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隻眼竜の刹那  作者: リロイ
序章 伊達政宗、異世界へ
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伊達政宗、異世界へ

米沢城に向かう政宗達に天は優しくはなかった。

いつの間にか空には灰色の雲が広がり、しとしとと雨が降り始めたと思ったら、次第に雨の強さが増してどしゃ降りとなった。


小十郎は天候を心配して政宗に尋ねた。


「政宗様、一旦雨宿りを兼ねて休憩を取りましょ うか?」


「いや、酉の刻(日没)までには米沢城に戻って おきたい。皆も疲れているだろうが、このまま進むぞ。」


「承知しました。皆に伝えましょう。」


「うむ、宜しく頼む。」


政宗達はどしゃ降りのため、足取りが遅くなりながらも進み続けた。

そんな政宗達を天は嘲笑うかの如く雷が鳴り始める。


政宗達は、渓谷で下に川の流れる吊り橋に着いた。

どしゃ降りで雷鳴轟く悪天候なため、馬に乗りながら橋を渡るのは流石に危険と判断して、政宗は馬から降りて橋を渡ることにした。



政宗が吊り橋の中間地点くらいにたどり着いた時、一際大きな雷鳴が鳴った瞬間に稲妻が政宗に向かって来たのだった。

政宗は、左目を見開き間近に迫る稲妻に対処しようとするも、光の速さに反応することは流石に出来ず政宗に稲妻が直撃し、政宗の全身が電気に感電したことでスパークした。


小十郎は、突然の出来事になすすべもなく呆然と立ち尽くしていたが、政宗が気を失いよろけたことで、正気に戻り政宗の元に駆けつけ身体を支えようと右手を伸ばした。


「政宗様ッ!!」


政宗の身体は左に傾き、橋の左側に渡された縄に1度引っ掛かり、小十郎は間に合うと思い安堵の表情を浮かべたが、政宗が纏う甲冑の重さに耐えられず、縄が裂けて細くなり切れたのだった。

小十郎の伸ばした右手は空気をつかみ、政宗の身体は渓谷を流れる川に向かって落ちていったのだった。


その後、小十郎達は川の下流に向かい必死の捜索をした結果、気絶した政宗を発見し、政宗達は、米沢城に無事帰還したのである。


戦国時代に生きた伊達家の第17代当主である政宗は、戦国の乱世を生き抜き、天下人となった豊臣秀吉や徳川家康に翻弄されながら68歳の生涯を終えた。


政宗が稲妻に撃たれ川に落ちた瞬間ある不思議な出来事が起きていた。スパークした身体は眩い光に包まれ政宗の身体がぶれ始めた。

政宗の身体は次第にずれ、2人の政宗が生まれた。

1人の政宗は戦国時代に残り、もう1人の政宗はスパークした光から時空の狭間が発生してその身体は、狭間の中に飲み込まれたのだった。

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