。


「明日も無理ぃー」


何でしっかり者の紗弥奈がこの部屋だと人格変異したかのように幼稚になってウダウダするのだろうか。


「明日は絶対だ」


「イベントは明後日までなの。だから、走らなきゃいけない」


だからって明後日までサボらせる意味は無いだろう。管理人としての監視下のもとで。管理人としての仕事を怠ったと管理長から怒られてしまう。


「明日は必ず行け。じゃないとパソコン破棄と欠席理由をゲームだとバラす」


「そんな脅迫するなんて酷いよぉー」


あとこの散乱したグッズも処理しなきゃいけない。


「このグッズも近々処分を検討する」


「えっ。無理。こんな推しのグッズ捨てられたら拓真のこと嫌いになる。口利かない。どうやって手に入れたか知らないでしょ! こんな大好きな宝物捨てるなんておかしいよ。沢山金賭けてるんだよ? いくらなんでも酷すぎる」


「でも足の踏み場が無いもん。それにお菓子の袋も散乱してるし。臭ってるし」


「お菓子の袋は捨てるよ。分かった、綺麗にするから。グッズだけは捨てないで」と泣きそうになりながら紗弥奈は言った。


「じゃあ、今日は休んでいいから。来たかったら遅刻してもいいから来い。俺もそろそろ行かなきゃやばいからこの寮の事、ちひろとお願いな」


結局、誰ひとり説得出来なかった。なんでこうなんだろう、と自分を責めていた。


***


寮を出て、学校へと続く道を地図を見ながら歩く。まだ慣れない風景。ここを5人はさっき歩いてたんだな、と思った。そして、今日からこうして寮で暮らしながら登校するんだという実感が湧いてきた。


5人と一緒に歩きたかったなーと胸を躍らせたが、明日でもいいやと諦めがついた。


残りの3人も登校して欲しいのになあと思っていたが、説得不足を身に沁みていたので他の子にお願いしたいと考えを改めた。


校門が見えて校舎が見えると小走りで向かった。


遅刻ギリギリで教室の扉を開けた。 

間に合った。


学校に着いて気づいた。女子寮の子と登校したり、一緒に居る所を見られたりしたらマズイんじゃないかという事を。女子寮でバイトしてる事がバレたら嫉妬されるに違いない。それも美少女だらけの。

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