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吸血姫と邪神

何のご説明もなく更新停止してて申し訳ございませんでした(土下座)。

予約投稿設定したのが前回で止まっていたのをさっき思い出しました(土下座2)。

そしてすいません、ストック切れてきたので、明日書きためるため、明日の更新はお休みさせてイタダキマス.......(土下座3)

 この感覚をなんと表現したらいいのか、未だにいい言葉が思いつかない。

 上へ上と浮かんでいっているような、どこまでも沈んでいっているような.......

 前世の都会のど真ん中に立っている時の落ち着かない感じというか、布団に1人で入ってボーッとしている時のような落ち着く感じというか.......

 うん、分からん。


 まあとにかく、私は覚えのある感覚の場所に来ていた。

 来ていたといっても、肉体は現在寝たままで、精神だけが起きてる状態なんだけどね。

 まあつまり、何が言いたいかと言うと―――



「どうもです、リーンさん。1週間ぶりですね。あ、お茶菓子ありますよ、食べますか?」



 .......どうやら私は、この間とは打って変わってゆるーい雰囲気を醸し出しているこの邪神様に、再び呼び出されたようで。


 なんで精神世界にお茶菓子があるんだとか、そもそも胃にたまらないのに食べられるのかとか、つっこんだ方がいいんですか、イスズ様。


「味覚は機能させてるので大丈夫ですよ。ほら、あなたの前世の世界でよくある、VRMMORPGみたいなものです」


 よく知ってますねそんな世界規模で見ればマイナージャンル.......。

 それで、私はなんでここにいるんですか?

 また死にかけたんですか、私。


「いえいえ。今回は、貴方はただ単に寝ただけです。そこに私が干渉しました。前回、貴方の意識に干渉した時に貴方との繋がりが強くなり、死にかけでなくても、貴方が意識さえ失っていれば干渉可能になったんです。私、1週間前に言ったじゃないですか、『これからもたまに意識に干渉することになると思います』って」


 ええ、聞いてましたし覚えてますよ。

 でもそれって、私が無理な修行をして倒れた時とか、そういう時だと思ってました。

 まさか普通に寝ただけで繋げてくるとは。


「説明が足りなかったのは申し訳ありません。まあ、毎日貴方の夢枕に立つわけではありませんし、良いではありませんか。ぶっちゃけ、今は暇なんですよ私。他の世界の統治も安定してきましたし、この世界では魔王が上手くやってくれているので、神託も何回もする必要ありませんし。なので、貴方とのお茶会で暇つぶしでもしようかなー、と」


 自由すぎでしょ邪神様。

 特に用が無いようなら、私はちゃんと寝たいので早く.......帰し.......て.............?.......あの、そのテーブルの上のお茶菓子って.......。


「あ、気づかれました?これ、地球のお菓子なんですよ。天照ちゃんが時々差し入れてくれるんです。やっぱり、お茶のお供には甘いものですよね。ああ、帰られると言うのであれば仕方がありません、今意識を体に戻して.......」


 いえいえそんな、お構いなく。

 神様のお誘いを無下にする訳にもいきませんから、ちゃんとお付き合いさせていただきます。


「いえいえそんな、無理に誘ったのはこちらなのですから、貴方には自由に帰る権利があります。残念ですが、この甘くて美味しくて、しかも精神世界だから太ることの無い、文字通り神が遣わしたスイーツは私だけで処理します。さあ、貴方は早いところご帰還を.......」


 すいません、突っぱねようとしたことは謝るので食べさせてください。

 流石に甘味がフルーツだけの生活はちょっと嫌だったんです生クリームとかチョコが恋しいんです。


「よろしい。では、どうぞお召し上がりになってください」


 ありがとうございただきます。

 ぱくぱくもぐもぐ。


 ああ.......甘い。

 フルーツとは違う、ただ甘い、この感じ。

 スポンジケーキと生クリーム、チョコ、イチゴが絶妙なバランスでまた.......!

 私とて女の子、甘いものは正義と信じて疑わぬ、甘味至上主義者なのだ。

 最悪と言ってもいい前世だったけど、甘いもの食べた時だけはいつも幸せな気分だったなあ.......。


「お気に召したようで何よりです。それに、無事に魔王軍に合流出来たようですし、これで暫くは安全に修業が出来るはずです」


 おお、そういえば私は、魔王軍の本拠地の、私に当てられた部屋で寝ているんだった。

 .......ああ、そうだ。イスズ様、私、魔王様が吸血鬼族なんて聞いてなかったんですけど!


「そうそう、そうでしたね。うっかりしてました」


 うっかりて!


「仕方ないではありませんか、魔王とはもう500年以上の付き合いになるので、種族がどうとか、とっくに忘れてたんです。だって、今やエルフやドワーフ、獣人、巨人族なんかもぜーんぶひっくるめて魔族って扱いになってるんですよ?その管理全部私がやってるんだから、魔王の種族覚えてなくても責められるいわれはないと思いませんか?」


 うっ。

 そう言われると弱いんだけど.......。


「そうでしょうそうでしょう?それに、彼女はステータス面だけで言えばこの世界で最も高いんですよ?『真祖』っていうだけでも十分怪物級なのに魔王もやってるとか。血液補給どころか、普通の食事すら必要としませんし、不死身ですし、月の加護も多く受けられますし、殆どチートです。もはや吸血鬼の枠組みなんてとうに超えてますよ」


 .......開き直ってきたな、イスズ様。流石邪神、悪びれもなく言いきれるその姿勢は中々アッパレだと思います。


「お褒めに預かり光栄です」


 褒めてません。



 .......それで、今日はなんの御用なんですか?

 まさか、本当にお茶会したかっただけなんて言いませんよね?


「ふむ、流石ですリーンさん。私も、本当に意味も無く貴方を呼びはしません。今回お呼び立てしたのは.......」


 あ、シリアスシーンに入るならケーキとか全部食べちゃいましょう。


「おお、そうですね。そうしましょう。あ、このティラミス美味しいですよ。(モグモグゴックン).......さて、ではそろそろ、本当のお話に入りましょうか」


 はい、了解です(モグモグゴックン)。


「今回お呼び立てしたのは、貴方の今後の方針について。そして、勇者の現状についてお話する為です」

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― 新着の感想 ―
[良い点] 悲惨な部分もありますが続きが気になる作品です。 邪神様のノリがとても軽いw
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