(番外編)モグラ叩き
クラーケン登場前のお話になります。
『この依頼、いつもあるけどなんでだろう?』
依頼の内容はモグラのモンスター退治だ。
誰にでも倒せそうなのに、未だに依頼書が残ったままなのだ。
隣にいたレイクさんに尋ねてみた。
『レイクさん、
このモグラのモンスター依頼はどうしてずっと残っているのですか?』
『んー話によると、動きが速すぎて攻撃が当たらず、
みんな飽きらめてしまうみたいだ』
『逃げるのが速いと?』
『まあ、そういう事だな』
この依頼は面白そうだな・・・。良し、受けてみるか。
私はモグラ退治の依頼書を掲示板から取った。
『受けるのか?』
『はい、受けてみます。達成出来たら報告します』
『おう!楽しみに待っているぜ!』
○
モグラのモンスターが現れる場所に着いた。
この周辺の土地は彼方此方に穴が空いているから、
モグラのモンスターがいる証拠だ。
しばらく様子を見ていると、モグラの頭が地面から出てきた。
直ぐに地面に潜ってしまった。
確かに動きが素早い・・・というよりも、何をやっているのだろうか?
すると、またモグラが地面から出てきて、直ぐに地面に潜っていった。
これじゃあ攻撃をする暇がない、
どうしようかと考えている時に何かが飛んだ気配がした。
見てみるとただのバッタだった。
『なんだ・・・バッタか・・・』
次の瞬間、バッタの真下からモグラが現れて、
バッタを捕まえて地面に潜っていった。
『あー、なるほど』
私はある事に気が付いた。
このモグラのモンスターは獲物の気配を感じた時に、
獲物を捕まえる為に地面から出てきて獲物を捕まると、
地面に引きずり込むという生態みたいなのだ。
これは虫じゃないとダメなのかな?
試しに、近くにあった木の下に転がっている果物を拾い、
地面に投げました。
果物が地面に落ちるとモグラが現れた。
私は槍を構えていて、モグラに向かって投げると見事に命中した。
この調子でやれば簡単に討伐が出来るな。
そんな訳でこの作戦を続けて、
モグラのモンスターを数十体ほど討伐した。
『まぁ、これくらい倒せばいいかな?』
帰ろうとした時に、後ろから凄い物音が聞こえてきた。
砂埃も降ってきたので振り向くと、
巨大なモグラのモンスターが地面から出てきたのだ。
『でかっ!!!』
驚いていると、モグラのモンスターは私を睨み、
突然突進をして来た。
辛うじてなんとか避けれた。
もしかしてこいつがモグラのボスだろうか?
私が子分を倒したから怒っているのだろうか?
私は直ぐに戦闘態勢に入り、槍を構えた。
ちょっと危険な状況かもしれないが、
まぁ、なんとか倒せるだろう。
モグラのボスは地面に潜り、次の攻撃を仕掛けるようだ。
地面に潜ったという事は私の真下に来るってことだ。
私は大きめに飛び跳ね、モグラのボスが出てきた瞬間に
槍を思いっきり突き刺した。
『はぁっ!!!』
『ギィィ!!!』
なんとか一撃で倒す事が出来た。
私はギルド会場に戻り、モグラのボスが現れて討伐した事を
報告すると、受付の人に驚かれました。
少し危険なモンスターだったみたいだ。
報酬は小さいモグラと大きいモグラを合わせて、
銀貨5枚と銅貨20枚を報酬に貰った。
これで薬と果物を買ってあげようかな?
私はギルド会場を出て、薬屋に行って薬を買い、露店で果物を買った。
次の向かう所はソーラさんの家だ。
なんで此処に来たかと言うと、
実はソーラさんが風邪を引いてしまい、
それで風邪によく効く薬と新鮮な果物を買って来たのだ。
ソーラさんの家のドアを軽く叩いて呼ぶと、レイクさんが出てきた。
『あれ、レイクさん?なんで此処に?』
『お見舞いだよ、スフィアちゃんこそどうしたんだ?』
『私は、ソーラさんが風邪を引いたと聞いたので、
薬と果物を買って来たんです!』
レイクさんがとても驚いている表情をしていました。
『スフィアちゃん、なんていい子なんだ・・・』
レイクさんはソーラさんが寝ている部屋まで案内してくれた。
薬と果物を渡すと、ソーラさんも驚いている表情をしました。
『スフィアちゃん、なんていい子なんだ・・・』
レイクさんと全く同じ事を言われました。
仲間が風邪を引いたら、
薬と果物を届けるのが普通ではないんだろうか?
私が帰ろうとした時に二人に言われました。
『『惚れてしまうだろう!!』』
私は家に帰宅する途中である事を言うのを忘れていた。
あの薬・・・凄く効くけど、かなり苦いんだよな。
翌日になり、ギルド会場に行くと、
レイクさんとソーラさんが居ました。
『ソーラさん、風邪が治ったんですね!』
『ああ、スフィアちゃんのお陰だよ、ありがとう。
・・・だけど、あの薬が苦すぎて吐きそうになったよ』
ですよねー。
まぁ、風邪が治って良かったです。




