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3

悪役令嬢として行動する。

けれど人の人生を狂わすほどの事はしたくない。

本来こんな事は無理だけれどシエラには支配がある。

ゲームでは、一人を短時間操るとか、多くの人に幻覚を見せるといった感じで使われていた。

支配という名前の割には効果が微妙だけれど、シエラは闇の精霊王の加護を手に入れておりその力を多用していたのでスキル能力が低かったのだろう。

ゲームのシエラ程度のスキルレベルでも幻覚で悪行を見せる事が出来る。

特に奴隷を人の様に扱わずゴミのように殺す等したくないので早くスキルレベルをあげたい。

スキルレベルが上がれば人を惑わし自由に行動出来るようになるしやれる事が出来る。

ただ問題があるとするなら闇の精霊王の加護だ。

幼いシエラが契約したとあったが同じシエラでも私に契約出来るかという事である。

性格も考え方もゲームのシエラと私では違い過ぎる。

シエラの悪行が学園で主人公達に破滅させられるまで続くのは、王女である事以外にも強さという要素もあった筈だ。

精霊王の力を人間が万全に使える訳がなくほぼ使えてないというレベルだが加護を受けただけで冒険者ランクAに届く。

それは荒事で生きている強者とただ加護を受けた鍛えてもいない小娘が同等の強さになるといえばそのめちゃくちゃさが分かるだろう。

それを手に入れられないかも知れない。

悪役令嬢とは全てのルートで王女としての権力で男を手にいれようとするもしくはすり寄るライバルキャラとして出てきて、レオンルートの魂を消滅させれるエンド以外にもただ苦痛に満ちた死がどうしようもないほど溢れている。

精霊王の力を手に入れなかったら更に死ぬ確率が跳ね上がるだろう。

そもそもルートを選ぶのは主人公でルートを誘導しなければいけないのだ。

自分で死に方を選べるだけの強さがいる。

ゲームのシエラ程度の強さではいけないのだ。

最低でもランクS。

この世界の誰もが認める強さを手に入れなければいけない。

しかも主人公達が私を倒すのを諦めないよう前の私程度の力しかバレてはいけない。

ますます支配の力が必要である。

私は我が儘の設定を生かし、自室に一人になりスキルを使う。

そもそも無意識使っていたのだ使えないはずがない。

でも完全に一人だとは思わない事、護衛などが気付かれないよう見張ってる可能性がある。

やはり見えない物を操るのがいい。

目の前の空間を見つめ空気を操るのイメージをする。

なかなか発動せず、やり方が間違っているのかと思い出した頃、空気に力が流れて行く感覚が唐突に感じれる様になり、

私は慌てて空気を手の形に変え、自分の頬を触れさせる。

その感触に支配を使えるようになった事を理解する。

それから私は割りと高頻度で癇癪を起こし、部屋に籠るようになる。

支配の能力を一つ一つ確認していくと何故ゲームのシエラは多用しなかったのだろうかと疑問に思う程万能だった。

支配出来るものには、魔力が足りるかは別にして自身の力が流れて行くのだ。

何故万能かというとこの支配は、スキルにも使える。

私は支配のスキルが支配出来る範囲が広い事を知って、範囲を絞る事で強化出来ないかを考えた。

例えば空気だとか土だととか物理的な物を操れなくする変わりに人の心を操り易い特化型のスキルに変更できないか試しに支配のスキルを支配のスキルに使ってみた。

支配出来なかったが力は流れたつまり魔力さえ足りれば支配出来るという事だ。

あと分かった事は、支配のスキルは他人より物、物より自分が使い易い。

空気を支配し、部屋とその周辺を調べた所、部屋の前に侍女はいるが以前考えた護衛などはいないようだ。

城だから安全と考えているのか、私に大した価値を感じていないのかどちらにしろ私には都合がいいと部屋の外側の空気を固めて外に響かないようにし、前世で習っていた古武術の練習をする。

自分が弱くかよわい存在で力の強い人がその気になったらどうしようもないなんて状況が怖くて習いだした古武術。

まぁ結局不意打ちで刺されて役に立たなかったのだけど、実際何が起きても不思議じゃないとか用心してるつもりで心のどこかで日本でいきなり殺される事はないとでも思っていたのかも知れない。

まぁ役に立つかはともかく体を鍛える鍛練にはいいだろう。

私はこの世界の武術なんて知らないのだから。

でもこの小さく慣れていない身体では思った様に動けなくて、試しに身体を支配してみると直ぐにイメージ通りに動いた。

前世の私の動きどころが思い出すだけで師範の動きまで再現できた。

更に自身にもっと集中できないかと支配を掛けるとこれまで無いほど集中出来た。そのおかけで支配を解いても目に見えて動き方が進歩した。この分だと簡単に強くなれるかもしれないとニヤニヤしてしまう。

自分に掛けた支配それに掛かった魔力は普段他人や物に使ってる魔力より少なかった。戦闘では支配は自分に掛けるべきだなとか呑気に考えていたのだけどその日の夜高熱を出して倒れてしまった上に全身筋肉痛で苦しんだ。よく考えれば無理やり動かしているんだから当たり前か。

半日苦しんだ後、支配で苦痛をどうにか出来ないかと試した所魔力を消費し続ける限り苦痛を取り除けることが分かった。痛みと熱で思考が鈍っていたとしてもなんでもっと早くやらなかったのかもう終わった事だと忘れようとしても何度も後悔してしまう。



支配が万能だと確かめ所で私はある試みを試みる。

人は無意識に魔法やスキルに抵抗する力がある。

その抵抗を支配で抑えると自分の魂に消滅の支配を掛ける。

抵抗がなかったのと自身への行使だったおかげか支配が発動する。

激痛と共に意識がブラックアウトする。


次の日私は目を覚ました。

もの凄く気持ち悪い。

支配で苦痛を取り除く。

ブラックアウトする中で本能的に理解したスキルとは魂から根付いた能力で自らのスキルで自らの魂を傷つけることは出来ない。

それとシエラのスキルを持っている私は私の記憶でシエラを押し潰してしまったとしても魂はシエラの物みたいだ。

もし魂を見れる人がいて生まれたばかりのシエラを見ていて今の私を見ても同一人物と見られる訳だ。

他人の身体、他人の魂を使い、生きたくもないのに生きているただの記憶。

他人の魂か

私は魂もないのになんで生きて苦しまないといけないのかな?

シエラもこのあと罪を犯すかもしれないけどこんな小さいうちに生きいとも思ってない私なんかに押し潰されて消えてしまうなんて少しばかり同情する。

でもこれから起こるであろう苦しみや辛さを味合わなくてもいいのは羨ましい。

幸せだけを感じれるのなら私も生きていたい。

でも必ず苦痛や辛さも味わう。

幸せを感じる為に必要なプロセスなのだろうけど苦痛や辛さを味わうくらいなら幸せもいらない。

何も感じない方がいい。

もしかしてと魂を消せるかもと期待してた分落ち込んしまう。

スキルで自分の魂を傷つけられないのなら今感じているであろう気分の悪さは防衛本能的な物だろうか?長引かないといいのだけれど。

結局気分の悪さは一週間ほど続いた。

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