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ネクロマンサーの怨念

最強のモンスターが現れる?

今日はのんびりとスライムを討伐して、

お小遣いを稼ごうと思ってギルド会場に入ったが、

なんだが騒がしく会場の様子が可笑しかった。


すると、ソーラさんが駆け寄って来て、状況を教えてくれた。


『スフィアちゃん!大変なんだ!』

『ソーラさん、どうしたんですか?』

『実は・・・』


私は耳を疑ったが、どうやら事実のようだ。

二日前に町外れにある墓地で墓荒らしをした奴がいて、

そのせいでネクロマンサーが現れ、

墓地に近づいた人を容赦なく殺しているようだ。


私は大変ですねーと他人事のように話すと他人事では無いようだ。

ネクロマンサーは魔法を使うらしい、そこでギルドマスターは

唯一魔法が使えるエリナがギルド会場に来たら、

ネクロマンサー退治のお願いをするつもりみたいだ。


それを聴いた私はギルドマスターがいる部屋に押し掛けた。


『ギルドマスター!!!』


突然入って来た私を見て、ギルドマスターは驚いていた。

私は形振り構わず、

沢山の書類が置かれているテーブルに手を思いっきり叩いて言ってやった。


『エリナにネクロマンサー退治をお願いをするつもりなんですか!

流石に危険すぎる!!』


テーブルを叩くと、書類が何枚かテーブルから落ちてしまった。

ギルドマスターは非常に悩んでいる表情をしていた。


『お願いをしてみるだけだ、無理時はしない。

しかし、このギルドでネクロマンサーに対抗出来る奴は

他にいないだろう・・・』


確かにそうだが、エリナにもしもの事があったら私は嫌なんだ。

だからなるべく危険な依頼は引き受けて欲しくない。


すると、ドアを軽く叩く音がして誰かが入って来た。

振り向くと目の前にいたのはエリナだった。


『エリナ!?』


『話は聞きました、ギルドマスター。

ネクロマンサー退治の依頼・・・引き受けます』


私はエリナの元に寄って、言い聞かせた。


『エリナ、エリナしか魔法が使えないと言う理由で、

こんなに危険な依頼を無理に引き受ける事はないと思うぞ』


エリナは微笑んでから私に言った。


『スフィア、心配してくれてありがとう。

でも、魔法しか対抗出来ないとしたら私がやるしかないでしょう?』


私はエリナが本気だったから止める資格はなかった。

けど、一人で行かすつもりもなかった。


『エリナが行くなら・・・私も付いて行くよ』

『いいの・・・?ありがとう、スフィア』


こうして私達は、

ネクロマンサー退治の依頼を引き受ける事にした。

ギルドマスターの特例の依頼なので、

報酬は金貨と銀貨、銅貨を100枚くれるそうだ。


しかし、問題はお金ではない。

エリナが無事じゃないと、

ネクロマンサーを倒したとしても意味がないのだ。

私はエリナを絶対に守ってみせると心の中で誓った。



そして私達は町外れにある墓地に到着した。

墓地を見渡すと、確かに荒らされて痕跡があった。


『これは、酷いな・・・』

『誰かこんな事をしたのかな・・・』


墓石が砕けて倒されていたり、

お供え物はぐちゃぐちゃにされていた。

こんな悪戯はゴブリンでもしないだろう。


私達はいつネクロマンサーが現れるか分からないので、

武器を手に持ちながら警戒をしていると、

エリナが魔力に反応して気がついた。


『スフィア!地面から出て来るよ気を付けて!!』


地面を見ると紫色の六芒星が浮かび上がり、突然現れた。

紫色の長いローブを羽織、頭と上半身は骸骨の姿をしている。

下半身は無く浮かんでいた。


そう、現れたのはネクロマンサーだ。

私達は直ぐに武器を取り出して戦闘態勢に入り、敵が腕を振り上げたと同時に地面から白い腕を数本出して襲いかかってきた。


『はあっー!!』


次々と襲い掛かってくる白い腕を槍で切り落として攻撃を防いだ。


エリナが心配で確認をしてみるが、炎の魔法を使って白い腕を一遍に燃やしていた。


『よくもやってくれたわね!今度はこっちの番よ!!』


エリナは反撃に出て魔法を唱えていた。


『雷よ!触れた者に感電を!』


エリナの前に大きな丸い玉が現れ、

バチバチと音がなり、雷を纏っていた。

この前にエリナがアリゲーターに使った雷の魔法だ。


ネクロマンサーが攻撃仕掛ける前に発射して、

勢い良くネクロマンサーに放つが、

相手は交わす素振りをしないで右手を出し、

黒い紋章が浮かび上がると雷の魔法を吸収して防がれてしまった。


『えっ!?』


次にネクロマンサーは左手を出し、紫色の紋章が浮かび上がると、

どす黒い紫色の魔法の玉を作ってエリナを狙って放った。


『エリナ!!!』


私はエリナを庇う為に左手でエリナを突き飛ばした。

槍で防ごうと思っていたが時間が無く、

左腕を出して相手の魔法から身を守ったがとてもなく痛く、

左腕から血が流れた。


『ぐっ・・・!!!!』


『スフィア!!!』


こんな攻撃をまともにくらったら大変だった、

これぐらいで済んで良かった。

私は痛みに耐えながらもエリナに指示を出した。


『エリナ!私の槍に炎属性を加える魔法を掛けてくれ!

これなら相手は防げないかもしれない!』


エリナは私の左腕を心配して動揺していたが、

直ぐに魔法を唱えてくれた。


『無理はしないでよ、スフィア・・・。

炎よ!スフィアの武器に炎を加えよ!』


その瞬間に持っている槍の刃から炎が纏い、

私はネクロマンサーに向かって攻撃を仕掛けた。


ネクロマンサーは左手を出し、

再び同じ魔法で私を狙って放ってきたが、

今度はちゃんと避けてネクロマンサーに近づいて槍を突いた。


左腕が痛くて余り力を入れる事が出来ないが、

エリナの魔法のお陰で少しの力でもネクロマンサーが爆発し、

燃やす事が出来た。


相手は右に行ったり左に行ったり、燃え続けて苦しんでいた。

これだけでは倒せる事が出来なかったので、

エリナは魔法を唱える為に私に離れてと指示をした。


『スフィア!あれを使うから離れて!』

『ああ、頼んだぞ!エリナ!!』


エリナが再び唱えたのは雷の魔法だ。

さっきは吸収されて失敗したが、今ならいけるはずだ。


エリナが雷が纏った玉を作ってネクロマンサーに向かって放つと、

相手は防ぐ事が出来ずに感電した。

力尽きると同時に砂になって消えていった。


『なんとか勝てたな・・・』


私は一安心してしまうと倒れそうになって膝をついた。

左腕を見るとまだ血が流れていた。


心配してくれたエリナが直ぐに駆け寄ってくれた。


『スフィア、大丈夫じゃないよね!傷を見せて!』

『あ・・・ああ・・・』


流石にこれ以上出血すると危ないと思い、

布を巻いて止血をしようと思っていたが、

エリナが信じられない事をして、私は固まってしまった。


『癒しの魔法よ・・・ヒール!!』


エリナの手が優しい緑色の光に包まれ、

私の左腕を撫でるよう触れると血が止まるだけではなく、

傷口も塞がって痛みが消えたのだ。


数秒の事で目を疑ったが完全に治っていたのだ。

試しに左手を握り締めても痛くない・・・私はエリナに尋ねた。


『この魔法は・・・ヒール?』


エリナは微笑んで優しい口調で話してくれた。


『うん、そうだよ、凄いでしょう?最近覚えたんだー』


私は心の底からお礼をした。


『ありがとう、エリナ』

『どういたしまして。それよりも・・・』


さっきまで微笑んでいたが怒った表情に変わり、

いきなり怒鳴られてしまった。


『なんであんな無茶をするのよ!

これくらいで済んだから治せたけど危険すぎるわ!!』


『すまない・・・けど、

エリナが傷付く姿を見たくなかったから・・・』


エリナは涙目になりながら私に抱きついた。


『ばか・・・もうあんな無茶はしないでよ・・・』


私もエリナの背中に腕を回して抱き締めた。


『ああ、すまない・・・約束する』


こうして私達は、ネクロマンサーを退治する事が出来てギルド会場に戻った。

そして依頼の報酬、金貨、銀貨、銅貨を100枚貰い、エリナと二人で分けた。


今日はさすがに疲れたので、その場でお別れをした。


帰宅をするとすぐに着替え、

ベッドの上で横になって仮眠を取ることにした。

数十分のつもりが一時間以上も寝ていたから、驚いてしまった。


しばらくはギルドに行かないで、ゆっくりしようかな・・・。

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