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姉妹と初パーティを組む

ギルド会場に入り、依頼書が貼ってある掲示板の所に行くと、

白髪の女の子二人が真剣に掲示板を見ていた。


一人は髪を一つに結んでいて、

もう一人は髪が肩につかない程の長さだ。


そう、その二人はアインさんとネイちゃんだった。


『アインさん、ネイちゃん、こんにちは』


私が後ろから声を掛けると、

二人共気付いてくれて挨拶を返してくれた。


『あっ、スフィアさんだ!こんにちは!』

『こんにちは、スフィアさん』


『二人共、何かを良さそう依頼がありましたか?』


アインさんは腕を組んで非常に悩んでいた。


『んー・・・実はこの依頼が気になるのですが、

私達に倒せるか心配なのです・・・』


アインさんが貼ってある依頼書に指をさしたのを見てみると、

マタンゴの討伐だった。


依頼の内容は薬草が生えてある場所の付近に、

マタンゴが発生しているからそれを退治してほしいとの事。


『私達は良く薬草探しの依頼を受けているの。

マタンゴが発生していたら、取れなくなってしまうと思い、

この依頼を受けたいのですが強さが解らなくて・・・』


妹のネイちゃんも心配そうにしていて私に尋ねた。


『スフィアさんはマタンゴの強さを知っています?』


んー非常に困ったぞ、私も話には聞いた事があるが、

実際に戦った事がないから強さが解らないのだ。

まぁ、低級モンスターではあるけど・・・。


考えているとある事を閃いた。

私がアインさん達とパーティを組んで、

一緒に討伐をすれば良いんじゃないかなと。


低級モンスターではあるが、

アインさん達を危険な目に合わせたくないし、

私がいれば安心出来るかも知れないから相談をしてみた。


『話によると低級モンスターには間違いないので、簡単に倒せるとは思います。

でも、二人にもしもの事があったら嫌だから、

私をパーティに入れて一緒に討伐しませんか?』


『えっ、良いのですか?』

『入ってくれるの!?それなら安心かも!!』


私はアインさんとネイちゃんのパーティに入って、

一緒にマタンゴの討伐をする依頼を受けて、森に向かった。



『んー、この辺りにマタンゴがいそうだけど・・・』

『なかなか見つかりませんね』

『薬草が生えているからいそうだけどねー』


ネイちゃんの言う通りに、この辺には薬草が生えているから

マタンゴが居ても可笑しくないけどなー・・・。


『うーん、いないから薬草が取って帰ろーと』


ネイちゃんが依頼を諦めて薬草を取っていると、

地面に一箇所だけ変に盛り上がっているのがあり、

違和感に気が付いた私はネイちゃんを呼び戻した。


『ネイちゃん!今すぐ逃げろ!!』

『えっ?』


その瞬間、地面からマタンゴが現れた。


『ネイっ!!!』


ネイちゃんは驚いてしりもちをしてしまい、

直ぐに逃げれる状況ではなかった。

私は直ぐさま駆けつけて、槍を取り出してマタンゴに斬りかかった。


『ネイちゃんには指一本触れさせない!!』


マタンゴを槍で斬ると真っ二つに切れて、一撃で仕留める事が出来た。


『ネイ!スフィアさん!大丈夫ですか!?』


アインさんは心配そうに駆けつけました。


『うん、スフィアさんのおかげで大丈夫だよ』

『ああ、私も大丈夫だ』

『良かった・・・』


アインさんは一安心をして笑みがこぼれる。

そして、しりもちをしているネイちゃんに手を差しのべて、

起こすの手伝っていた。


『あ、ありがと、お姉ちゃん・・・』

『もう、一人で行動したら駄目よ、危ないからね』

『ごめんね、お姉ちゃん』


安心したと思った矢先に、

森の奥から次々とマタンゴが歩いて来た事に気が付き、

私は二人に声を掛けた。


『アインさん、ネイちゃん、気を付けて。マタンゴが来たよ』


二人の顔は引き締まり、武器を取り出して戦闘態勢に入った。

目の前に歩いて来たマタンゴは全部で3体。

黄色のマタンゴや、緑色、白色などそれぞれの色や特徴が異なっていた。


私達は武器を構えて敵が近づいて来るのを待っていた。


・・・・・・遅い。


走って来ないな、マタンゴは走れないのかな?

というよりも、足も手も短いからどうやって攻撃をするだろう?

私達は待てなくなったので自分達から一斉攻撃をした。


『『『はぁー!!!』』』


三人は一撃でマタンゴを仕留めた。

強そうなのは外見だけで中身は超弱かった。


『弱かったな・・・』

『ええ、余裕でしたね』

『うん、弱かったの・・・』


この調子でマタンゴを三人で20体ほど倒し、ギルド会場に戻った。


『銅貨60枚になります』

『ありがとう、頂くわね』


アインさんが銅貨が入っている布袋を受け取り、仲良く三人で分けた。


解散をして帰ろうとすると、ネイちゃんに腕を引っ張られ、

上目遣いを使って引き止められた。

その姿がとても可愛くて、どんな頼み事でも聞いてしまいそうだ。


『あのっ、スフィアさんとの初パーティを祝う為に、

何処かで一緒に晩ご飯を食べようよ!』


アインさんも妹の提案に賛成して、私にお願いした。


『良い提案だわ、ネイ!スフィアさん、お願いします!』


私は断る理由もないから了承した。


『良いですね、行きましょうか』


『『やったー!!』』


二人はとても喜んでいて、

私の手を二人で片方ずつ繋いでギルド会場を出ました。

両手に花とはこの事だろうか?


祝いが出来そうな店を話し合った結果、

デザート専門の店「パクぱく」に行くことに決まった。

理由は女の子三人で祝える感じのお店で、

純粋に甘い物が食べたかったからだ。


私達は「パクぱく」の店に入り、

三人が丁度座れる丸いテーブルの席を囲むように座った。

周りを見渡すとやはり女性客が多く、パンケーキを食べてる人が多かった。


テーブルの上に置いてあるメニューを見てみると、

それ以外も沢山あるみたいだけど。

上から順番に書いてあるのがパンケーキ、チーズケーキ、

シフォン、ショコラ、ミルフィーユ、以下略。


あらゆる種類のデザートが書いてあるのだ。

これは非常に悩むな・・・。

ネイちゃんは何を頼むか決まったかな?聞いてみよう。


『ネイちゃんは何を食べるか決まった?』

『うん!パンケーキを頼むよ!』

『あ、私もパンケーキを頼むわ』


どうやらアインさんも決まっていたようだ。

二人がパンケーキを頼むなら私もパンケーキを食べよう、

それに一番人気がありそうだから美味しいと思う。


注文するのが決まり、私は近くにいた店員を呼んで注文をした。


『すいません、パンケーキを三つお願いします』

『はい、パンケーキ三つですね、少々お待ち下さい』


女性の店員は厨房の奥に行って、パンケーキを頼んでくれた。

良し、後はパンケーキがくるを待つだけだ・・・。


その間は三人で女子トークをしようと思った矢先、

アインさんが私に言いづらそうな感じで、もじもじしながら話をした。


『あ、あの、スフィアさん。一つお願いがあるのですが・・・』

『お願いですか?』

『ええ・・・』


改まってどうしたんだろうか?

ネイちゃんもお姉ちゃんを見て首を傾げている。


『その、スフィアさんは妹には普通に話しているでしょう?

私にも敬語を使わないで話して欲しいなーと・・・』


想像していた予想の斜め上を言われた。

話によると、もっと仲良くなりたくて、

敬語だと距離があって私が話し辛そうだからと言われた。


確かに私は敬語を使うのが苦手だ。

普段の口調が男性っぽいせいか、敬語だとぎこちなくなる。

それに、姉と妹で話し方が違うと大変だった。

私はアインさんに尋ねてから敬語を辞めた。


『えーと、普通に話していいのか?』


すると、アインさんの表情が和らいで私の手を握った。


『その方がスフィアさんっぽくて好きです、友達みたいで嬉しいわ。

それと、私をアインと呼んで下さい』


手を握られながら笑顔で言われたから、少しだけ照れてしまった。

隣で見ていたネイちゃんが羨ましがっていて、

私もネイって呼んで欲しいと言われたので、二人の名前を口に出した。


『アイン!ネイ!』


急に呼び捨てで言うとなんだか恥ずかしいが、

私達の距離が近づき、友達になれた。

そんなやり取りをしていると、

女性の店員が咳払いをして私達を見ていた。


『パンケーキ、三つ出来ましたよ』


周りの女性客を見ると、私達に視線を集めていて、

微笑ましく見守られていた事に気が付いた。

とても恥ずかしかった。


パンケーキが目の前に置かれると、

パンケーキの間に生クリームが挟んであって上には蜂蜜が掛かっており、

ブルーベリーが沢山乗っていた。


三人共が同時に一口食べると、感想が揃ったのだ。


『『『美味しい』』』


みんな同じ事を言ったのに気が付き、大笑いをしてしまった。


『ふふふふっ、被ったわね』

『うん、被ったねー!』

『ああ、そうだな』


パンケーキを食べ終わると、

最後にオレンジジュースを注文して三人で乾杯をした。

初めてパーティを組んだお祝いはとても楽しく、大成功で終わった。

スフィアに友達が増えました、

これから賑やかになりそうですね。

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