オークを討伐してやる
今日はスライムの討伐が飽きたので、
ウルフあたりを倒そうと思ってギルド会場に来たが、
掲示板に貼ってある依頼書を見るとオークだらけなのだ。
依頼書を見ている時、私の名前を呼ばれたから振り向くと、
レイクさんとソーラさんだった。
丁度良いタイミングに来てくれたから、
私はレイクさんに尋ねた。
『レイクさん、聞きたい事があるのですが・・・』
『おっ、何だい?』
『どうして依頼書がオークばかりなんですか?』
レイクさんよりも先にソーラさんが口を開いて、教えてくれた。
『あー、最近になってオークが沢山出没したせいだな』
『そうそう、それで初心者の戦士達が困っているみたいだ。
ウルフを討伐しようと思ってもオークが近くにいたりするから、
依頼を受けても達成出来ないと』
なるほど・・・つまり、
アインとネイも困っているって事かな?
それなら私がオークを討伐してやろうではないか。
私はオーク討伐の依頼書を掲示板から取ると、
レイクさん達も同じ依頼書を取っていた。
『僕達もこの依頼を受けようと思っていたから、
パーティを組まないかい?』
『久し振りにどうだ?』
私は断る理由がなかったので、
久し振りにレイクさん達とパーティを組んだ。
オークが出現している森に向かう途中は、
三人で最近の出来事を話したり、気楽に雑談をしていた。
森付近に着くと、気を引き締めて入って行った。
森の中を歩いて数十分ほどでオークの群れを発見した。
確かにこんな所にオークがいたら、
初心者の戦士達はウルフの討伐が出来ないよな。
私達は木草に隠れながらオークの数を数えた。
合計で四体いたので少しだけ作戦を立て、実行した。
まず初めはソーラさんが隠れながら弓矢でオークを倒す。
他のオークが攻撃に気が付くと襲って来るから、
後は各自で倒すというシンプルな作戦だ。
ソーラさんは慎重にオークの頭を狙って矢を放つと、
見事に当たって仕留める事が出来た。
それに気が付いたオークは私達を睨み、
木の棍棒を構えて走って来たのだ。
『良し、後は各自で倒すぞ!!!』
『ああ!』
『はい!』
レイクさんはオークが振り回してきた棍棒を大剣で防ぎ、
右脚で腹部を蹴って相手のバランスを崩し、
その隙に大剣で上半身を切り落とした。
私はオークが攻撃を仕掛けて来る前に突進して、
槍で心臓を狙って突き刺した。
ソーラさんは近づいて来るオークに動じないで弓矢を構え、
頭に狙って矢を放つと、これも一撃で仕留めていた。
オークはそこそこ強いが、
私達なら簡単に倒せるモンスターだ。
この後もオークの討伐は順調に進み、
三人で20体ほど倒しただろう。
これだけ倒すとさすがにオークが出現する事がなく、
ウルフやゴブリンばかりだったから、今日はこの辺で引き上げた。
森を出て町に戻る時に、レイクさんとソーラさんが褒めてくれた。
『スフィアちゃん、前より攻撃力も素早さも格段に上がったな』
『初めてパーティを組んだ時も驚いたが、さらに強くなってるよ』
こんなに褒められると少し照れるが、純粋に嬉しかった。
ギルド会場に戻り、依頼の報告をして確認が終わると、報酬を貰えた。
『どうぞ、銀貨60枚です』
レイクさんが銀貨が入った布袋を貰い、
空いていたテーブルの上に銀貨を出して、
三人で20枚ずつ分けた後にパーティを解散した。
私はいつもの露店が並んである場所に行き、
何かを買って帰ろうとした時だった。
果物が置いてある露店の前に、二人組みの白髪の女の子の姿があった。
『お嬢ちゃん達は姉妹かい?可愛いねー!
ほら、蜜柑をサービスしてやる、持っていきな!』
『良いのですか?ありがとうございます!!』
『やったー!ありがとうー!』
二人組みの白髪の女の子はアインとネイだった。
二人は私に気が付いていないから、声を掛けた。
『アイン!ネイ!』
二人が私に気がつくと、笑顔で返してくれた。
『スフィア!四日振りね、元気にしていた?』
『ああ、元気だよ。そっちは?』
『んー元気だけど、元気じゃない?』
『よねー・・・』
姉妹で困った表情をしていた。どうしたのかな?
話を聞くと、ギルドで依頼を受けたいけど、
ここ最近はオークが出没しているせいで、
スライムしか狩れないと悩んでいた。
あーやっぱりその事か。
私は二人に、今日仲間と一緒にオークを20体討伐したから、
オークがいなくなるのも時間の問題と教えてあげたら、とても喜んでいた。
『本当!!』
『やったね、お姉ちゃん!』
今ギルド会場では初心者の為に、
中級者以上の戦士達が一生懸命オークを討伐しているから、
三日もしないでほとんどのオークを退治出来るだろう。
あと、三日ほどはスライムの討伐で我慢してね、と伝えた。
『ええ、ありがとうございます、スフィア』
『もう少しだけ我慢するー!』
アインとネイはやはり素直な姉妹で、とても良い友達だ。
帰り際になり、私はある事を二人に質問をしてみた。
『聞きたいことが有るけど良いかな?』
『どうしましたか?』
ネイはお姉ちゃんを真似て、一緒に首を傾けていた。
『この前、エリナという女の子と会っただろう?
どんな印象だったかなーと思って・・・』
アインは思い出すように考えていると、
ネイが先にエリナの印象を答えた。
『とても美人さんだった!
髪がサラサラで羨ましかった!』
『私はエリナさんに憧れますね!
初めて魔法を見た時にかっこいいなと思ったわ』
どうやら、二人もエリナに好印象を持っていたようだ。
これは仲良くなれる機会があるかもしれないな。
私は四人でパーティを組める日が来るかもしれないと思い、
密かに楽しみにした。
アインとネイと別れると私は、先程二人が買っていた露店で果物を買い、
私にもサービスをしてくれると期待をしていたが、
蜜柑をくれなかったのだ・・・残念、まぁ、いいか。
その後は二十代ほどの女性が露店を開いていて、
美味しそうな苺が詰められている箱があったから買ってみると、
本当は銅貨5枚なのだがサービスをしてくれて、銅貨3枚で譲ってくれたのだ。
嬉しかったが一体何故だ?
疑問に思いながら帰宅をする事になった。
スフィアは男性よりも女性にモテるタイプらしいです。




