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プロローグ 前世

寒い。

氷の様に身体が冷えていく。

なのに腹部だけが焼ける様に熱く感じる。

息をしようとするだけで嘔吐感が沸き上がる。

理由は分かっている腹部を刺されたからだ。

刺した女は顔を恐怖に歪ませながら逃げていった。

そんな顔するぐらいならしなきゃいいのにと思う。

勇人の関係者か、直哉の関係者かもしかしたら桃子関係かも知れない。

こうして考えてみると私は随分と恨まれているみたいだ。

刺した女は逃げて雨の中路地裏に一人死んでいくお似合いかもしれない。

段々意識が遠くなっていく。

これまでの事が走馬灯の様に流れで行く、いや様にじゃなくて走馬灯だね。


小学生。今の私を普通じゃないとするならこの頃の私は普通だった。

子どもらしく考えなしで永遠の愛だの友情などを信じたりしていた。

転機は些細な事だった好きだった男の子と放課後に会った。それだけ。

まぁその子は集金のお金を教師の机から抜きとっていたのだけれど。

おめでたい私はその事を黙ってた、告げ口するのが嫌だったし好きだった、それに見られたのだからきっと返して2度としないだろうと自分の都合のいいように考えてた。

次の日学校に行くと私は犯人にされていた。

人は確実に真実を知る方法がないそんなことすら意識していなかった。

真実は分かってくれる。悪事はバレる。なんて事を信じていた。

この世界で起こった罪のどれだけが罰を受けているというかも知らず。

私はあっさりと犯人となった。

疑われたあと語る言葉にどれだけの価値があるか。

大事にしない。反省するなら警察には言わない。

ホームルームで皆の前で謝らされた。皆のお金を盗んだ事を。

泣くと怒られた。友達は信じてくれなかった。親は怒って叩かれた。

悪いことをしたら叩く、で躾私の為だと。

盗んでもないお金の使い道答えられずにいるとまた怒られた。

私に話しかける友達はいなくなってた。

でもどうでも良かった犯人にされた怒りはあるけどそれよりもただ恥ずかしかった。なんで教えられた事を何も考えずに信じていたのか。

悪い事があっても我慢してればいつか幸せになれる。

我慢してる途中に死んじゃっても幸せになれるの?

永遠の友情、大体の子が学校が変わっただけで会わなくなるのに?

恋人が出来ただけで友達じゃなくなるのに?

お金の貸し借りで友達じゃなくなるのに?

変な噂が流れただけで友達じゃなくなるのに?

犯罪を犯したと思われただけで友達じゃなくなるのに?

食べたくても食べれない人がいるんだから好き嫌いをなくしましょう。

よく考えたら関係がないよね。寧ろ好きな物を食べ指して残飯を減らした方がよくない?それに大人の方が残飯だしてるよね?

しばらくすると教師は悪い事をしてもやり直せます反省してますし無視などをせず仲良くしましょう。

やってもいない事をどうやって反省するの?勝手に私の気持ちを作って勝手に私の考えであるかの様に言う教師が気持ち悪い。

仲良くしましょうと言われたからと仲良くしましょうって話し掛けてくる元友達が気持ち悪い。

私は学校に行かなくなった。

自分のした事の責任なのだから甘んじて受けて、我慢して学校に通いなさい。親はそう言った。

暫くして好きだった男の子の悪事がバレた。

高価な買い物を子どもだけでした事で玩具屋さんが怪しんだらしい。

私が無実だった事が分かって教師が謝りに来た。

親は教師に怒っていた。

それから親は私に対して腫れ物に扱うようになっていた。

親はよく私に謝るのだけどもう怒ってなんていない。

許してるただ信用出来ないだけ。

それを怒ってると言われても困ってしまう。


次の転機は高校の時。

知り合いの誰もいない高校に行った筈だったけど勇人がいた。

勇人は謝罪をし許してくれと言ったので許した。

そして直哉とあった直哉は私に構ってきた。

自殺を仄めかすブログを見つけそれがこの学校の私の予定に似ていたらしい。

煩わしかった私は直哉とこのブログの生徒探しをし悩みを抱えてる生徒を助けた。

まぁこのブログの生徒は直哉だった。

直哉はいい子過ぎていい子ではなかった幼なじみが勝手に追い詰められて自殺した。それが重石になってその幼なじみが死ぬ前に書いたブログを真似てそのこの気持ちをしろうとしその子と考え方の近い私に助けを求めていたらしい。

正直私には助けられないけれど幼なじみはちゃんと救いを用意していたらしい幼なじみの家に直哉宛の手紙があった。

それで直哉は救われたらしい。

私は小学生の時と随分変わったらしいそれに罪悪感を感じた勇人が付き合うと言ってきたり恩を感じた直哉が付き合うと言ってきたりして多くの女性に恨まれた。二人とも顔も頭も運動神経もいいのに二人ともキープしてる悪女扱いされて高校は推薦すらとれずろくに就職すらできなかった。


水商売を始めて桃子とあった美人で人当たりもいい子ではあったけどこの子の愛は重くていつも男に逃げられていて何故かルームシェアしていた女の私に逃避してきた。

余りの重さに受け入れて暫くしてたった頃店に勇人や直哉が来店しだしていつも揉めていた。

そして何故か私が恨まれた。

そして見知らぬ女に刺された。


走馬灯が終わった。

見返して見ても酷い人生だと思う。

幸せを感じるのが心だとしたらきっと私は幸せになれない。

幸せを感じたとしてもそれが続くと思えない。

幸せを感じた分無くしてしまう事に恐怖を感じる。

私は幸せになるのが下手なのだと思うだからいつも早く終わればいいと思ってた。

段々意識が遠くなるこれでもう痛くない、苦しくない、辛くない、

何も考えずに全てがなくなる最後は喜びの中で私の意識は消えて行った。

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