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スフィアの誕生日

本日で最終回になります。

読んでくれた皆様に感謝です。

ありがとうございます!!

楽しんで貰えたらとても嬉しいです。


本編はこれで終わりですが、

番外編を4つ書いていますので明日も投稿します!!


私はベッドに横になって寝ようとした時に、今日の出来事を思い出していた。

今日はみんながそわそわしている様な気がして、私にぎこちなかったのだ。


『エリナ、明日一緒にお出掛けをしないかい?』

『ごめん、忙しいから無理よ』


エリナにお出掛けの誘いをしたら断れるし。


『アイン、ネイ!明日一緒にお出掛けをしないかい?』

『ごめんなさい、スフィア。明日はちょっと・・・』

『無理だよねーお姉ちゃん』


アインとネイにも断れてしまい、最終手段でギルド会場に行き、

レイクさんとソーラさんに依頼を一緒に受けませんか?

と尋ねてみたが断られたのだ。


『んー・・・どうしようか?』


どうしてこんなに困っているかと言うと、実は明日は私の誕生日なのだ。

それで、友達と一緒に過ごしたいと思っていたのだか、

皆に断られてしまった。


いや、決して祝ってほしいとかは思っていないが、

一緒に遊びたいなと思っていた。


まぁ、夜には親がケーキを作ってくれるし、

昼はのんびりと家で寛ぐのも良いかもしないな。


『おやすみ・・・』



翌日になり、目を覚ましてリビングに顔を出すと、

母さんがテーブルでハーブティーを優雅に飲んでいたから

『おはよう』と言って挨拶をした。


母さんも『おはよう』といつも通りに返してくれた。

私はテーブルに座り、一緒にハーブティーを飲もうとした時だった。


ある質問をされたのだ。


『ねぇ、スフィア。昼から用事がある?』


私はカップに入っているローズヒップを一口飲んでから答えた。


『んーないよ。だから家でゆっくりと寛ごうと思う』


そう言った瞬間に母さんがメモを渡してきた。


『5時になったらメモに書いているのを買って来てほしいのよ』


メモの内容を見てみると買う物がバラバラで、

買いに行くお店もバラバラだった。


「ハンカチはこの衣類屋で買うこと」

「葡萄はこの露店で買うこと」

「茶葉はこのお店で買うこと」

「スプーンとフォークはここの雑貨屋さん」


と書かれていた。

この4件通りに買い物に行くと、一時間以上かかる距離だ。


まぁ、暇だからお使いをするのは良いとして、

なんで時間を指定しているのかが分からなかった。


昼食べたら直ぐに行って良い?と聞いたら『それはだめよ』

と返されてしまった。何でだろうか・・・?


まぁ、言われた通りに5時になったら買い物に出掛けたのだが。


『じゃあ、行ってきまーす』

『気を付けてねー』


んー、まずは何処から買いに行こうか?

葡萄は最後の方が良いから始めは茶葉を買いに行くか。


歩き始めてから数十分が経ち、茶葉があるお店に辿り着いた。

目的の物を買うと次は衣類屋だ。


私は二十分程歩いて衣類屋で白いハンカチを買った。

スプーンとフォークを買う雑貨屋は先程と同じくらい歩き、

露店が並んでいる場所に行って葡萄を買うと、

買い物に出掛けてから一時間程が経過していただろう。


持ってきたバッグに全ての物が入り、

ようやくお使いが完了した。


『さてと・・・家に帰るか・・・』


自分の家に帰って来てドアを開けて『ただいまー』

と言った同時に紙吹雪が舞い、皆が目の前にいた。


『『『『『スフィア誕生日おめでとう!!!!!』』』』』


そう、エリナとアイン、ネイがいて、

レイクさんとソーラさんがいたのだ。


『みんな!どうしてここに!?』


驚いていると、母さんが奥から私の傍に来た。


『うふふっ、驚いた?

みんながスフィアの誕生日を祝いたいと言って、

一週間前から計画をしていたのよ。ね?』


母さんがみんなの方を見ると、エリナが初めに口を開いた。


『隠していてごめんね、スフィア。でも、喜んで欲しくてやったのよ』

『友達の誕生日は祝いたいものですからね』

『うん!』


レイクさんとソーラさんは照れくさそうに話をしてくれた。


『僕達も誕生日を祝いたくて、色々と準備をしたんだ』

『俺達がいたら迷惑だったかな?って、スフィアちゃん?』


みんながこんなにも私の事を想ってくれたのが嬉しくて、

目から涙が溢れていた。


『みんな・・・凄く嬉しいよ。ありがとう!』


みんなにお礼を言うと、母さんが私の肩に手を優しく置いて言った。


『スフィア、良い友達が出来て良かったわね』

『うん!』


話していると、エリナに急かされるようにテーブルに案内された。

テーブルの上を見たら色んな料理がずらりと並び、

真ん中に手作りをしたデコレーションケーキが置いてあった。


ケーキも苺や葡萄、蜜柑など上を乗せていて豪華だったが、

他の料理も豪華だった。

右から手羽先、サンドイッチ、シチュー、サラダ、

ピザが並んでいて凄い量だった。


いつの間に用意したんだろう?

そう思っていたが、気が付いた事がある。


今日母さんが私にお買い物をさせた理由は、

皆でこれを用意する為にだったんだね。

私は本当に幸せ者だな・・・。


今日の夜は皆が祝ってくれて、

この16年間で一番幸せな誕生日になった。


私はこの日、改めて思った事がある。


『みんなに出逢えて本当に良かった』


小声で言うと、エリナがこちらを見つめて『何か言った?スフィア』

と顔を覗き込むようにしていたが、

直接言うのは恥ずかしくて誤魔化してしまった。


『ううん、なんでもないよ』


だけど、この気持ちはいずれは皆に伝えないといけないな。

そう心の中で決め、幸せな時間を過ごした。

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