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ダークエルフが心配

今日はエリナと二人でギルド会場に行き、

お小遣い稼ぎをしようと思ったが余りに良い依頼がなくて困っている。


『スフィアー、何を受けるー?』

『んー・・・余り良い依頼がないなー・・・』


掲示板に貼ってある依頼書の内容はゴブリン退治、

ウルフの討伐、オークの討伐、キラービーの駆除など。

どれも森の中に入らないと駄目な依頼だらけで面倒だ。


それにしても偏り過ぎる。


今日は辞めて帰ろうとした時、誰かに声を掛けられてしまった。


『二人とも!良いところに来てくれた!!』


振り向くとギルドマスターだった。

んー、これは嫌な予感しかしない・・・。


こう言う時は私達に依頼をお願いする事が多いのだ。

軽く挨拶を済ますと、ギルドマスターが早速本題に入った。


『実は二人にお願いがあるんだが・・・部屋まで来てくれるか?』

『はい!良いですよ!』


エリナは面白そうな依頼になりそうと思ってやる気オーラを出していたが、

私は仕方が無く話を聞いてあげる事にした。


簡単な依頼でお小遣いを稼ぎたかっただけなのになー・・・。


話を聞いてあげると、やっぱり面倒な依頼だった。

町の付近にある森の奥にモンスターが住み始めた所為で、

薬草取りをする人や初心者の戦士達がモンスターが多くて困っているから、

私達に依頼を受けて手伝ってほしいらしい。


なるほど、それで森の中にいるモンスター退治の依頼ばかりだったって事か。

やる気は無かったがギルドマスターの一言で気が変わったのだ。


『それと、あの子が少し心配なんだよなー・・・』

『あの子?』


誰の事だろうと思って尋ねてると、ギルドマスターが口を開いた。


『ほら、森に住んでいるダークエルフの事だよ』

『ダークエルフ・・・ああ!』


思い出した。

前にギルドマスターの依頼でダークエルフを探しに行った時に会った子だ。


しかし、なんで心配なのかが分からずいると、

エリナが地図を見て気が付いたようだ。


『この場所は・・・ダークエルフが住んでいる森の付近よね』


そう、彼女が住んでいる付近でモンスターが発生しているようだ。

だからギルドマスターはあの子が無事か心配みたい。


初めはギルドマスターもダークエルフに警戒をしていたが、

悪い人物ではないと分かってから警戒を解いている。


それに町の住人で、

『モンスターに襲われそうになった所をダークエルフに助けられた』

と言う声もあるから彼女に感謝をしているんだ。


まぁ、あの子は恥ずかしがり屋で男性に出逢ったら風魔法を放つから直接会った事はないけど、

他人事とは思えないようだ。


私もそれを知って他人事とは思えなくなり、依頼を引き受ける事にした。



『くらいなっ!!』


ダークエルフが住んでいる森に到着して数十分しか経ってないが、

次々とモンスターが出てくる。


『ギィッー!』


キラービーを槍で一撃で倒し、

エリナは最近覚えた土魔法を使って攻撃をしている。


『土よ!力を貸して!敵を貫け!!』


エリナが魔法を唱えると、地面から鋭いつららのような形になり、

相手をそのまま突き刺す魔法だ。


『グウゥゥー!!』


オークも一撃で倒せる程の威力だ。さすがエリナ。

周りにモンスターがいなくなった事を確認し、武器をしまって一呼吸した。


『ふー、大丈夫か?エリナ』

『これくらいは余裕よ。それにしても、本当にモンスターが多いわね』

『ああ、だな・・・。彼女が無事だと良いんだが・・・』


森に住んでいるなら毎日のようにモンスター退治をしているだろう。

いくら魔法を使えて強くても心配になる。


そう思っていると何かの物音がしてきた。


『誰かが何かと戦っている?』


エリナも何かを感じていて、物音が聞こえた方に向かった。


『行くわよ、スフィア!』

『ああ』


森を駆け抜けると、魔法をモンスターに放つ女性がいた。


『もう!どれだけいるのよ!!』


風魔法でウルフやゴブリンの首を次々と切っていた。


あの格好はやはり、ダークエルフだった。

前に会った時と同じ格好していて黒い下着を着け、

足と腕に鎧みたいな装備をしている褐色肌で耳の尖った女性だ。

相変わらず露出が高いな。


彼女が私達に気が付くと、驚いた表情して挨拶をしてくれた。


『あ、貴方達は!久しぶりね!』

『はい、久しぶりです』


話をしようとすると、

又もや森からオークやらゴブリンが出てきたから加勢をした。


『手伝います!』

『任せなさい!』

『あら、ありがとうね、二人とも』


オークが数体向かって来た所をエリナは雷の魔法を唱えた。


『雷よ!触れた者に感電を!』


エリナの前に大きな丸い玉が現れて雷を纏ってモンスター達に向かって発射し、

一体に触れた瞬間に敵が感電して真っ黒焦げになった。


これも相変わらず凄まじい魔法だな。


しかし、一体だけオークが生き残っていたから私が止めを刺しに行った。


『ここは任せろ!』


オークに突っ込んで行くと、相手は大きな木の棍棒振り下ろしてきたが簡単に避け、

右腕を切ってから心臓を狙って突き刺した。


『はあっ!』


良し、これで完全に仕留める事が出来たな。

エリナとダークエルフの元に戻って話しをした。


『助かったわ・・・二人ともありがとう』

『いえ、あなたが無事で何よりです』

『うん!心配したんですよ!』


彼女が元気そうで何よりだった。

これだけ強いなら余計な心配だったかな?そう思っていた矢先の事だった。


『お礼に私が住んでいる小屋に案内してあげる、ハーブティーをご馳走してあげるよ』

『やったあ!ありがとうございます!』


案内をされて付いて行こうとすると、彼女は力が抜けたように倒れかかったのだ。


『あ・・・れ・・・?』


『きゃあっ!』

『だ、大丈夫ですか!?』


彼女が住んでいる小屋を探し、私達が看病をした。



『んー・・・あれ?ここは私の部屋・・・』


気がついた彼女にエリナが優しく声を掛けていた。


『あ、目が覚めましたか?』

『あなた達が看病をしてくれたのね・・・ありがとう・・・』

『もう、いきなり倒れるんだからビックリしたわよ』

『あははー・・・ごめんさいね』


やはり、体力の消耗があったんだろう。

毎日モンスターと戦っていたのかもしれない・・・。


私は確認をするために彼女に尋ねてみることにした。


『あの・・・もしかしたら、毎日モンスターと戦っていたんですか?』


私が尋ねると、彼女は俯いて言った。


『そうね・・・最近モンスターが多くて大変だったのよ・・・』


彼女が心配になってある提案をした。


『このままだと危険だから、一度落ち着くまで私達の町に避難しませんか?』

『えっ、人間が住んでいる町に?』

『はい、このままだとあなたが心配ですので』


エリナも私の考えに乗り、一緒に説得をしてくれた。


『そうですよ!町にならモンスターはいないから安全ですよ!』


彼女はしばらく考えていて、恥ずかしそうにしていた。


『この格好だと・・・恥ずかしいな』

『やっぱりか!』

『やっぱりね!』


二人で何とか説得をすると、

必要な物と黒いロングコートを羽織って一時的にウィリックの町に来る事になった。


町に入ると、やはり住人が彼女に視線を集めていた。


『あの褐色肌は・・・ダークエルフか?』

『ああ、そうだな』

『何でスフィアちゃんとエリナちゃんと一緒にいるんだ?』

『確か森の奥に住んでいる人だろう?』


彼女は少しだけ体を震わせて怖がっていました。


『うー・・・人間の町を歩くのが初めてだから緊張する・・・』

『大丈夫?』


エリナも心配そうにしていた。

私はこそこそと話している人達に言ってやった。


『余り変に騒がしくしないでくださいね?怒りますよ?』


睨むと、住人達は『『『すいませんでした!!』』』と誤っていた。


うむ、こういう時に青の女騎士の名が浸透していると役に立つな。

そんな感じで町を歩いてギルド会場前に着いた。


『エリナ達はちょっと待ってて、ギルドマスターを呼んで来るから』

『うん、分かったわ』

『は、はい』


ギルド会場に入ったら流石に騒ぎになるからね。

私はギルドマスターだけを外に呼んで来させた。


『こんにちは、君があのダークエルフか』

『は、はい。こんにちは』

『話はスフィアから全部聞いたさ、

森の奥が危険だからこの町に一時的に住みたいと?』

『はい、ダメでしょうか?』


彼女は不安に聞いていたが、ギルドマスターの答えは既に知っている。

ギルドマスターは優しく微笑んだ。


『君なら大歓迎だよ、よろしくね』

『良いのですか!?ありがとうございます!!』


彼女が深々とお辞儀をしていました。

しかし、ギルドマスターは一つだけ困っている事があった。


『大歓迎だけどお金はあるのか?泊まる場所や食べ物にお金掛かるからな・・・』

『『『あ・・・』』』


三人は盲点だった。

そうだ、ダークエルフは森の奥に住んでいるからお金何て持っているはずがない。

私はそこで良い考えを思い付いた。


『ギルドマスターが奢って上げてくださいね、お金持っているでしょう?』

『そうきたか!スフィアちゃん!!!』


取り敢えず一週間分の生活費をくれたのだ。

意外と太っ腹なギルドマスターだった。


この後、私達は彼女が泊まる宿屋を一緒に探して上げ、

なんとか泊まれる所を見つけられた。

この時に初めて気が付いた事がある。


そういえば、彼女の名前を知らないな・・・。

お別れをする前に彼女も気が付いて自己紹介をしてくれた。


『そういえば・・・まだ私の名前、名乗ってませんでしたね』


彼女は微笑んで口を開いた。


『私の名前はフリシアよ。あなた達は?』

『私はスフィアです、こちらが友達のー』

『エリナです!改めてよろしくお願いしますね。フリシアさん!』


こうして、この町にダークエルフが住むことになった。

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