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「すき」
あの時、ほんの昨日、オレンジ色の教室で、確かに彼女はこう言った。
最初何のことかわからず固まってしまったあたしは、ただ一言
「……え、」
と呟いた。
あれは間抜けだった。
でも、にわかに信じがたかったからという言い訳はしていいと思う。あの彼女が私に、告白なんて。
今でも信じられない。
だからと言って、
「あのさ、」
「そのすきってのは、likeのほうなの、それともloveなの」
とは言うべきじゃなかった。
あれは最悪だった。
彼女の顔がみるみる赤くなって、
「わざわざこんなこと言ってるのに、likeのわけないじゃん!」パァン……
平手打ちを食らってしまった。
「っ……、ごめん」
泣きそうな顔でこちらを見る彼女に、あたしは
「いや、こっちこそごめん……。あの、ちょっと考えさせて」
と呟くことしか出来なかった。カッコ悪。