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ブラックバカラその9

読んでみて驚いたのだが、『秘密の花園』は必ずしも小学生向き、というわけではなかった。

割と最初の方で、主人公の両親などが死んでしまうのだ。

時代背景的なものもあるのだろうが、最初の舞台はインドだった。そして英国に渡る。


何だこれ?


図書館の職員が、他のレポート資料用の本と同列に扱っていたわけが分かった。

これ、英国のプラントハンターが活躍していた時期と被るのだ。歴史的にも、ガーデニングに関連した小説で間違いない。


そして、庭や、花を育てるということに、作者がどういう意味を持たせたのか。

偶然なのだろうが、“花園”を封印したのは、主人公の伯父だった。


何より、“花園”は、再生の象徴だったのだ。


玉子さんは、たぶん、もう大丈夫なのだ。アキトさんを想い出して泣くことはあっても。

残されたバラを育て、そして、きっと、ちゃんと新しい生活を送っていくのだ。


この本をちゃんと読んだ方がいいのは、美咲の方じゃないか?


俺は、自分が今まで読んだことがなかったのを棚上げして、そう思った。


ちなみに『星の王子さま』の方も、考えていたのとはまったく違った内容だった。

実は、少女漫画に出てくるようなイケメン爽やか王子が登場する話だと思っていた。


まったく違っていた。

王子さまは子供だった。


そして、バラは、かなり重要なポジションにあった。


バラはおしゃれで、ちょっと疑り深く、見栄っ張り。棘が4つ。トラは怖くない。風に当たるのが嫌い。嘘つきで、でもそれを恥ずかしいとも思っている。


バラは、いい匂いがした。


バラに振り回され、だんだん、辛くなっていった王子さまは、自分の星から逃げてしまうのだ。


別れの時、バラは泣き顔を見せなかった。弱みを見せたくなかった意地っ張りなバラ。


自分の星から出ていった王子さまは、他の星に行ってみる。変なおとながいる星ばかり。

そして7番目に訪れたのが地球だった。


王子さまは、地球にもバラが咲くことを知る。

王子さまのバラは1つだけだったが、地球では、たった1つの庭に5000のバラが咲いていた。

そのことで、王子さまはがっかりしてしまう。


しかし、王子さまは1匹のキツネと友達になる。

そして、王子さまのバラは、やっぱり、他のバラと違うたった1つのバラだと分かるのだ。

キツネは王子さまに秘密を教えてくれた。


“ものごとの本質は心でなければ見えない。目では見えない。”


キツネは、“バラに費やした時間の分、バラは大切な存在となり、そのバラに、何かを返さなければならない”とも言う。


バラって、いったい何なんだ?


何か、とてつもなく、めんどくさくて、そのくせ、俺を惹き付けてしまった何かに、それはよく似ている気がした。

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