ワームが気持ち悪い
久しぶりに最強モンスターが現れる?
『はぁー・・・なんで私達がワーム退治をしないといけないんだ?』
『仕方がないだろ?ギルドマスターに頼まれたんだから』
『ああ、レイクの言う通りだ』
『そうよスフィア!頑張ろうよ!』
そう、私達はギルドマスターに頼まれ、
ワームが出現した砂場にレイクさん、ソーラさん、
エリナと私でパーティを組んで砂場に来ている。
そもそも何で私達の四人が頼まれたかと言うと、
ギルドに通っている他の戦士達では討伐する事が出来なく、
私達がギルド内で最も強い四人組みにされているからだ。
ワーム討伐の報酬は金貨100枚だからお小遣い稼ぎにはなるが、
このモンスターは見た目がグロテスクで気持ち悪いから戦いたくない。
どんな見た目かと言うと、
小さな毒毛虫を二十メートルほどの大きさにしたと言えば分かりやすいだろうか?
うわ、想像しただけで虫酸が走る。
そんな事を考えていると、
突然地面に振動が渡って揺れ始めて来たのだ。
驚いたのと同時に私達は警戒をして武器を取り出した。
『スフィアちゃん、エリナちゃん、気を付けて!
この振動はワームが地面から出てくるものだ』
『あいつが出て来る前に魔法を唱えてほしい、頼む!』
エリナはソーラさんに言われた通りに魔法を唱えた。
『任せて下さい。雷よ!皆んなの武器に雷を加えよ!』
エリナがそれぞれの武器に属性を加える魔法を唱えると、
ワームが五十メートルくらい先の地面から姿を現した。
それは余りにも大きく、見た目の気持ち悪さに驚いてしまった。
『うわっ!!やっぱり気持ち悪いな!!』
ワームは私達を見下ろす様に眺め、
大きな口を開いた瞬間に触手っぽい物が口の周りに沢山あるから、
またもや虫酸が走った。
絶対に食われたくないので全力で戦う事にした。
ワームは地面を這う様に向かって攻撃を仕掛けてきたが、
私達は左右に分かれて回避をした後に反撃をした。
『うらあぁ!!』
『くらいやがれ、芋虫やろう!!』
私とレイクさんが雷を纏った武器で攻撃をすると、
ワームの身体中に雷が走って感電させた。
苦しそうに暴れていたが、息の根がまだあった。
『やはりこの程度じゃ倒せないか・・・』
『俺に任せろ!』
ソーラさんが弓を構えて矢を放つと、
矢に雷が纏ってそのままワームに刺さって再び感電したが、
まだ倒せる事が出来なかった。
ワームは態勢を整え、再び地を這う様に迫って来たが、
エリナが魔法を唱えていた。
『炎よ!ワームを焼き払うが良い!』
その瞬間に敵の真下から炎が燃え上がり、火に包まれていたが、
ワームは回避をする為に一度地面に潜って行った。
『んー、逃げられてしまったわ』
『なかなか手強いな・・・』
『次はどうすれば・・・』
三人は悩んでいたが私はある事に気が付いた。
ワームの皮膚はきっと丈夫であるから、
外側を攻撃してもあまりダメージが与えられない。
つまり口内に攻撃をすれば効果抜群だと思う。
私はエリナに指示をした。
『エリナ!私の槍に炎属性を加えてくれ!』
『えっ?良いけど何をするつもり?』
次の瞬間、地面に潜っていたワームが姿を現し、
私達を狙って攻撃をしようとしていた。
『エリナ!』
『う、うん!炎よ!スフィアの武器に炎を加えよ!』
槍の刃に炎が纏とい、こちらに向かって来るワームに立ち向かった。
『スフィア!?本当に何をするつもりなの!?』
『スフィアちゃん!?』
『一体何を!?』
三人は驚いて声を上げていたが、形振り構わず攻撃を仕掛けた。
『これで終わりだあ!!!』
ワームが私を飲み込もうとして口を大きく開いた。
その時を待っていて口内に槍を突き刺した。
その瞬間に口内は爆発して、
ワームは暴れてから後ろに倒れ込み、
やっと倒せる事が出来た。
『ふー・・・上手く行って良かったよ・・・』
ふと皆がいる方に振り向くと、三人共同じ表情をして唖然としていた。
後で三人に危険すぎると怒られてしまった。
まぁタイミングを間違えたら死ぬからな。
でも、それは大丈夫だ、相手のスピードを把握していたからね。
そして私達はギルド会場に戻り、ギルド員の男性から報酬を貰った。
『金貨100枚だ』
『おー、どもども』
レイクさんが金貨が入っている布袋を受け取り、
テーブルに全て出して金貨を25枚ずつ分けた。
『それじゃ、レイクさん、ソーラさん。今日はお疲れ様でした』
『お疲れ様でーす!』
私とエリナはその場で解散をして帰ろうとしたが、
レイクさんに呼び止めれた。
『あ、ちょっと待て!スフィアちゃん、エリナちゃん!』
『『はい?』』
レイクさんは少しだけぎこちなく話をした。
『その・・・暇だったらでいいのだが・・・。
この後何処かに食べに行かないか?もちろん、俺が奢ってやる!』
私はエリナと目を合わせ、二人で首を縦に振った。
『奢って貰えるなら・・・いいですよ』
『うん!あ、でも変な所に連れて行ったら、炎魔法で燃やしますからね!』
『ああ、安心しろ。そんな事はしないさ』
こうして、私たちはレイクさんに誘われ、
飲食店で夜ご飯を奢って貰う事になりました。
ソーラさんもちゃっかりレイクさん奢って貰う事になった。
飲食店に入り、四人分の料理とオレンジジュースがテーブルに並べられると、
レイクさんが乾杯の合図をした。
『今日はお疲れ様!じゃあ、乾杯だ!』
『『『かんぱーい!!!』』』
レイクさんに誘われたのは驚いたが、
偶にはこういうのもありかな?と思った。
そして、意外とみんなが料理を食べるので、
レイクさんにお金をめっちゃ使わしてしまった。




