青の女騎士と赤鬼の騎士
私は今、家でハーブティーを飲んで寛いでいるところだ。
今日はゆっくりしようと思っていたが、
ある出来事が起きてしまったのだ。
ドアを叩く音がしたから、
私はドアを開けに行くと目の前にエリナがいた。
息切れをしていて少しだけ汗をかいていた。
走って来たのかな?そんなに急いでどうしたんだろうと思い、
私から話そうとしたがエリナが焦りながら口を開いた。
『スフィア、大変なの!ギルド会場に一緒に来て!!』
『えっ?』
私はエリナに言われて青い鎧を装着し、槍を背負って家を出た。
ギルド会場に向かう途中でエリナが事情を話してくれた。
『そんなに急いでどうしたんだ、エリナ』
『大変なのよ!スフィアの噂を聞いて、
スフィアと戦いたいという女性がギルド会場に来たのよ!』
あ、これは面倒くさいやつだな。
それよりもなんで断らなかったのかな?
エリナに尋ねたらその女性が。
「スフィアを連れて来ないとギルド会場で暴れてやる!」と叫ばれて、
ギルド会場にいた人達は私にスフィアを連れて来いと指示をして、
仕方がなく家に来たらしい。
そして私達はギルド会場に到着してドアを開けた。
ギルド会場に入ると、男性達が私達を見て安心し声を上げた。
『青の女騎士がやっと来た!』
『魔女のお嬢ちゃん、ありがとうな!』
エリナは小声であの女性がそうだよと教えてくれた。
その女性とは真ん中のテーブルの席で堂々と足を組んで座り、
目立っている女騎士の事だ。
見た目は赤い鎧を身に付けて赤い槍を背負い、
茶色の髪が腰辺りまである女性だった。
彼女が私に気が付くと、ゆっくり立ち上がって私に問い掛けた。
『あなたが青の女騎士、スフィアね?』
『ああ、そうだ』
女性は不敵に笑って自分の名前を名乗った。
『私はセリーヌ。いや、赤鬼の騎士と言った方が分かるかしら』
私は誰?と思って首を傾げたが、
ギルド会場にいた男性達はみんな驚いて声を上げていた。
『赤鬼の騎士だと!?』
『なんでこんな所にいるんだ!?』
『あれだろ?武道大会で優勝した奴だろ?』
どうやら有名な女性みたいだ。
赤鬼の騎士は腰に手を当てて、
みんなが驚いている表情を見て気分が良いみたいだが、
私はツッコミをしてやった。
『だれですか?』
赤鬼の騎士と名乗る女性は唖然としていた。
『え・・・?私を知らないの!?』
『ああ、知らんな。エリナは知っている?』
試しにエリナに聞いてみたが、やはり知らないみたいだ。
赤鬼の騎士は膝をついて落ち込んでいたが、
直ぐに立ち上がって私に決闘を申し込んできた。
『私を知らない・・・?上等よ!青の女騎士、スフィア!
勝負をして私の強さを思い知らせてあげる!!』
あーこれは面倒くさい事になったな・・・。
彼女は『勝負をしないと暴れてやる!』
と言われたので仕方がなく勝負を受ける事にした。
町中では武器を使う事が出来ないから町の外に出て、決闘をする事になった。
ギルド会場にいた人は決闘が気になり、観戦をするために沢山の人がついて来ていた。
見世物じゃないのだが・・・まぁ、いいか。
セリーヌという女性は有名人だから、勝負をする姿を観たいというのは当然か。
エリナは心配をして一緒について来てくれた。
町の外に出て戦う場所を探していると、
セリーヌという女性が立ち止まってこちらを睨んできた。
『この辺りで勝負をしましょう』
『ああ、いいだろう』
周りには草が生えてなく、
小石もない砂地の場所なので戦うにはベストだろう。
槍を構えようとしたら一度止められ、
勝負をする前に武道大会で行われるルールに従い、お互いに戦う事にした。
ルールは相手の鎧に攻撃を先に二回当てた人が勝ちというシンプルなものだ。
説明が終わって彼女が槍を構えて戦闘態勢に入ったので、私も槍を取り出して構えた。
そしていよいよ、女騎士同士の決闘が始まった。
『先手必勝!私から行かせてもらうよ!』
セリーヌという女性は私に向かって走り、
鎧が纏っている胸の所を槍で突こうとした。
鎧は狙っているが、殺す勢いで来たから攻撃を避けて反撃をした。
私は槍で相手の鎧を狙って振ったが、すんなりと避けられた。
『フフ、やるわね、青の女騎士・・・。だけど、次はかわせるかしら?』
彼女は攻撃を仕掛けて来ると目の前でバク宙し、、
私の背後にまわって槍を突き出してきた。
私は後ろを見て相手が槍で突いてくるのに気がつき、
右膝を地面につけてしゃがんでかわし、
身体を反転して槍を振り、相手の脚を狙った。
当然、脚にも鎧を纏っていたので狙った。
じゃないと脚を斬ってしまうからな。
槍の刃が相手の臑当に当たると、
相手は一度距離を置く為に下がり、態勢を整えていた。
『噂通りになかなかやるわね・・・スフィア。でも、勝負は始まったばかり!これからよ!!』
今度は真正面から突っ込んで槍を振り回し、
もの凄い速さで距離を詰めて来たがてっとり早く終わらす為に相手の槍を狙い、
こちらも槍を振り回した。
『そこだっ!』
『えっ?』
相手は振り返された槍の衝撃に耐えられずに槍を手から離し、槍を吹っ飛ばれた。
『私の勝ちだな』
槍の刃部分を相手の胸を狙い、
鎧にちょこんと刃が当たったのでこれで2回目、私の勝ちだ。
勝負が決まった瞬間に歓声が沸き上がり、
みんなに拍手をされたので少しだけ照れてしまった。
ふとセリーヌという女性を見ると地面に座り込んでいた。
さっき当てた脚が痛くて立てないのかな?
心配になった私は彼女に声を掛けた。
『すまない、痛かったかい?』
私は彼女に手を差し伸べると、彼女は小声で何かをぶつぶつと言い、
しばらくすると嗚咽を吐くようになり、
彼女が顔をあげると大粒の涙を流して泣いていたのだ。
『私が負けた・・・ううっ、うえーん!!』
私は突然泣かれてしまったので、焦ってしまった。
『えっ、すまない!そんなに痛かったのかい!?』
彼女は泣きながら話をした。
『痛くはないけど負けたから悔しいのー、ぐすん・・』
観戦していた人達が、私に冷たい視線で見ていた事に気がついた。
『スフィアちゃんが女性を泣かせた!』
『なんだか、可哀想だな・・・』
当然私はみんなに反論した。
『わ、私が悪いのか!?私は悪くないぞ!?』
取り敢えず彼女が泣き止むまで大変だった。
泣き止んでやっと立ち上がると、私に捨台詞を言って帰ってしまった。
『青の女騎士よ、また挑みに来るからね!覚悟しないよ!!』
一件落着で良いのかな・・・?
女騎士同士の決闘は私の勝利で終わった。
町に戻る時は観戦していた人達に、
セリーヌという女性の事を色々と聞いて分かった事がある。
彼女の年齢は19歳、武道大会で3年連続優勝して、
可愛い容姿とは裏腹に物凄く強く、
赤い鎧をいつも纏っているから赤鬼の騎士という二つ名があるみたいだ。
ん?待てよ?私はその女性に勝ったという事は、
武道大会に出たら優勝出来るって事かな?
まぁ、遠い町で武道大会をやっているみたいだから 行くのは面倒くさいかな?
馬車に乗っても二日以上掛かるみたいだ。
あのセリーヌという女性はそんな遠い町から来たのか・・・。
少しだけ驚いてしまった。
人間同士で戦う回は珍しいです。
結構書くのが大変でした。




