ワイバーンの討伐依頼
今日もいつも通りギルド会場に行って、
お小遣いを稼ごうとしていたが、
突然、ここのギルドマスターに呼ばれてしまった。
ギルド会場に入ると、
レイクさん達が私の元に駆けつけて教えてくれた。
『スフィアちゃん、やっと来てくれた!
ギルドマスターが俺達を呼んでいるぞ!』
『えっ!ギルドマスターが!?』
ギルドマスターに呼ばれたのは私とエリナ、
レイクさんとソーラさんの四人みたいだ。
エリナが来るのを待っていると
丁度いいタイミングに来てくれて、
エリナにも呼ばれた事を話すとエリナも驚いていた。
四人が揃ったので、
ギルド員にギルドマスターがいる奥の部屋まで案内された。
男性のギルド員がドアを小さく叩き、奥の部屋から声が聞こえた。
『ギルドマスター。
スフィア、エリナ、レイク、ソーラの四人を連れて来ました』
『ああ、入ってくれ』
ギルド員の方がドアを開けると、
広いテーブルにどっさり書類が置いてあり、
椅子に座っているギルドマスターの姿があった。
私達は出された椅子に座り、ギルドマスターの話を聞いた。
『君達を呼んだのは頼み事があってな、聞いてくれるか?』
『はっ、はい!』
『な、なんでしょうか?』
私とエリナは緊張をしてしまい、声が裏返りそうになったが、
レイクさんとソーラさんは意外と平然としていた。
『ギルドマスターがこの四人に頼み事とは?』
レイクさんが尋ねると、
ギルドマスターは困った表情をして話をした。
『実は、この町から少し離れているビーナという町の付近で、
ワイバーンが三体目撃されたようだ』
『ワイバーンが三体も!?』
『ああ、それで俺はこれからワイバーンを討伐しに行こうと
思っているのだが、数が少し多いから手伝って欲しい。
君達を選んだ理由は、君達は仲が良くて実力があるからだ』
私は少しだけ迷って考えた、受けるか受けないか・・・。
正直、ワイバーンを討伐したい気分じゃない。
すると、隣に座っていたエリナが私の肩に手を置き、笑顔で言った。
『スフィア!ワイバーンの討伐をしようよ!』
『エリナ?』
『ワイバーンくらいなんとかなるでしょ!
それに今の私には最高の魔法があるから余裕だよ!』
エリナが自信満々でやる気があったから引き受ける事にした。
『はい、任せてください、ギルドマスター!』
『そうか、助かるよみんな。礼を言おう』
早速、隣の町に行く準備をして馬車の用意がされてると、
レイクさん達が私達を心配してくれた。
『二人とも、女の子なんだから無理はしないでくれよ。
危なくなったらちゃんと逃げるんだぞ』
『まぁ、クラーケンを二人で倒した事があるなら
大丈夫かもしれないが、気をつけてよ』
『『はい!』』
本当にレイクさん達は優しい人だ。
私達の実力を知っていても女の子だからと言って、
ちゃんと心配をしてくれる。
『良し、準備が出来たぞ!君達も乗って』
馬車の準備が終わり私達は荷台に乗り、向かい合って椅子に座った。
ギルドマスターがいるから少しだけ緊張してしまうが、
ギルドマスターはもっとリラックスをしていいぞと私達に言ってくれた。
と、言われても緊張してしまうけど・・・。
ぎこちないながらも話をすると、
ギルドマスターはクール系と思っていたが、
以外とお喋りが好きな方で場を盛り上げていた。
町に辿り着くまでリラックスをしていたが、
突然馬車が止まり、ある出来事が起きた。
御者の方が荷台の後ろに来て、慌てていた。
『た、大変だ!!ワイバーンがこっちに来るぞ!!』
穏やかな雰囲気は一瞬で無くなり騒然とした。
ギルドマスターが指示を出してくれた。
『みんな、武器を取れ!直ぐに戦闘態勢に入れ!』
急いで馬車から降りて空を見上げると、
一体のワイバーンが飛んでいて、こちらに近付いて来た。
獲物を発見してこちらに来たのだろうか?
ワイバーンは私達の目の前に降りて、雄叫びをあげた。
『ギュオオオン!!!』
『一体なら俺に任せろ!』
ギルドマスターが先頭に立ち、
大剣を振り回してワイバーンに攻撃を仕掛けに行った。
『うらぁ!!!』
ワイバーンの片脚に攻撃してダメージを与えると、
痛みに堪えながらも鋭い牙を向けて噛みつこうとしていたが、
ギルドマスターは右に跳んで回避をして、もう一度大剣を振り下ろした。
『はあぁ!!!』
首を狙って攻撃すると、ワイバーンの頭が地面に落ちて、
首と頭からは大量の血が流れていた。
戦闘が終わったと思いきや、次はワイバーンが二体同時に空から飛んできた。
ギルドマスターが今度は手伝ってくれと言い、 私達はワイバーンが降りてくるのを待った。
ワイバーンの習性は獲物を見つけると、
目の前に降りて襲いかかるので、
飛びながら攻撃を仕掛けて来ないのが救いだ。
『みんな!気を引き締めろ!降りてくるぞ!』
ワイバーンが二体同時に地上に降りてくると、
初めに動いたのはエリナだった。
エリナが魔法を唱えて私の槍に炎属性を加え、
刃から炎が纏うと、みんなが驚いていた。
ソーラさんには弓矢に風属性を加え、弓を飛ばす指示をした。
『ソーラさん、矢を放ってください!』
『ああ、任せろ!』
ソーラさんが矢を放った瞬間に風を纏い、
ワイバーンの頭を粉々に吹き飛ばした。
『えっ・・・』
ソーラさんは唖然としていた。
私は残っていたワイバーンを狙い、
炎が纏った槍を思いっきり突くと爆発し、ワイバーンが燃え尽きた。
私とエリナ以外はさらに驚いていた。
『この魔法・・・凄すぎるだろう・・・』
『エリナちゃん、いつも間にこんな魔法を・・・』
エリナはご機嫌になりテンションを上げていたが、
ギルドマスターがエリナの元に近寄って注意をした。
『エリナよ、この魔法は人目につかない所で使った方がいいぞ』
『えっ、何でですか?』
『魔法が強すぎてこれを見た奴らはお前をパーティに無理矢理誘うだろう、
利用されてしまうから信頼出来る仲間にしか使わない方がいい』
ギルドマスターはエリナの事心配して注意をしたようだ。
確かにこの魔法が知られると、
絶対に楽して討伐をしたい奴らが出てくるはずだ。
私もエリナの元に近寄って話をした。
『確かに、ギルドマスターの言う通りかもな。
なるべくいざという時だけに使ってくれないか』
エリナは迷っていたが、約束をしてくれた。
話が終わるとギルドマスターは、
御者の方に睨みつけるように言った。
『この事は内緒にしてくれよ、バラしたらどうなるか分かるよな?』
『言わないです!言わないです!誓います!』
その時のギルドマスターの顔が凄い剣幕で怖かった。
『さてと、じゃあ帰るか、みんな』
私はギルドマスターの言葉に驚いて固まってしまった。
『あれ?ビーナの町には行かないんですか?』
ギルドマスターは首を傾げて、不思議そうに話した。
『ん?ワイバーンを倒したから町に行く必要が無くなっただろう。
町の周辺に現れたから町に一度行って、情報を集めようと思ったけどな』
私は心の中で叫んだ。
ビーナの町を観光したかったー!!まぁ、仕方がないか・・・。
今日の私の予定は終了してしまった。
ギルド会場に戻り、ワイバーンの報酬で金貨15枚を貰い、
四人で仲良く分けようとした時にソーラさんがある事に気がついて言った。
『レイクよ、お前さんは何もしなかったよな?お前に上げる金貨はないぞ』
『そんな!?』
レイクさんは目茶苦茶落ち込んでいた。




