表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/38

魔法使いのエリナ

私は今日もギルド会場に来ています。

もちろん、お小遣い稼ぎのためだ。


『今日は何の依頼書を受けようかなー・・・』


ゴブリン大量発生の依頼は一人だと嫌だし、

スライムの討伐は昨日やったし薬草探しは地味だし、

クラーケンは・・・倒せるかもしれないけど辞めておこう。


迷っていると、大声で私の名前を呼ぶ女の子が出てきた。


『スフィア!今日こそ私が勝つわよ!!』

『また勝負をするのかい?』


いきなり勝負を仕掛けてくる彼女の名前はエリナ、

私は彼女に同い年という理由で、勝手にライバル視されているのだ。


今日もローブを着ており、紫の三角帽子を被っている。

髪はとても綺麗な赤色だ。

エリナの着付けはいつも魔女っぽいのだ。

まぁ、本物の魔法使いなんだが。


彼女の母親が魔女なので、

エリナも少しだけ魔法が使えるみたいなのだ。


『今日は何の勝負をするんだい?』

『今日は私達の勝負に相応しいのがあるわよ!これよ!!』


エリナが掲示板から依頼書を取って私に見せたのは、

ゴブリン大量発生の依頼書だった。


『ゴブリンをより多く討伐した方が勝ちよ!』

『ああ、望むところだ!』


まぁ、なんだかんだでエリナといると面白いし、

楽しいから勝負に挑まれても断らないのだ。

私達は依頼を受け、ゴブリンが目撃された所に向かった。


歩いて目的地に到着するまでは二人で仲良く話をした。

主な会話の内容は、二人共好きな紅茶の話や日常会話だ。


目的地に辿り着くと意識を集中するために、

武器を取り出し戦闘態勢に入った。


『あれが、ゴブリンの群れね・・・』

『いちにいさんしー・・・20体いるな』


私達は小屋の後ろに隠れてゴブリンの様子を見ている、

ゴブリンの群れは農産物を荒らしているようだ。


私達は作戦を立ててから戦う事にした。

勝負をすると言っていたのになぜか協力し合っている。

まぁ・・・こういうのも偶にあるんだけどな。


『じゃあ、頼むよ、エリナ!』

『まっかせなさい!氷の魔法よ、私に力を貸して!』


一斉に飛び出して、エリナが氷の魔法をゴブリンに放ち、

足元を氷漬けにした。


最高5体しか氷漬けに出来ないみたいだけど充分すぎる、

私は槍を振り回して攻撃を仕掛けた。


『はぁぁぁ!!!』


5体のゴブリンを倒すと、

遠くにいたゴブリンの仲間が気が付き、一斉に襲って来た。


『スフィア!私に任せて!』

『ああ、頼む!』


後ろからエリナの声が聞こえたので、私は右に大きく飛び跳ねた。


『燃えよ!ゴブリンよ!』


エリナの持っている杖から炎が出てきて、

ゴブリン達を次々と燃やした。

しかし、まだ10体ほど残っていた。


ゴブリン達はそれぞれに目標を狙い、分かれて襲って来た。

良し、作戦通りだ。

一遍に来られると大変だから、散らばってくれると倒しやすい。


私は先頭にいたゴブリンを狙いを定め、

跳んで上からゴブリンの頭を狙って切り落とした。

着地したのと同時に槍を振り回して、周りにいたゴブリンを倒した。


エリナを狙いに行ったゴブリン達は、

再びエリナが唱えた炎の魔法で返り討ちにあっていた。


『これで最後だわ!燃えよ!ゴブリンよ!』


二人でゴブリンを絶滅させると、とても達成感があった。


『やったー!!討伐出来たよ、スフィア!!』

『ああ!お疲れ、エリナ!』

『おつかれさまー!でも、同点だなんて悔しいなー』


私は驚いて固まってしまった。


『えっ!数えていたのか!?』

『まぁね!』


計算によると、私が初めに5体を倒して、

一回目の炎魔法で5体のゴブリンをエリナが倒す。


そして私が跳んでゴブリンの首を切ったのが一体、

槍を振り回して4体を倒し、

エリナの二回目の炎魔法で5体を倒したと説明された。


確かに・・・その様な気がする・・・。

私はエリナを感心していると、ある事に気が付いた。


『そういえばエリナ、風の魔法を使う機会がなかったな』


エリナは忘れていたかのように思い出していた。


『あーそうだね、ゴブリン達が散らばったから使わなかったね。

それとも使うべきだったかしら?』

『いや、5体くらいなら余裕だから必要なかったよ』

『スフィアなら一瞬で倒せるよね!』


エリナの風の魔法とは人を対象にする魔法で、

使うと風を纏って空中に飛ぶ事が出来る魔法だ。

相手に突撃する時や、危ない時に回避が出来る。


ちょっとだけ空中に飛びたかったが、何処かで使う機会があるだろう。

ゴブリン退治を終えた私達はギルド会場に戻り、報酬を受け取った。


『銅貨100枚になります』


パンを100個買える報酬を手に入れました。

仲良く半分に分けて、私達の本日の活動は終了した。


『またねー!スフィア!』

『ああ、じゃあな、エリナ』


さてと、親に何かを買ってから帰ろうかな。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ