とある少年の最後
次回予告的なあれなので、かなり短いです。いつもの半分くらい。
3/3の日間ファンタジー転移/転生部門、99位にランクインしました!ありがとうございます!
「なあ翔太、次の授業なんだっけ?」
「化学だよ.......五分前にも言ったぞこれ。早く理科室行かないと」
俺は、友人の北嶋斗哉のアホっぷりに呆れつつも、この会話に慣れてきた自分に対して苦笑した。
進級して二年生になり、このクラスに替わってから二ヶ月程経った。
クラスにもグループが既に出来ていて、大体の人がその輪のどれかに属している。
俺はグループというより、斗哉と一緒にいる事が多い。アホだけど、何となくウマが合うんだよな。
斗哉と雑談をしながら理科室に入ると、まだ数人しか集まっていなかった。
.......まあ、その数人というのが面倒な連中だったんだけど。
「そんでさー!アイツ、財布の中に二千円しか入ってねーの!まじダサくね!?化粧品とか買えねーじゃん!」
「ギャハハハ!二千円とか、小学生でも今時持ってるっつーの!仕方ねえ、俺らがゲーセンで有意義に使ってやろーぜ!」
「おいおい落ち着けお前ら。それはアイツの金だぜ?だったらちゃんと.......アイツを楽しませるグッズを買ってった方がいいだろ?ペンキとか買ってアイツの食事中にぶちまけてやったら、きっと喜ぶぜ?」
「おー!流石は黒田君、発想が違うぜ!」
「キャー!シンイチさいこー!」
理科室にいたのは、六人組グループ。
あいつらがどんな集まりかは、この会話を聞いているだけで分かると思う。
「.......また彼女をいじめてたのか.......」
「翔太あ、良いのか?だってアイツは.......」
「.......そんなこと言ったって、どうしろって言うんだよ」
アイツらは、同じクラスのとある女子をいじめて遊んでる、最悪のグループだ。
水をかけたり、教科書やノートを破ったり、時には暴力を振るったり。
だけど、クラスの皆どころか、教師ですら、彼らの行動を咎めない。
というのも、あのグループのリーダー格である黒田新一は、超有名財閥の御曹司であり、彼の親はこの学校に多額の支援金を寄付している。
それを打ち切られると困るから、教師は手を出さない。
.......俺も、叶うならあいつらを何とかして、『彼女』を救ってやりたい。
というのも.......やつらがいじめている女の子は.......俺が密かに恋をしている子なのだ。
.......俺にもっと、力があれば。
彼女を助けることが出来るのに。
※※※
クラスの殆どが集まり、理科教師兼俺らの担任の、緋崎愛華先生も理科室に入ってきた。
来ていないクラスメートは、彼女だけになった。
「ねーねーシンイチ!暇だしさー、理科の実験しよーよ!」
「理科の実験?」
「そそ!ほら、ここ捻ると、ガス出てくるんでしょ?ここに火近づけて、ちっちゃい爆発起こしてみよーよ!」
「えー.......危なくないか?」
「なになに、ビビってるのシンイチ!だいじょぶだいじょぶ、それとも怖いの?」
「.......いいぜ、やってやる」
何かバカなことを口走り始めた。
「ちょ、ちょっと待ってください!黒田君たち、そんなこと危なすぎます!やめてください!」
「うっさいなー!せんせーは黙っててよ!さっ、シンイチ!あ、ここにライターあるよ!今度、アイツの長ったらしい髪の毛燃やして短くしてあげようと思って持ってきたやつだけど!!」
「おお、それはいい案だな。今度実践してみよう.......よし、オッケーだ。さっ、ライター近づけるぞ」
「ほ、本当に危ないですから!待っ.......」
「え?」
直後。
何故か俺らの方にも向かってきた炎と爆風が、クラス中を包み込んだ。
そして、最悪の馬鹿達が起こした、大規模なガス爆発によって.......俺たちは死んだ。
※※※
ああ、こんなことになるんだったら。
あいつらを押しのけて、助けてあげるべきだった。
ちゃんと思いを告げたかった。初恋だったのに。
好きだったよ.......千条さん。
これで、今度こそ第二章は終わりです。
第三章もお楽しみ頂けたらと思います。
そして、3月6日は急遽暇が出来たので、とにかく投稿していこうと考えています。
書いて投稿して書いて投稿してを繰り返していきます!時間は気にしません!
そして、今後は出来るだけ、一日二話更新、0時と15時の投稿にしていこうと思います。
最後に一つ、言わせて頂きましょう!
NL展開なんてありません!!!!